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Category : 皇室
■女帝=女性天皇はなぜ廃されたのか?







   ▼明治の皇室典範で廃された女性天皇







 
 我が国の歴史の中で、十代八人の女帝=女性天皇が存在したことはご承知の通りです。

 むかしは女性天皇といふ言ひ方はしませんでした。女帝です。「じょてい」、もしくは「にょてい」とも読んだやうです。

 しかし現在の我が国においては、女性は天皇になることはできません。

 昭和二十二年に制定された皇室典範の第一条に次のやうな規定があるからです。

 《 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。》 

 皇位(天皇の位)は、「皇統に属する男系の男子」でなければならないのです。

 今上陛下(今の天皇陛下)は「皇統に属する男系の男子」です。
 
 それでは、今上陛下の御長女の内親王愛子殿下はどうでせうか。

 内親王愛子殿下は「皇統に属する男系の女子」です。

 従つて、内親王愛子殿下は皇位継承資格がないといふことになります。

 天皇の皇子と男系の皇孫は男子を親王、女子を内親王と呼び、それ以外の皇族は男子を王、女子を女王と呼びますが、天皇になれるのは親王と王だけなのです。

 現行の皇室典範第一条の規定は、明治時代に制定された皇室典範にあつた規定をほぼその受け継いだものです。(「皇室典範」といふ名称は同じなので、明治制定の皇室典範を一応旧皇室典範と呼んでおきます。)

 旧皇室典範の第一条には次のやうな規定がありました。

《 大日本国皇位ハ祖宗ノ皇統ニシテ男系ノ男子之ヲ継承ス。》

 「大日本国」と「祖宗」といふ言葉が入つてゐることを除けば、現行の皇室典範第一条の規定は、旧皇室典範第一条の規定とまつたく同じです。

 現行の皇室典範第一条は、旧皇室典範第一条の規定をそのまま踏襲したことがわかると思ひます。

 女性皇族はなぜ天皇になることはできないのか。その淵源をたどると、旧皇室典範第一条にあることは明らかです。

 歴史の上においては、十代八人の女性天皇が存在した。しかし、旧皇室典範が「皇統ニシテ男系ノ男子之ヲ継承ス」と定め、女性は天皇になれないことになつた。旧皇室典範によつて女帝=女性天皇は廃されたわけです。

 ではなぜ、旧皇室典範を定めた人々が、過去に存在した女帝を廃するといふことを考へたのか。

 それをこれから見ていきたいと思ひます。


                   (続く)
  



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■危機に瀕する大嘗祭




  
  大嘗宮造営で伝統破壊の暴挙を強行する宮内庁
  悠紀殿・主基殿の茅葺き化を拒否


 十一月に執り行はれる大嘗祭において、大嘗宮の主要三殿の仕様が茅葺きから板葺きに改変された問題に関し、宮内庁の山本信一郎長官は9月12日日の定例記者会見で、「新しい工程を追加する余裕はない。遅れは許されない」と茅葺きに変更する考へはないことを明らかにした。

 大嘗宮の主要三殿(悠紀殿・主基殿及び廻立殿)の屋根仕様が板葺きとされることについては、千三百年に及ぶ大嘗祭の伝統を破壊する暴挙といふ声が国民各界から噴出、茅葺き化への請願などが官邸・宮内庁に殺到してゐるが、これらの反対論を一顧だにせず伝統無視の大嘗祭を強行する宮内庁の姿勢がはつきりしたといへる。

 大嘗宮の仕様問題について、情理を尽くした論考を改めて掲げておきたい。

大嘗宮の行方 
都立小岩高校主幹教諭・國學院大學兼任講師 中澤伸弘氏


大嘗祭は茅葺きで
筑波大学名誉教授・日本茅葺き文化協会代表理事 安藤邦廣氏


板葺ではなく茅葺を~大嘗祭を古式で営む象徴行為としての屋根
九州大学大学院教授 藤原惠洋氏


 大嘗宮の造営計画は一切変更しないといふ宮内庁の頑な姿勢の裏には、秋篠宮皇嗣殿下の昨年11月の会見における次のやうな発言が影を落としてゐると思はれる。

 御代替はりについて記者から問はれた秋篠宮はかう答へられた。

《具体的にもし言うのであれば,例えば,即位の礼は,これは国事行為で行われるわけです,その一連のものは。ただ、大嘗祭については,これは皇室の行事として行われるものですし,ある意味の宗教色が強いものになります。私はその宗教色が強いものについて,それを国費で賄うことが適当かどうか、これは平成のときの大嘗祭のときにもそうするべきではないという立場だったわけですけれども,その頃はうんと若かったですし、多少意見を言ったぐらいですけれども。今回も結局,そのときを踏襲することになったわけですね。もうそれは決まっているわけです。
 ただ、私として、やはりこのすっきりしない感じというのは,今でも持っています。整理の仕方としては,一つの代で一度きりのものであり、大切な儀式ということから、もちろん国もそれについての関心があり、公的性格が強い,ゆえに国の国費で賄うということだと。平成のときの整理はそうだったわけですね。ただ、今回もそうなわけですけれども、宗教行事と憲法との関係はどうなのかというときに、それは、私はやはり内廷会計で行うべきだと思っています。今でも。ただ、それをするためには相当な費用が掛かりますけれども。大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。ただ、そのできる範囲で、言ってみれば身の丈にあった儀式にすれば。少なくとも皇室の行事と言っていますし。そういう形で行うのが本来の姿ではないかなと思いますし、そのことは宮内庁長官などにはかなり私も言っているんですね。ただ,残念ながらそこを考えること,言ってみれば話を聞く耳を持たなかった。そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています。》
 
