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■女性皇族の「称号保有」といふワナ ④

◎「称号保有」への巧妙な誘導◎

 有識者ヒアリングでは、園部にピエロ役を演じさせながら、その裏で実に巧妙に「称号保有」への誘導が行はれてゐることに気づく。

 それは例へばこのやうな具合に行はれた。

《▼園部参与 昔流に言うと、皇族が結婚して臣下に降嫁されるということになりますね。その場合にそういう例もあったわけですけれども、そういう状況になっても、皇族である女性は、皇族としての地位あるいは尊称を維持することは可能だと思われますでしょうか。》
                     (第1回ヒアリング)

《▼園部参与 眞子内親王殿下、佳子内親王殿下がそれぞれ御結婚されても、その身分を失わず皇族として、あるいは皇族の尊称を得たまま、実際にお住みになるところは、必ずしも皇居の中とか東宮御所の近くとかではなくて、ちょうど黒田清子様のような状態になる可能性もないわけではない。》 (第2回ヒアリング)

《▼園部参与 内親王や女王の尊称を続けられるという形を取った場合に、それは内親王や女王の尊称はあるけれども、皇族ではないというふうにとらえますと、皇族でもないけれども、一般国民でもないという何か新たな身分ができることになるのではないでしょうか。》
   (第2回ヒアリング)

《▼園部参与 ・・・・・・どういう御活動について、女性皇族や民間人として、その御身分で、もちろん、尊称は内親王、女王ということであっても、どういう御活動がふさわしいと思われますでしょうか。》
  (第3回ヒアリング)

《▼園部参与 民間のお立場で皇室の御活動をなさる旧皇族と申しますか、皇族の御身分を離れて尊称だけ、例えば内親王とか女王という形で引き継がれて、それでいろいろな皇室の御活動をその方々にお願いするという場合、皇族方が行われる皇室の御活動と皇族でない方が行われる皇室の御活動をどのように区別することが大事であるか。》(第3回ヒアリング)


《▼竹歳副長官 ・・・先生のお考えだと制度の問題であるから、次世代へ先送りしないで、例えば今の尊称の問題とか、さらに抜本的解決とおっしゃった旧宮家の皇籍復帰とか、そういう手を今、直ちに打つべきだというようなお考えになるでしょうか。》
    (第3回ヒアリング)

《▼園部参与 皇室の御活動について、皇族の御身分をお持ちの方になさっていただく場合と、皇族ではないものの、内親王等の御尊称をお持ちの方になさっていただく場合と、国民の受け止め方に何か違いが生ずることがあるでしょうか。》
 (第5回ヒアリング)

 ほとんど笑つてしまふのは第6回ヒアリングである。

 硬直化した女系天皇論者である所攻氏は、同志であると信じ切つてゐる園部逸夫らを前に持論の女性宮家創設論を展開する。しかし園部らは、所氏の女性宮家創設論を完全に無視。そして、なぜか所氏が否定的見解を述べた尊称問題にしきりに話を持つてゆかうとするのだ。

《▼竹歳副長官  ・・・今の尊称に絡むわけですけれども、旧典範44 条という規定があって、一つの質問はなぜその例外が認められていたかということと、2つ目は、今はそういう例外的な状況に当たるのではないか。君臣の身分を分けるというのは大事だとおっしゃいましたけれども、新例を開くという意味では、ここで新例を開いてもいいのではないかということについては、どうお考えでしょうか。》

《▼園部参与 女性皇族方が皇族の身分を離れられた後に、尊称をお持ちにならずに皇室の御活動を行われる場合、国民はそうした御活動を皇室の御活動として受け止めることになるでしょうか。あるいは皇室の御活動として自然に受け止められるようになるためには、何か適切な方法があるでしょうか。》

 一方、第6回ヒアリングで、所氏の後に登場した八木秀次氏は女系天皇・女性宮家創設に反対論を述べたあと、「『女性宮家』を創設しなくても内親王・女王の称号の継続と予算措置によって皇室の活動をサポートして頂くようにすればよい・・・・・身分は民間人、皇位継承はない」と尊称維持賛成論を開陳した。

