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Category : 北朝鮮
■北朝鮮の行方




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   ▼金正恩重体説はガセネタだつたのか謀略か?



 北朝鮮の金正恩が姿を現したことで、韓国では、金正恩重体説などを唱えてゐた脱北者の国会議員二人が謝罪するハメになつた。

 北朝鮮北朝鮮の労働新聞と朝鮮中央テレビが二日に金正恩の順川・肥料工場の竣工式出席を報じてからといふもの、「金正恩氏は自ら立ち上がることも、まともに歩くこともできない状態」「金正恩氏の死亡率は99%と確信する」と主張してゐたこの二人は、「偽情報の煽動者」などと悪罵と糾弾を浴びて、「国民の皆様にお詫び申しあげます」と謝罪に追ひ込まれた。

 韓国政府は、「金委員長になんらの異変は起きてゐない」といふ我々の情報が正しかつたと鼻高々である。

 韓国政府は、北朝鮮軍は金正恩の健在を誇示した翌日、非武装地帯の韓国軍監視哨所に向けて高射銃をぶつ放した。

 北朝鮮軍が使用したのは14.5ミリ高射銃といふ対空兵器だといふのに、韓国政府は「偶発的なもの」と平然としたものである。

 14.5ミリ高射銃(重機関銃)は北朝鮮の戦車などにも搭載され、最大射程8キロ。一分あたり600発の発射能力がある。金正恩が義理の叔父の張成沢を処刑する際にこれを使用し、張成沢の体は四散したとされる。
 
 金正恩再登場後の韓国政府の反応をみてゐると、まるで「偉大なる金正恩委員長様」を称へる北朝鮮メディアのやうだ。

 金正恩の再登場後も影武者説はたへないが、それ以外に謎めいたことは色々ある。

 金正恩が順川にある肥料工場竣工式に出席したとされるのは5月1日である。

 写真や動画をみると、竣工式は広大な敷地に大がかりな式場をしつらへ、多数の民衆を居並ばせたビッグイベントである。

 順川は平壌の北わずか50キロのところにある。

 5月1日といへばアメリカや韓国が金正恩の行方を血眼で探してゐた日である。

 まさにその日に、平壌のわずか北50キロのところで大々的に開催されてゐたビッグイベントと、そこに登場した金正恩の姿を、アメリカも韓国もまつたく察知できなかつたといふことになる。

 その直前まで、金正恩が滞在してゐたとされる南山に列車が長らく停車してゐたが、これはアメリカや韓国に対する陽動作戦だつた可能性もある。もしさうだつたとすれば、北朝鮮はアメリカや韓国の裏をかいて再登場作戦を練つてゐたわけである。

 肥料工場竣工式が実際は5月1日ではなく他の日だつたとしても、アメリカも韓国もその事実を把握してゐなかつたことにかはりはない。

 アメリカと韓国の諜報力とはその程度のものだつたと考へるしかない。

 金委員長が元気でよかつた! 殺戮をやめない独裁者と、腫物をさはるやうに独裁者に接する無能無策な国々。
 
 再登場した金正恩が本物であつても偽物であつても、北朝鮮はアメリカや韓国の目を欺くだけの能力を依然として保持してゐることだけは間違ひない。


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■北朝鮮の行方




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     ▼ 金正恩は事実上「死亡」?




 韓国のネット上では、北朝鮮の金正恩は既に死んだことにされてゐる。

 韓国のネットには金正日の遺影だとか葬儀の写真や動画がおびただしく出回つてゐる。
 ネットで検索してみると、顔中血だらけで横たはつた金正恩の遺体だとか、すごいのがある。まるで暗殺されたかのやうである。かういふことにかけては韓国人は並々ならぬ才能を発揮する。

 金正恩の葬儀の動画は金正日の葬儀時の動画を加工したものらしいが、これが中国・香港に拡散し、北朝鮮にも入り込んで、北朝鮮は神経をとがらせてゐるといふ。

 韓国メディアの情報は錯綜してゐるが、ある有力メディアは、中国高官の話として、北朝鮮指導部は「これは死亡と見なすべきだ」といふ結論に達したと伝へてゐる。

 中国高官によれば、北朝鮮指導部は、金委員長は昏睡状態にあつて回復は不可能と判断してをり、事実上死亡したとみてゐるといふ話である。

 アメリカのトランプ大統領氏は会見で、「遠くない将来に君たちも知ることになるだろう」と思わせぶりに語つてゐる。

 アメリカのメディアは、トランプが近く北朝鮮から何らかの発表があるだらうと示唆したと受け止めてゐるけれど、「小細工はやめてさつさと事実を公表しろ」といふ北朝鮮へのメッセージとも思はれなくもない。












