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■「美しい国へ」から「移民の国へ」(4)



 ▼外国人労働者「上限34万人」に騙されるなかれ
   歯止めなき移民流入に道を拓く「改悪」入管法




 安倍内閣が、外国人労働者の受け入れ見込み人数の数字を出してきた。

 5年間で26万人~34万人といふものだ。

 安倍首相は「見込み人数を超えた受け入れはしない。その人数を上限として運用する」と11月14日の衆院本会議で答弁してゐる。

 「上限として運用する」といふ安倍首相の言葉に何の根拠もないことは、わづか2週間前の衆院予算委員会で山下法相が次のやうに答弁してゐることからも明らかである。

 「数値として上限を設けることは考へていません」

 山下法相がこのやうに言明した衆院予算委員会には、安倍首相も出席してゐた。

 政府部内には、外国人労働者の枠だとか上限を設けるといつた考へははじめから存在しない。

 だから、首相と法相でさへ言つてゐることがコロコロ変はる。

 「上限として運用する」といふ安倍首相の言葉が口から出まかせである如く、「5年間で26万人~34万人」といふ数字も適当にデッチ上げられたガセ数字にすぎない。

 ことし6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の針)で、単純労働者の受け入れを打ち出した際には、2025年に必要な外国人労働者は「50万人」といふ数字を掲げてゐた。