 称号保有論に対して、官房副長官や園部らが次のやうに問ひかける。

《▼長浜副長官  (皇位継承と)切り離した場合(の選択肢)は・・・「『女性宮家』を創設しなくても内親王・女王の称号の継続と予算措置によって皇室の活動をサポートして頂くようにすればよい」、これが結論でよろしゅうございますか。》

《▼園部参与  女性皇族方に皇族の身分をお離れになった後に、尊称をお持ちいただくとした場合、この尊称をお持ちいただく女性皇族としては、内親王殿下あるいは女王殿下のどの範囲までがふさわしいとお考えでございましょうか。》
  
 称号問題について八木氏はこんな発言をしてゐる。

《両陛下をお助けするようなシステムをつくるとするならば、これしかないというのが私の意見であります。決して正直なところ、積極的にこれを推しているというわけではなく、ここが唯一の落としどころではないのかと考えているということです。大方の方々の合意が得られるのはこれしかないと。》  

 このブログで先に取り上げた百地章氏を思ひ浮かべる人もゐるかもしれない。「飛ンデ火ニ入ル夏ノムシ」といふ言葉が想起される。《唯一の落としどころ》などといふ三流政治家じみたセリフは、皇室典範改正は緊急を要するといふ園部羽毛田一派が発案した奸計(天皇過重公務皇女分担論)に乗せられてゐなければ決して出てこないセリフであらう。皇室典範改正問題を足して2で割る発想で処理しようといふ神経! なぜ今慌てて皇室典範を「改正」する必要があるのか? 園部一派らのフェミニズ勢力に皇室典範をいぢらせてはならない。

(この項続く)



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■女性皇族の「称号保有」といふワナ ③

 ◇◆サンヨ園部の道化芝居《私は「女性宮家」犯ではない》◆◇


今開催されてゐる「皇室制度に関する有識者ヒアリング」において、我々は道化役者の猿芝居を見ることができる。

首相官邸の中で演じられてゐる猿芝居の見ものは、道化役のサンヨ園部逸夫である。

この猿芝居の中で発せられる道化のセリフは実に面白い。

あんまり面白いので、私は猿芝居の中に出てきた、道化役の迷(冥?)科白集をつくつてしまつた。その一部を、芝居好きの皆さんにも是非紹介してみたい。

《私は女性宮家というのは、非常に誤解を招く言葉だとはっきり申し上げますけれども、そうではなくて、女性皇族方を含めて、天皇陛下の御公務の継続をお助け頂くという体制といいますか、御公務を助けるための皇族方の役割というもの。それは御結婚なさるかなさらないかということは別に、皇族方の中で女性が多数おられますので、女性にも御公務を分担して頂きたいという気持ちが湧き上がってくるわけですが・・・》
                         (第一回ヒアリング)


《私は最初から女性宮家という言葉は使っていないんです。これはマスコミの方で広がっておりますけれども、これは誤った考え方を広めることになりますので、そういう言葉はあえて使わない。例えば宮家というのは三笠宮家があり、親王がおられ、内親王がおられましたけれども、今は女王がおられるということで、一つの大きな枝葉に分かれた宮家があるわけです。これは三笠宮家の一つの姿ですが、女性宮家というと女性が当主であって、そこに婿養子の人が来て、それから、また2代目、3代目と続いて、だんだん広がっていくと。それでは、女系天皇になるのではないか。あるいは女性天皇になるのではないかというような言いがかりを付けられていて、私は甚だ迷惑をしております。およそ私は今回の改正の問題については、女性天皇、女系天皇ということは全く頭にない。》
                           (第二回ヒアリング)

《女系につながるとか、女性天皇というのは全くの言いがかりでございまして、これは訂正をむしろ求めています。》  
  (第二回ヒアリング)
 
《・・・もともと女性宮家という言葉がどこから始まったのかはわかりませんが、それが一人歩きをしているということは申し上げておきたいと思います。そういう定義もなければ、どこから発せられたかもはっきりしないので、それだけで全部くくってしまわれると困ります。》
                   (第三回ヒアリング)