■北朝鮮の行方




  ▼ 金正恩=植物人間説と米中情報戦


 北朝鮮の金正恩は既に「植物人間状態」にあるといふ情報が飛び交つてゐる。

 詳しいのはこの記事。
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200424-00072122-gendaibiz-kr

 金正恩は地方視察中に突然倒れて病院に搬送され、中国に心臓病の専門医師団の派遣を要請、しかし到着前に緊急手術を要する事態となり、執刀した北朝鮮の心臓外科医が手術に失敗、金正恩は植物人間状態になつてしまつた、といふのだ。

中国を別にすれば 金正恩の異変をいちはやく察知したのはアメリカだらう。

 トランプ大統領の言動がそれを示してゐる。

 金正恩は11日の朝鮮労働党政治局会議に出席したのを最後に、12日の最高人民会議と15日の金日成生誕日「太陽節」の行事にも姿を見せなかつた。

トランプが、金正恩から素敵な手紙(a nice note)を受け取つたと会見で発言したのが18日。

 CNNが金正恩の重体説を報じたのが20日。

 トランプが「そのような報道が出てゐるが、我々は知らない」とCNNの重体説を否定してみせたのが21日。トランプは「彼が元気でゐることを祈る」ともつけ加へた。

 さらにトランプは23日になつて、「CNNの報道は不正確だ」と会見で語つた。

 これらはすべてトランプ流の北朝鮮への観測気球とシグナルだつたとみてよい。

 金正恩の異変情報を察知したトランプはまず、「金正恩から素敵な手紙を受け取つた」とぶち上げて、北朝鮮の反応をうかがつた。

 北朝鮮側は翌日、「金委員長が米国に書簡を送つた事実はない」とトランプ発言を否定した。

 次にトランプは、CIAが入手した情報をCNNにリークし、CNNに「金正恩重体説」を報道させ、ふたたび北朝鮮の反応をみた。

 この後、金正恩が心臓手術を受けたといふ情報の確信を得られたのだらう。それが、「彼が元気でゐることを祈る」といふ言葉になつて現れた。

 次いで、金正恩が植物人間状態にあるといふ情報も入手した。

 それが「CNNの報道は不正確」といふ言葉の意味である。つまり、金正恩は今のところ命に危険はない、しかし再起できるやうな状態にはない、といふメッセージにほかならない。

 アメリカは連日、偵察機を飛ばして北朝鮮軍の動向を監視し、米本土から戦略爆撃機を日本に飛来させてゐる。

 今のところ北朝鮮軍には不穏の動きはなく、クーデターなど体制急変の兆候もみられない。

 トランプが統合参謀本部のナンバー2に、「現時点では北朝鮮軍は掌握されてゐる」と発言させたのも、「我々は、新指導者への移行作業が平穏理に進んでゐるとみてゐる」といふトランプからのメッセージと思はれる。

中国の医療チームは北朝鮮に滞在してゐるとみられ、中国当局は今、金正恩に関する情報に一番近いところにゐる。

 北朝鮮は今、米国と中国の情報戦の真つただ中にある。

 トランプの言動は北朝鮮へのメッセージであると同時に、「俺はすべて知つてゐる。北朝鮮によけいな手出しはするな」といふ中国への警告でもある。

 北朝鮮情勢をめぐる米中情報戦の中で、日本は米国から情報のおこぼれをもらつてゐるにすぎない。
 
 日本と同程度に北朝鮮情報の貧弱さを露呈してゐるのが韓国だ。

 金正恩重体説が出てからも韓国政府は、「金正恩委員長は新型コロナウィルスを避けるために東部・元山の別荘に滞在してゐて通常の業務に従事してゐる」と、金正恩=テレワーク説をのんきに唱へてゐた。

 元山周辺で車椅子姿の金正恩が目撃されたといふ情報が金正恩=健康説の有力な根拠とされたらしい。(北朝鮮には金正恩の替へ玉が複数存在するといはれ、車椅子姿の金正恩は替へ玉だつた可能性もある。)

 歴代の韓国政府に北朝鮮政権中枢部の情報へのアクセスが完全に欠如してゐることは、金正日総書記の死亡時に証明されてゐる。

 金正日が死去したのは2011年12月月17日。

 その翌日の12月18日に韓国大統領はなにをしてゐたか?

 李明博大統領は日本で野田佳彦総理と会談してゐたのである。

 その程度の情報能力しか持たない韓国政府であるから、金正恩の替へ玉に騙される位のことはあつても不思議ではない。

 日本と韓国は米中情報戦のカヤの外に置かれてゐる。


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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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