 大嘗祭が「宗教色」が強いが故に国費で賄ふことが適当ではないといふ認識の錯誤について、私は今更蝶蝶する気はない。

 しかし、「宮内庁長官などにはかなり私も言つている」が、「話を聞く耳を持たなかつた」といふ秋篠宮の言葉は、宮内庁幹部を震撼させた。

 秋篠宮発言に対して宮内庁はどのやうに反応したか?

 大嘗祭の造営費用の大幅節減といふ形で、秋篠宮の意見を反映させたのである。そして費用節減の象徴とされたのが、主要三殿の板葺き化だつた。

 つまり、宮内庁は大嘗祭の問題について、秋篠宮の意見に「聞く耳」を持つたといふことなる。

 秋篠宮の意見に「聞く耳」を持つた宮内庁は、「大嘗祭の伝統を破壊する暴挙」といふ国民の心ある声にはまつたく「聞く耳」を持たないといふ次第になつたのだ。

「大嘗祭の伝統を破壊する暴挙」の淵源が皇室内部にあるとすれば、これは想像するだに禍々しい事態と言はねばならない。







■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(6)
 
 
 



   ●サヨク考古学者と観光業者が結託する日


 


 天皇陵の問題を考へるにあたつては、考古学者といふ反日勢力の実態をよくわきまえておく必要がある。

 私の手元に、反日考古学者らが書いた『天皇陵を発掘せよ』(三一新書)といふ本がある。

 この本は、日本の考古学者たちが天皇陵の暴露を自己の使命と心得てゐることをよく教へてくれる。

 これら反日考古学者たちは天皇陵といふ言葉を使はない。

 やむなく使はざるを得ないときは、「天皇陵」とカギカッコをつける。

 その理由は以下のやうに説明される。

《特定の人の墓だけを「陵」という変わった表現で呼ぶ理由はないうえ。「天皇陵」の指定(宮内庁用語では「治定」」)は、古くなればなるほどいい加減で、カギカッコをつけているのです。》

《主権在民の現代、日本人民はすべて対等平等です(死者もまた、当然対等平等でなければなりません。天皇・皇后の墓だけを「陵」という特別の用語で呼ばなければならない理由はありません。》

《当然、現代の常用の名詞としては死語にしなければならない言葉です。》

《要するに、「天皇陵」というものは、正確な歴史的由緒があって維持管理されているものではなく、近世に醸し出され、近代に肥大化した天皇制イデオロギーが創作した産物が、現代に温存されているものに過ぎません。》

《もともと根拠がなかったものを、1500年も後になって指定し直したのですからナンセンスというよりほかありません。そういうものを、現代日本人民「天皇陵」として押し付けられているのです。》

 主権在民だとか日本人民だとか天皇制イデオロギーだとか、サヨク史観が丸出しで表現され、かれらにとつて天皇といふ存在がいまだに「階級敵」であることをよく示してゐる。

 「反人民」にして「階級敵」である天皇の墓は暴かれなければならないのだ。

 天皇陵は反日考古学者の暴露攻勢にさらされてきた。今もその状況は変はらない。

 天皇陵を単なる客寄せ資源としか考へない自治体や観光業者が、反日考古学者と結託する可能性は十分にある。

 天皇陵を俗化させるといふ点でかれらの利害は一致してゐる。

 長い歴史の中で盗掘、侵食、荒廃などの憂き目をみてきた天皇陵は今、世界遺産化によつて新たな危険性をはらむことになつた。

 そのことを忘れるべきではないと思ふ。








■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(5)




   濠の清掃まで買つて出て宮内庁取り込みを図つた地元自治体
    







 
 天皇陵を世界遺産に、といふ話が持ち上がつたのは今から15年以上前にさかのぼる。

 折からの世界遺産ブームに目をつけた当時の堺市長(木原敬介)が、「仁徳天皇陵をなんとか世界遺産にできないものだらうか」と言ひ出したのがそもそもの発端とされる。

 堺市はとりあへず庁内で検討をはじめたが、仁徳陵の管理者である肝心の宮内庁が「御陵は世界遺産になる必要はない」とケンもホロロの態度だつたので、仁徳陵単独での申請は困難と判断された。そこから、百舌鳥・古市に広がる古墳群全体を歴史文化遺産として売り込んでいくといふ方針へと転換がなされるゆく。

 堺市と大阪府を中心とした地元自治体が力を注いだのは、もつぱら宮内庁対策だつた。

 渋る宮内庁をどうすれば取り込めるか?