《そこで先生に作成いただきました資料の中に、私の発言として引用されている『週刊朝日』の記事がございましたので、これは御質問ではございませんが、一言申し上げます。最近、発売されました『選択』という雑誌がございます。この4月号でこの『週刊朝日』の記事を書かれた方が、当該記事について触れており、そこにも書かれておりますけれども、取材の際に私園部は、女性皇族が御結婚後も皇族の御身分をお持ちいただく制度を議論する場合に、論点となるような事柄について申し上げたのでございまして、制度の基本的な在り方について、特定の方向に向けて、あるいはそういう立場に立って申し上げたわけではございませんので、この場をお借りして一言釈明させていただきたいと思います。》
                       (第三回ヒアリング)

 有識者ヒアリングといふのは、本来有識者から話を聞く場のはずだ。ところがこの道化役者は聞く立場に甘んじることができず、ついつい舞台に登場してしまふのである。そして下手なセリフをしやべりまくるといふ困つた性癖の持ち主なのだ。

 ここで道化がしやべる下手なセリフに解説の要はないだらう。

 道化はこの猿芝居において、《あっしは「女性宮家」犯ではございません》とひたすら繰り返すのだ。

《あっしは「女性宮家」のやうな不埒なことは一切考へたことはありません》

《あっしを「女性宮家」犯呼ばはりしてもらつては困ります。まつたくの濡れ衣でございます》

 聞かれもしないのに、《あっしはやつておりません》《あっしは無実でございます》と騒ぎたてるやうな人間は、どこかクサイと誰しも思ふ。

 まともな判断力を有する日本人はみな、園部逸夫を「女系天皇」犯及び「女性宮家」犯の正犯であるとみなしてゐる。道化のこのクサイ芝居は、大方が抱いてゐるその確信をますます深める。

 この元最高裁サヨク判事は、最高裁判事は退いたものの、「サヨク」の部分だけは現役なのである。
 
 前にも書いたけれど、大部な『皇室法概論』を出版したから法曹サヨクからのロンダリングに成功したと思つてゐるのは当人だけで、頭隠して尻隠さずどころか、この男の場合は頭も尻も赤く露見してゐる。

『皇室法概論』を読んだもこともない連中が、このラディカルサヨクを皇室法の専門家などと呼んだりするから、当人をすつかりその気にさせてしまつたのだ。

 本人の意識と周りの意識のギャップが、この猿芝居の中で道化のセリフの面白さを生んでゐる。


(この項続く)
■女性皇族の「称号保有」といふワナ ②

 園部一派のワナにはまる愚か者たち

 前回書いた複数案を併記する陽動作戦といふのは、政府部内フェミニズム勢力がよく使ふ手で、例へば、法務省のフェミ一派が夫婦別姓問題の時に使つた手口がこれだつた。園部一派の今後の策動を見抜く上で参考になると思ふので、簡単に説明しよう。

 夫婦別姓法制化を目論む法務省は平成6年に「民法改正要綱試案」といふ文書を出した。この中に、夫婦の姓氏制度の選択肢として示してきたのが次の3案だつた。

 A 選択的別姓
 B 原則別姓
 C 同姓が原則、旧姓を戸籍法で呼称とする

 B案はなんと「原則別姓」。つまり、結婚しても特別な手続きをしなければ夫婦は別々の姓になるといふとんでもない制度がこれ。大半の国民が現在の夫婦同姓制度に満足してゐるといふのに、姓氏制度の選択肢に中に、原則別姓を盛り込んでくるといふ神経。原則別姓といふ考へ方もあるのよ、それにくらべたら、選択的別姓なんて穏健なもの。つまり、選択的別姓を、原則別姓と原則同姓の中間に位置する穏健案のやうに錯覚させるトリックだ。

 世論調査なんかやるとこの詐術が結構効果があるから、フェミ一派は好んでこの手を使ふのだ。

 そこで、皇室典範に話を戻すと、フェミ一派が今、画策してゐるのは女性宮家創設と称号保有の併記案だが、かれらは状況次第でいくらでも作戦を変へてくるはずだ。

 複数案併記でも、例へば、
 ①女性宮家創設
 ②称号保有A案
 ③称号保有B案
 にするとか。

 提示案を増やせば増やすほど、どれかを選ばなければいけないと錯覚させる効果がある―とかれらはよく心得てゐるのだ。

 ***************

 園部一派らは今、有識者ヒアリングなるものを実施してゐるが、ここではひそかに「称号保有」制度化に向けた工作が行はれてゐる。

 ヒアリングにはもちろん女系天皇派(今谷明、小田部雄次、笠原英彦、田原総一朗等)を多数登場させてゐるが、園部一派にとつて利用価値があるのは、女系天皇・女性宮家派ではなく、反女系天皇・反女性宮家派の方なのだ。反女性宮家派をひそかに「称号保有」賛成派に誘導する―これが有識者ヒアリングの基本戦略と言つていい。