 2025年に50万人だから、5年後(2023年)にはまあこのぐらいにしよう、とひねり出されたのが、「26万人~34万人」といふわけだ。

 もともと、「2025年に50万人」といふ数字に何の根拠もないのだから、「5年後に26万人~34万人」といふ数字に根拠があるわけもない。

 「改悪」入管法には、新たな在留資格者(「特定技能」)の規模や対象業種はもとより、それらを決める機関や手続きなどもまつたく書かれてゐない。

 それらはすべて政府部内で随意に処理できる。

 政府が「特定技能」の対象者=移民を、歯止めなく拡大できる仕組みがなつてゐるのだ。

 今回、安倍内閣は「特定技能」の対象14業種なるものを示してきたが、こんなもの、何の意味もない。

 「改悪」入管法が成立すれば、14業種は100業種にも全業種にも拡大することがいつでも可能になるのだ。

 国民の目を晦ますべく周到に作成された「改悪」入管法案とはいかなるものか。

 参考までに「改悪」入管法案の一部を掲げてみようか。


 *************

《第一章中第二条の二の次に次の三条を加える。
(特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針)
 第二条の三 政府は、特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図るため、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
 2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
  一 特定技能の在留資格に係る制度の意義に関する事項
  二 人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に関する基本的な事項
  三 前号の産業上の分野において求められる人材に関する基本的な事項
  四 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する関係行政機関の事務の調整に関する基本的な事項
  五 前各号に掲げるもののほか、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項
 3 法務大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
 4 法務大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。
 5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
  (特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する分野別の方針)
 第二条の四 法務大臣は、基本方針にのつとり、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野を所管する関係行政機関の長並びに国家公安委員会、外務大臣及び厚生労働大臣(以下この条において「分野所管行政機関の長等」という。)と共同して、当該産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図るため、当該産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(以下「分野別運用方針」という。)を定めなければならない。
 2 分野別運用方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
  一 当該分野別運用方針において定める人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野
  二 前号の産業上の分野における人材の不足の状況に関する事項
  三 第一号の産業上の分野において求められる人材の基準に関する事項
  四 第一号の産業上の分野における第七条の二第三項及び第四項(これらの規定を同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による同条第一項に規定する在留資格認定証明書の交付の停止の措置又は交付の再開の措置に関する事項
  五 前各号に掲げるもののほか、第一号の産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項
 3 法務大臣及び分野所管行政機関の長等は、分野別運用方針を定めようとするときは、あらかじめ、分野所管行政機関の長等以外の関係行政機関の長に協議しなければならない。
 4 法務大臣及び分野所管行政機関の長等は、分野別運用方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
 5 前二項の規定は、分野別運用方針の変更について準用する。
  (特定技能雇用契約等)
 第二条の五 別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号又は第二号に掲げる活動を行おうとする外国人が本邦の公私の機関と締結する雇用に関する契約(以下この条及び第四章第一節第二款において「特定技能雇用契約」という。)は、次に掲げる事項が適切に定められているものとして法務省令で定める基準に適合するものでなければならない。
  一 特定技能雇用契約に基づいて当該外国人が行う当該活動の内容及びこれに対する報酬その他の雇用関係に関する事項
  二 前号に掲げるもののほか、特定技能雇用契約の期間が満了した外国人の出国を確保するための措置その他当該外国人の適正な在留に資するために必要な事項
 2 前項の法務省令で定める基準には、外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならないことを含むものとする。
 3 特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関は、次に掲げる事項が確保されるものとして法務省令で定める基準に適合するものでなければならない。
  一 前二項の規定に適合する特定技能雇用契約(第十九条の十九第二号において「適合特定技能雇用契約」という。)の適正な履行
  二 第六項及び第七項の規定に適合する第六項に規定する一号特定技能外国人支援計画(第五項及び第四章第一節第二款において「適合一号特定技能外国人支援計画」という。)の適正な実施
 4 前項の法務省令で定める基準には、同項の本邦の公私の機関(当該機関が法人である場合においては、その役員を含む。)が、特定技能雇用契約の締結の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしていないことを含むものとする。
 5 特定技能所属機関(第十九条の十八第一項に規定する特定技能所属機関をいう。以下この項において同じ。)が契約により第十九条の二十七第一項に規定する登録支援機関に適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する場合には、当該特定技能所属機関は、第三項(第二号に係る部分に限る。)の規定に適合するものとみなす。