 世界遺産登録申請に宮内庁が反対さへしてくれなければそれでいい。あとのことは宮内庁の意向をすべて受け入れる。これが地元自治体の対宮内庁基本戦略だつた。

 地元自治体にとつて、天皇陵の史跡もしくは特別史跡の指定などはじめから頭になかつた。地元自治体は、天皇陵を史跡に指定したくてたまらない文化庁にも周到に根回しした。文化庁は世界遺産登録手続きの日本政府窓口でもある。

 それから名称の問題。

 堺市などは、天皇陵が大山古墳などと遺跡名で呼ばれる風潮を宮内庁が憂えてきたことをよくわきまへてゐた。

 世界遺産登録申請にあたつて名称は、仁徳天皇陵古墳、応神天皇陵古墳と、「天皇陵」を公式名としたく思ひます。地元自治体は当初から宮内庁にさう提案してきた。

 さらに地元自治体は、仁徳陵の濠の水質浄化作業を買つて出て、宮内庁の歓心をかふことにこれつとめた。
 
 宮内庁を長年悩ませてきたのが仁徳陵の濠水汚濁だつた。

 かうした地元自治体の攻勢を受けて、宮内庁も徐々に軟化姿勢に転じ、「御陵の静安を尊厳を損ねない範囲で必要な協力をしていきたい」と外部にコメントするまでになつた。

 堺市などが世界遺産の国内暫定リストに百舌鳥・古市古墳群を提案したのは平成19年のこと。その時点で自治体側から「宮内庁の一定の理解がえられた」と説明されたものの、宮内庁の姿勢がもうひとつはつきりしなかつた。それがネックとなつて、国内推薦の落選は三度に及んだ。

 最終的に国内推薦獲得の決め手となつたのが、宮内庁の態度の変化だつた。

 地元自治体は、御陵の世界遺産登録問題で、考古学者などの団体とは一線を画してきた。といふより、考古学者団体などは完全に無視し、ひたすら宮内庁の意を汲むことに注力してきたといつていい。

 宮内庁の敵は天皇陵の発掘させろと主張してきた反日考古学者である。

 「世界遺産登録は陵墓の公開につながるものではありません」と自治体側が宮内庁にささやき続けた。

 宮内庁の担当者がこのささやきに動かされたとしても不思議ではない。

 御陵の世界遺産登録は必ずしもマイナスばかりではないのではないか?

 御陵が世界遺産登録されれば、反日考古学者たちから天皇陵を守ることにもつながるのでは?

 宮内庁が、発掘攻勢への防御手段として、世界遺産登録に意味を見出したとすれば、これほど悲劇的な話はない。

 (この項続く)








■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(4)



   


   反天皇考古学者らが期待した天皇陵の文化財史跡指定





 
 
 百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録にあたつて、反天皇考古学者らが期待してゐたことに、名称のほかに、天皇陵の文化財の史跡指定がある。

 陵墓は国有財産法の規定により、国有財産たる「皇室用財産」(国において皇室の用に供し、又は供するものと決定したもの)として、皇居、離宮、正倉院などとともに宮内庁の管理下に置かれてゐる。

 宮内庁が陵墓への立ち入りを制限できるのも国有財産法に基づく。

 陵墓を文化財保護法の定める史跡または特別史跡に指定せよと叫び続けてきたのが、反天皇考古学者らである。

 文化財保護法の史跡・特別史跡に指定されれば、文化財として公開を求められる。堂々と天皇陵を発掘できるのだ。なによりも、文化財保護法の所管は文化庁だから、天皇陵が特別史跡に指定されれば、所管は宮内庁から文化庁に移ることになる。

 天皇陵を暴くことに執念を燃やす反天皇考古学者らにとつて、忌々しいのが宮内庁の存在なのだ。

 百舌鳥・古市古墳群に世界文化遺産登録の話が持ち上がつてきた時、反天皇考古学者たちは天皇陵から宮内庁の管理権を奪ふ絶好のチャンスが巡つてきたと喜んだ。

 世界文化遺産といふのは当然公開が原則である。

 「皇室用財産」といふ閉じられた性格のものであつては、世界文化遺産に登録されるわけはない。

「大山古墳」が晴れて世界遺産になるためには必ずやその前に、「大山古墳」に対して文化財保護法の特別史跡指定が行はれるだらう――と反天皇考古学者らは予測した。

 しかしここでもかれらの予測は外れた。

 日本政府は世界文化遺産登録申請にあたつて、仁徳天皇陵をはじめとする天皇陵を特別史跡に指定することはなかつた。すなはち、各天皇陵は「皇室用財産」として申請され、それがそのまま認められたのだ。

 世界文化遺産登録を機に天皇陵から宮内庁の管理権限を奪ふといふ反天皇考古学者らの目論見は崩れた。

 日本政府はなぜ天皇陵の特別史跡指定をスルーしたのか?

 そのへんの背景は、堺市をはじめとする地元自治体の動向と思惑を抜きには語れない。

  (この項続く)






 
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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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