 そんな園部一派のワナに見事にはまつてしまつた一例が、第三回ヒアリング(4月10日)に登場した百地章氏だらう。
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/dai3/gijiroku.pdf 
 百地氏が展開した女性宮家反対論、旧皇族復帰論はいいとしよう。問題は《女性皇族が皇籍離脱後も公的な立場で活動され、陛下をお支えするために》として述べた「称号保有」論である。

 「称号保有」について百地氏はかう説明してゐる。

《女性皇族については、婚姻による皇籍離脱後も、特例として「内親王」、「女王」の尊称を認め、直接、陛下を公的にお支えするシステムを構築すべきではないでしょうか。》

《そこで内親王や女王が結婚された後も、内親王や女王の称号を用いて、陛下のおそばで公的に御公務をお支えできるよう、皇室典範を改正するという方法が考えられます。》

 その後の質疑でも、百地氏は称号保有についてまたペラペラと答へてゐる。

《○齋藤副長官 皇族が皇籍離脱後も公的な立場で活動されるということで事例をお示しいただきました。そして、御結婚された場合、呼称も含めまして、内親王、女王という御説明ですけれども、そこはあくまでも配偶者は全く別であると。そこまでは御説明がございませんけれども。

○百地氏 もちろん、民間の方ですから、配偶者は別です。具体例を申し上げたら大変恐縮でございますが、わかりやすく申し上げますと、黒田清子様ですね。お名前はまさに黒田様の夫人でいらっしゃることは間違いない。一方で尊称をお与えして、これもあくまでも仮定でありますが、内親王黒田清子様、あるいは殿下ということになれば、明らかに皇族ではない。黒田という姓をお持ちですから。しかし、一方で、内親王でいらした方だと。そして現在も内親王の称号を持っておられる方だということで区別ができる。対外的にも、例えばプリンセスということではっきりお立場が示されますから、皇室とゆかりのある方だということがよくわかる。しかし、身分上は民間の方だということもそこで明らかになりますから、例えばそういうことが考えられるのではないか。

○原室長 女性皇族になさっていただく公的活動というのは、あくまでも単独でできる程度の活動と理解をするということですか。

○百地氏 そうです。ただ、そのためにも尊称をお与えする以上は、それなりの御配慮をしなければいけないということで、例えば品位を保持するために経済的な支援も必要でしょうし、住まいにしても配慮が必要でありましょう。あるいは宮務官といった方々が何らかの補佐をしてあげるということも必要だろうと思います。》

 百地氏は「『次世代への先送り論』に対する疑問」といふことも述べてゐる。

《渡邉允前侍従長は、1日も早く女性宮家を創設すべきであるとする一方で、皇位継承問題については「将来の世代が、その時の状況に応じて決めるべき問題である」とされていますが、これも疑問です。渡邉氏のこの発言が、皇室と陛下のことを思われた上でのものであろうことは疑いませ
んが、女性宮家が女系皇族の容認につながり、さらに女系天皇への道を開くものであることを考えるならば、やはり反対せざるを得ません。それに、もし女性宮家にお子様が誕生した場合、国民感情として、やはり皇位継承権を与えるべきだといった流れになるであろうことは、想像に難くありません。また、皇位継承権を認めないのは差別だなどと言い出す者が必ず出てくるでしょう。それゆえ、次世代への先送り案は非常に危険であって、容認できません。》