 6 別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人と特定技能雇用契約を締結しようとする本邦の公私の機関は、法務省令で定めるところにより、当該機関が当該外国人に対して行う、同号に掲げる活動を行おうとする外国人が当該活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援(次項及び第四章第一節第二款において「一号特定技能外国人支援」という。)の実施に関する計画(第八項、第七条第一項第二号及び同款において「一号特定技能外国人支援計画」という。)を作成しなければならない。
 7 一号特定技能外国人支援には、別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合において、他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて同号に掲げる活動を行うことができるようにするための支援を含むものとする。
 8 一号特定技能外国人支援計画は、法務省令で定める基準に適合するものでなければならない。
 9 法務大臣は、第一項、第三項、第六項及び前項の法務省令を定めようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。
  第七条第一項第二号中「地位については」を「地位については、」に改め、「こと」の下に「(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人については、一号特定技能外国人支援計画が第二条の五第六項及び第七項の規定に適合するものであることを含む。)」を加え、同項第四号中「第五条第一項第四号」を「同項第四号」に改め、同条第二項中「まで」の下に「又は同表の特定技能の項の下欄第一号若しくは第二号」を加え、「次条」を「次条第一項」に、「証明書」を「在留資格認定証明書」に改める。
  第七条の二第一項中「証明書」の下に「(以下「在留資格認定証明書」という。)」を加え、同条に次の三項を加える。
 3 特定産業分野(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に規定する特定産業分野をいう。以下この項及び第二十条第一項において同じ。)を所管する関係行政機関の長は、当該特定産業分野に係る分野別運用方針に基づき、当該特定産業分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときは、法務大臣に対し、一時的に在留資格認定証明書の交付の停止の措置をとることを求めるものとする。
 4 法務大臣は、前項の規定による求めがあつたときは、分野別運用方針に基づき、一時的に在留資格認定証明書の交付の停止の措置をとるものとする。
 5 前二項の規定は、一時的に在留資格認定証明書の交付の停止の措置がとられた場合において、在留資格認定証明書の交付の再開の措置をとるときについて準用する。この場合において、第三項中「確保された」とあるのは「不足する」と、前二項中「ものとする」とあるのは「ことができる」と読み替えるものとする。
  第九条第二項及び第八項、第九条の二第一項、第三項、第五項、第七項及び第八項、第十四条の二第一項、第十七条第一項、第十九条第二項及び第三項、第十九条の二第一項、第十九条の三並びに第十九条の四第三項及び第五項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改める。
  第十九条の五第二項中「第二十条第五項」を「第二十条第六項」に、「末日が経過する」を「終了の時」に改める。
  第十九条の六、第十九条の七第一項、第十九条の八第一項、第十九条の九第一項、第十九条の十、第十九条の十一第一項及び第二項並びに第十九条の十二第一項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改める。
  第十九条の十三第一項中「毀損し、」を「毀損し、」に、「毀損した」を「毀損した」に、「毀損等の場合」を「毀損等の場合」に、「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改め、同条第二項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に、「毀損し、」を「毀損し、」に、「毀損した」を「毀損した」に改め、同条第三項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改める。
  第十九条の十五中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改める。
  第十九条の十六中「法務大臣に」を「出入国在留管理庁長官に」に改め、同条第二号中「又は技能」を「、技能又は特定技能」に改める。
  第十九条の十七中「機関(」の下に「次条第一項に規定する特定技能所属機関及び」を加え、「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改める。
  第十九条の十九第一項及び第三項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に改め、第四章第一節第二款中同条を第十九条の三十七とする。
  第十九条の十八第一項中「法務大臣」を「出入国在留管理庁長官」に、「及び活動状況」を「、活動状況及び所属機関の状況(特定技能外国人(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行う者に限る。以下この項において同じ。)については、一号特定技能外国人支援の状況(登録支援機関への委託の状況を含む。以下この項において同じ。)を含む。)」に改め、「情報」の下に「(特定技能外国人については、一号特定技能外国人支援の状況に関する情報を含む。以下この条及び次条第一項において「中長期在留者に関する情報」という。)」を加え、同条第二項中「法務大臣は、前項に規定する情報」を「出入国在留管理庁長官は、中長期在留者に関する情報」に改め、同条第三項中「法務大臣」の下に「及び出入国在留管理庁長官」を加え、「第一項に規定する情報」を「中長期在留者に関する情報」に改め、同条を第十九条の三十六とする。
  第十九条の十七の次に次の十八条を加える。
  (特定技能所属機関による届出)
 第十九条の十八 特定技能雇用契約の相手方である本邦の公私の機関(以下この款及び第八章において「特定技能所属機関」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届け出なければならない。
  一 特定技能雇用契約の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、若しくは特定技能雇用契約が終了したとき、又は新たな特定技能雇用契約の締結をしたとき。
  二 一号特定技能外国人支援計画の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき。
  三 第二条の五第五項の契約の締結若しくは変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、又は当該契約が終了したとき。
  四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合に該当するとき。
 2 特定技能所属機関は、前項の規定により届出をする場合を除くほか、法務省令で定めるところにより、出入国在留管理庁長官に対し、次に掲げる事項を届け出なければならない。
  一 受け入れている特定技能外国人(特定技能の在留資格をもつて本邦に在留する外国人をいう。以下この款及び第八章において同じ。)の氏名及びその活動の内容その他の法務省令で定める事項
  二 第二条の五第六項の規定により適合一号特定技能外国人支援計画を作成した場合には、その実施の状況(契約により第十九条の二十七第一項に規定する登録支援機関に適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託したときを除く。)
  三 前二号に掲げるもののほか、特定技能外国人の在留管理に必要なものとして法務省令で定める事項》

 ***********

 以上は「改悪」入管法案のほんの一部にすぎない。

 肝心の「特定技能」についてはここまでなんの説明もない。

 「特定技能」の内容は、法案の最後の方に、「別表追加」としてチラッと出してくるのみだ。



 ***********
  別表第一中「第二条の二」の下に「、第二条の五」を、「第十九条の十七」の下に「、第十九条の三十六」を加え、同表の二の表の高度専門職の項第二号ニ中「技能の項の下欄」の下に「若しくは特定技能の項の下欄第二号」を加え、同表の技能の項の次に次のように加える。
「特定技能」
一 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(第二条の五第一項から第四項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動
二 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であつて法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動

 ***********

 「改悪」入管法の「別表」に追加されるたつた数行のこの項目に、安倍内閣による犯罪的移民政策のすべてが凝縮されてゐる。

 グロテスクなまでに膨大な入管法「改悪法案」。

 この法案を国民が読んでも、現行法とは何がどのやうに変はるのかさつぱり理解できないと思ふ。

 当然である。官僚たちが知恵を絞つて、現行法との違ひを理解できないやうに書いたのだから。

 安倍内閣はなんの目的でこんな膨大な入管法「改悪案」を用意したのか?

 外国人労働者に関する新たな法律をつくつたりすれば、「移民」法案であることが国民にバレてしまふからである。

 今回の「改正」は現行法の「微修正」にすぎないのですよ、といふ安倍内閣の奸計にくれぐれもひつかからないやうに。

 この悪法が国会を通つたら、日本国内は間違ひなく外国人底辺労働者たちであふれ返る。


 (この項続く)
 
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■「美しい国へ」から「移民の国へ」(3)
 「外国人労働者VS日本人」戦争を勃発させる安倍亡国政権


  ▼「台湾版奴隷労働」のすさまじさ
  ▼外国人「介護」労働者が年間9000人失踪する台湾





 「日本も外国人に選ばれる国になりませう」と唱へる人々が、「外国人獲得競争」の相手として持ち出したがるのが台湾や韓国である。

 台湾や韓国の禍禍しい外国人労働者の実態など日本人はまつたく知らないから、日本の移民推進派は、台湾や韓国を「移民先進国」としてひたすら持ち上げる。

かれらが絶対に触れようとしない台湾・韓国の「闇」に目を向けてみたいと思ふ。

 まづ台湾。外国人労働者問題における台湾の「闇」とは何か?

 台湾における外国人労働者の数は、67万人。

 台湾の人口は2300万人だから、外国人労働者が人口の3%近くを占めることになる。(日本は約1%)

 外国人労働者の国別内訳は、

 1、インドネシア 25万人
 2、ベトナム   20万人
 3、フィリピン  15万人
 4、タイ      6万人

 トップのインドネシア人25万人のうち、介護労働者が実に18万人。

 台湾では、「介護」「製造」「建設」「遠洋漁業」「屠殺業」の5つの分野で外国人労働者を受け入れてゐるが、政府がもつとも力を入れてきたのが介護労働者の呼び込みだ。

 外国人労働者の就労期限は12年、介護職は14年だから、外国人の出稼ぎ労働者、といふより移民とよぶにふさはしい。

 他国の例にもれず台湾でも、外国人労働者が従事してゐるのは、台湾人がやりたがらない3K仕事ばかりで、3K仕事の代表的なものが「老人介護」である。

 「看護工」と呼ばれる介護労働者は、施設で働く看護工と家庭看護工に分かれるが、圧倒的に多いのが後者で、家庭看護工は家庭に住み込んで老人介護に従事する。「介護」といつても専門の介護職がやるやうなものではなく、もつぱら食事と下の世話。

 台湾現地で、「奴隷労働」と呼ばれ、大きな社会問題になつてゐるのが、この外国人家庭看護工なのだ。

 在宅の看護工には、労働関連法規の適用を除外する―雇ひ主にとつてこんな有難い法規が台湾には存在する。

 だから、雇ひ主は外国人の「看護工」を勝手放題に使役する。その酷使ぶりは驚くばかりである。

 老人の排泄・食事の世話だけではなく、掃除洗濯などあらゆる家事を外国人看護工に押し付け、文句をいつたりすれば殴る蹴るの虐待を繰り返す。朝昼晩に関係なく使ひ回し、勤務時間などはじめからないから、残業代などもちろん支払はない。

インドネシア人やフィリピン人の看護工たちは台湾語も客家語もほとんど話せない。それが看護工の奴隷扱ひに拍車をかける。

 それでは施設に雇はれる外国人看護工は恵まれてゐるかといふと、家庭看護工と大して変はらない。一日の平均労働時間は12時間から16時間。一年にまつたく休暇がない施設が全体の3分の1といふ奴隷職場。

 台湾版「看護工」残酷物語のレポートを読んでゐると、昔の奴隷の方がもつとまともに扱われてゐたんじやないかと思へてくる。 

 インドネシア人の看護工は、給与の半分以上を斡旋ブローカーにピンハネされる。ブローカーに身分証をとりあげられ、家庭をたらひ回しにされる看護工も少なくない。

 こんな状況だから、台湾では「奴隷労働」に耐へかねて失踪する看護工が跡をたたない。

 施設や住み込み家庭から逃げ出す外国人看護工は、年間9000人。

 看護工による殺傷事件も珍しくない。日夜酷使されて精神に変調をきたしたフィリピン人の女性看護工が、雇ひ主の家族4人にナイフで切り付けるといふ事件は現地で大きく報じられた。

 介護分野以外でも外国人労働者は悲惨な境遇に置かれてゐる。

暴動が起きたこともある。

 高雄の地下鉄建設工事現場で、タイ人の労働者約300人による暴動が発生。トイレも満足にない飯場の狭い部屋に押し込まれ、現場監督からは日常的に虐待を受けるなど、劣悪な労働環境への不満が原因だつた。

  外国人労働者受け入れ業種の中に「漁業」が含まれてゐるのが台湾の特徴だが、台湾の漁業は現在では外国人労働者によつて成り立つてゐる。

 「海の奴隷労働」として世界に喧伝されてゐるのが、この台湾漁業だ。

 昨年(2017年)、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タンザニアなどの遠洋漁船の乗組員に連続48時間労働を強制してゐたとして水産会社のオーナーらが起訴された。船内は虐待が恒常化し、船員たちは船が寄港地に停泊中も逃亡防止のために船内の暗い船室に監禁されてゐた。かれらの賃金はわづか300―500米ドル。

 この事件など氷山の一角にすぎず、台湾の遠洋漁船は20時間労働が当たり前の世界。

 地獄の虐待を受けたインドネシア人の乗組員6人が、船長を殺害するといふ事件も起きた。

 近隣諸国から労働者をかき集めて台湾に送り込んでゐるのがカンボジアの人身売買犯罪組織だから、台湾漁業は文字通り暗黒組織の支配下にある。

 台湾の馬英九政権は2014年に中国との間で、サービス分野で双方の市場を開放する「サービス貿易協定」を締結した。

 台湾側は64の分野で市場開放する予定だが、これが実施されれば、中国の企業が台湾になだれこみ、中国企業が中国の労働者を引き連れてくるのは目にみえてゐる。

 台湾の若者たちが、中国人に職場が奪はれる、と危機感を抱くのも無理はない。

 東南アジアから呼び込んだ「最下層」労働者の問題。これに加へ、中国人労働者大量流入といふ事態が迫り、台湾は今、大きく揺らいでゐる。

 これが「新興移民国」台湾の現実なのだ。

 日本は既に、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどから介護・看護師などを受け入れ始めてゐる。
 
 日本も、このままま外国人の介護労働者などを増やし続けると、台湾のやうな、「外国人労働者失踪大国」に堕するのがオチであらう。






■「美しい国へ」から「移民の国へ」(2)
 「外国人労働者VS日本人」戦争を勃発させる安倍亡国政権

●「外国人に選ばれる国になりませう」といふ痴(し)れ事
 ●外国人労働者争奪戦が起きてゐるといふ大嘘





 安倍官邸が、移民法案強行突破に向けて考案した国民向けスローガン。それは、「外国人に選ばれる国になる」といふものだ。

《世界ではもう人材の確保競争が進んでいて、日本も「外国人に選ばれる国」になる必要がある。》

 これは、安倍官邸における移民問題の宣伝担当、菅官房長官の言である。

 マスコミも安倍官邸と一緒になつて、例へば日経や朝日などは、「日本も外国人に選ばれる国にならなければ世界の孤児にななどと、事あるごとに紙面で御託を並べてゐる。

 外国人に選ばれる国にならなければ、世界の人材確保競争に乗り遅れてしまふ! と、移民推進勢力は一生懸命危機感を煽りたてる。

 「日本も外国人に選ばれる国になりませう」といふスローガンは、ほとんど痴れ事に近い。

 安倍政権が今日本に入れたがつてゐるのは、単純労働に従事する移民である。

 ところが、単純労働に従事する移民の争奪戦など世界のどこにも起きてゐないのだ。

 日本が別に「外国人に選ばれる国」になる努力をしなくても、日本が単純労働者の移民を認めた瞬間に、世界中から移民志願者の群れが押し寄せるだらう。今、南米から米国を目指して北上してゐる移民の群れを持ちだすまでもない。世界は今、移民の爆発的発生の危機に満ちてゐる。

 「世界で人材確保競争が起きてゐる」といふデマを流す輩がよく持ち出すのは、韓国と台湾の例である。

 韓国も台湾も今日では、単純労働者を外国から調達してゐる移民受け入れ国だ。

 移民の歴史からみると、アジアは移民を一方的に送り出す側だつた。
 
 中国、インド、インドネシア、韓国、フィリピン、タイなどから世界中に大量の移民が送り出された。

 しかしアジアからの移民の流れも、前世紀の後半あたりから変化が生じ始めた。アジアにも移民の受け入れ国が出現するやうになつたのである。

 移民受入国の筆頭はシンガポールで、韓国、台湾がこれに次ぐ。タイも移民を送り出す一方で、周辺国から移民を受け入れる国に変貌しつつある。

 それでは、シンガポール、韓国、台湾、タイなど移民の受け入れ国の間で、はたして外国人労働者の争奪戦が起きてゐるのか?

 起きるわけもない。

 なぜなら、東アジアには、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアと、単純労働者を供給する国にはこと欠かないからである。

 フィリピンのやうに移民が国策に組み込まれ、移民による本国への送金がGDPの10%を占める国もある。

 これらの国から、シンガポール、韓国、台湾などの新興移民受入に渡る外国人労働者は一体どのやうな扱ひを受けてゐるのだらうか?

 かれらを待ち受けてゐるもの、それは「現代版奴隷」と呼ばれる悲惨な境遇にほかならない。


  (この項続く)

■「美しい国へ」から「移民の国へ」(1)
 「外国人労働者VS日本人」戦争を勃発させる安倍亡国政権


  正体を露はした偽装的「移民法」
 「安倍隠し」で強行突破図る自民党政府




 「改悪」入管法は偽装的「移民法」にほかならないことが露見しつつある。

 「改悪」入管法の要点は次の三点に集約される。

 1、日本で単純労働に従事する外国人に正規の在留資格を与へる。

 2、単純労働に従事する外国人に永住資格を与へる。

 3、制度運用の細目は、すべて政令・省令などで定める。


 従つて、1、2の対象となる外国人単純労働者の範囲や規模は、政府が自在に決めることができるといふカラクリになつてゐる。

  「改悪」入管法の本質をもつと簡単にいふと、

 ●日本に「移民」制度を導入する。

 ●「移民」の規模は政府が決める。

 政府に全権が委任される偽装的「移民法」である。 

 野党から「内容不明、見通し不明のガランドウの法律だ」と追及されて、安倍官邸は、渋々といつた体を装つて、実は予定通り、「初年度の対象者は4万人」といふ数字を出してきた。

 「わづか4万人です。安心して下さい」と無知な国民の頭に4万人といふ数字をまづ印象づけておく。国会審議が進むにつれて、怪しげな数字がたくさん出てくることだらう。

 偽装的「移民法」が成立すれば、政府の裁量次第で、この4万人を100万人にも1000万人にも膨張させることができる。そのカラクリを極力国民に気付かせないやうにしたい。そのために、安倍官邸はさまざまな小細工を弄する。

 その最たるものが「安倍隠し」だ

 安倍首相はこれまで「我が国が移民といふ制度を採用することは考へてをりません」とたびたび表明してきた。

 自民党政府がなにより恐れるのは、安倍首相の過去の発言との齟齬を追及されることだ。

 そこで自民党政府は「安倍隠し」のために、入管法改正案を「重要広範議案」から外した。

 首相が出席する委員会審議を「重要広範議案」といふ。入管法改正案を「重要広範議案」から外したことで、安倍首相は委員会の出席を逃れた。

 これで安倍首相が「移民」問題でしどろもどろの答弁をして馬脚を現す事態が回避しされた。

 安倍首相の代はりに、自民党政府が矢面に立たせることにしたのが菅官房長官である。

 人手不足に悩む地元神奈川の中小業者やら老人施設やらの声を受けて、外国人労働者たちをもつと活用する法案づくりに着手したのは菅官房長官。こんなストーリーをデッチ上げて、安倍官邸は「入管法改正案菅官房長官主導説」を盛んにマスコミに流したのである。そして菅官房長官をマスコミに露出させた。

 菅官房長官は「改悪」入管法について、新聞のインタビューに答へて語つてゐる。

 《今までと同じ枠組みですよ。》

 《全く新しく枠組みを創設するというより、今までと同じ考え方ですから。》

 《これは移民政策じゃないですよ。明快に違います。》
                   (毎日新聞10月25日朝刊)

 官房長官は首相と違つて、過去の発言なんて問題にされることはないから、実にお気楽にウソをつく。

 中小企業の親父みたいな風貌をもつたこの男は、こんなことばかりやつて売国政権の番頭をつとめてきたのである。

  菅氏といへば、忘れてならないのは、ブラック人材派遣「パソナ」との腐れ縁。

 このブログで「パソナ」のセックス迎賓館について書いたことがあるが、スキャンダルの発端となつたASKAが、覚醒剤所持容疑で逮捕されたのが平成26年5月。「パソナ」の南部が、その翌月にセックス迎賓館で開催するパーティのメインゲストに予定してゐた人物が菅義偉で、彼はその時現職の官房長官だつた。

 





 (この項続く)

 
■メルケルを破滅させた難民・移民の激流

 「ウエルカム難民」政策でドイツを危殆に陥れたメルケル
 ドイツの惨状に学ばうとしない日本の「痴呆政権」




 ドイツでは、バイエルン州議会選に続いてヘッセン州議会選でも与党3党が大敗し、メルケル首相はキリスト教民主同盟(CDU)の党首辞任を表明した。


 本人は2012年の任期までは首相の座に留まると言つてゐるが、とてもそこまでメルケル政権は持たないとみられてゐる。
 
 ドイツ国内で独裁的権力を振ひ、「欧州の女帝」としてEUに君臨してきた十余年に及ぶメルケル政権は事実上終焉した。

 メルケルを破滅させたのは、その愚かな難民・移民政策に尽きる。

 2015年、シリア情勢の悪化とともにトルコからバルカン半島経由で北上する難民が激増し、難民はハンガリーに滞留した。

 メルケルが「ドイツを希望する難民をすべて受け入れます」と表明したからたまらない。ドイツにはこの年だけで100万人もの難民・移民が流れ込んだ。

 メルケルは、上陸した国で難民申請手続きをするといふEUのダブリン協定をあつさり反故にし、他国経由の難民もドイツで申請できるやうにした。

 難民キャンプを訪れたメルケルは、難民たちにやさしく声をかけた。

 「困つてゐる人たちを救ふのがドイツの役割です」

 世界中のマスコミはメルケルに博愛に満ちた政治家と賞賛を浴びせた。日本のマスコミも無邪気にメルケルを持ち上げたのはいふまでもない。

 「メルケル・ドイツは難民にやさしい国」といふイメージは、密入国を仕切る犯罪シンジケートにより世界中に拡散された。その結果、北アフリカや中東、南アジアから難民・移民が一斉にドイツを目指す事態となる。

 難民集団にはイスラム過激派なども大量にもぐりこんでゐたが、ドイツにはひとりひとりの身元確認をする余裕さへなくなる。未登録のままドイツ国内に散らばつた難民は14万人ともいはれ、今もその所在は知れない。

 メルケルが歴史に残る人道主義的政治家としてもてはやされたのもつかの間、2015年12月に、有名な「ケルン大晦日集団性的暴行事件」が発生する。一夜のうちに、難民集団による性的暴行事件が1000件起きたとされ、ドイツ国民は恐怖し、憤激した。

 この事件を機に難民・移民に対するドイツ国内の空気は一変する。

 国民の間に反メルケル感情が高まり、政界にも反メルケルの旗を掲げる勢力が台頭してくる。

 予期せぬ展開に焦つたメルケルがやつたことは、「難民たちをEU諸国で分かち合ひませう」といふEU諸国への提案だつた。

 当然のことながらEU諸国は、「手前が火付役になつて難民をヨーロッパに招き寄せておきながら、今更勝手なことをいふな」と怒つた。

 これでEU各国もメルケルを見放し始めた。

  メルケルが 「ウエルカム難民政策は間違つてました」と終始認めようとしなかつたことが国内外の反メルケル感情を増幅させた。

 「ウエルカム難民政策」をメルケルは、ドイツ国内のあらゆる勢力の反対を押し切つて強行したのかといふと必ずしもさうではない。

 メルケルの「ウエルカム難民政策」を歓迎してゐたのは、ドイツの産業界だつた。

 EU諸国の経済はドイツの一人勝ちだから、ドイツの好況は続き、産業界では熟練労働者が不足してきた。

 経営者たちは考へた。難民・移民の中から熟練労働者に使へさうなのだけ雇ふ、使へないのは本国へ帰せばいい、と。そして、メルケルの「ウエルカム難民政策」を支持したのである。

 目先の利益しか考へない経営者たちの頭は万国に共通してゐる。移民は使ひ捨てろ、である。

 メルケルはただただ自分の博愛精神に基づいて「ウエルカム難民政策」を推進したわけではない。博愛主義の装ひの裏に、姑息な計算をが働いてゐたのだ。

 さて、難民・移民問題が世界各国で騒乱を引き起こしてゐるといふのに、「我が国は外国人労働者の皆さまに活躍の場を与へます」と唱へて、外国人労働者の大量呼び込みを始めようとしてゐるアホな国家が世界にたつた一国存在する。

 日本である。

 日本が外国人労働者大量受け入れ法案を可決したら、このニュースが世界の人身売買暗黒組織にたちまち伝はり、かれらは北アフリカ、中東、南米の難民・移民たちを日本に向はせ始めるだらう。

 今の世界は、難民移民の流出圧力が充満してゐる。
 
 ある国がスイッチをひとつひねれば、難民移民がその国に殺到する。

 愚かにもそのスイッチをひねつてしまひ、ダムが決壊したやうに難民移民が激流となつて押し寄せ、国家の基盤さへ危うくさせてしまつたのがドイツのメルケルである。

 メルケルを破滅させた「ウエルカム移民」政策を、これから国策化しようといふのが日本の安倍自民党政府だ。

 難民移民問題で疲弊し切つたEUの国々、あるひは今移民大集団の北上でパニックを起こしかけてゐる北米南米諸国には、日本はほとんど「痴呆の国」にみえると思ふ。




プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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