 「『次世代への先送り論』に対する疑問」に対しても、質疑の中でこんなやりとりがあつた。

《○竹歳副長官 渡邉前侍従長の発言に関して、次世代への先送り論は非常に危険という御所見でしたが、実はいわゆる「女性宮家」に反対する立場の方が、悠仁親王がお生まれになったのだから、この後、50~60 年の間は皇位継承権の問題は生じないと。したがって、この議論を先送りしてもいいではないかというような、別の立場からの先送り論があったのですが、先生のお考えだと制度の問題であるから、次世代へ先送りしないで、例えば今の尊称の問題とか、さらに抜本的解決とおっしゃった旧宮家の皇籍復帰とか、そういう手を今、直ちに打つべきだというようなお考えになるでしょうか。

○百地氏 2つの問題があると思います。要するに、今すぐにすべきかどうかという点ですが、もちろん、尊称とか、そういったことは今すぐにでもすべきだし、できることだと思いますので、是非お願いしたい。同時にやはり抜本的な解決策も着手していただきたいと思っております。このままでは決して楽観を許しませんので。次に、女系容認派による先送り案に対する疑問を述べましたのは、渡邉さんがそうかは知りませんが、女系を容認する方々が一度にそこまでするのは難しいので、とりあえず女性宮家をつくって既成事実化してしまえば、あとは日本人の国民性からしても、そのときは必ずお子様もということになるだろうしといった見方もありまして、私も多分そういうふうに流れるだろうと思っています。

したがって、女系推進派は逆にそれをうまく利用しようとして、とりあえず女性宮家をつくってしまえば、後はどうにでもなると考えている節があると。私は別に性悪説に立つわけではありませんが、そういうことを心配しております。したがって、先送りに対しては反対の立場です。》

 百地氏は知らず知らずのうちに敵の術中にはまつてゐるのに気づかない。

「敵」が利用しようとしてゐるのは、百地氏の尊称論と先送り反対論のみである。

 旧宮家の皇籍復帰といふ「抜本的な解決策」に着手してほしいと述べながら、「尊称とか、そういつたことは今すぐにでもすべき」などと不用意なことをしやべる愚かさ。「敵」が旧宮家の皇籍復帰をつぶすために「称号保有」案を画策してゐることにどうして気がつかないのだらう。

 百地氏はかう述べてゐる、「とりあえず女性宮家をつくってしまえば、後はどうにでもなると考えている節があると」。

 この言葉はたしかに一年前なら正しかつた。しかし、今は違ふ。百地氏に教えて差し上げよう。かれらは「とりあへず称号保有制度をつくつてしまへば、後はどうにでもなると考へてゐる」のである。

(この項続く)


■女性皇族の「称号保有」といふワナ ①

 「称号保有」制度の終局目標は女系天皇


 政府が①「女性宮家」の創設②結婚した女性皇族による内親王などの尊称保持-の2案を軸に検討する方針を固めたといふ記事を時事通信が7月5日に配信し、毎日新聞がその2日後に「2案併記する方針」といふ後追ひ的な記事を書いてゐる。

 政府部内のフェミニズム勢力がいよいよその正体を現し始めたといふべきか。

 2案併記といふのはカムフラージュで、政府部内の女系勢力が現在狙つてゐるのは、実は「女性宮家」の創設ではなくて、女性皇族による内親王などの「称号」保有の方なのである。

 かれらは反対論が噴出した「女性宮家創設」で強硬突破するのは難しいと判断し、ひそかに「称号保有」作戦の方に戦略転換を図つたのだ。有識者ヒアリングをスタートさせた時点では、既にこの戦略転換は決まつてゐたかもしれない。

 女性皇族の「称号保有」といふのは、政府部内女系勢力が国民に向けて仕掛けた壮大なワナと言へる。女系天皇には反対だが、女性皇族が内親王女王といふ称号を保有するだけなら大した問題はない、と多くの国民は考へるだらう。そこにかれらの狙ひ目がある。

 女系勢力が女性皇族の「称号保有」制度創設で狙つてゐることはただひとつ、将来の女系天皇擁立に向けて道筋をつけることである。かれらは女系天皇擁立をあきらめてなどゐない。

 今、女性皇族の「称号保有」制定を画策するフェミニズム勢力の最大の狙ひは何か?

 それは、皇籍離脱した旧皇族男子の皇籍復帰の可能性を完全消滅させること、にほかならない。

 「称号保有」が制度化されれば、多くの女性皇族が内親王・女王といふ称号を保有したままそれぞれ80歳、90歳まで皇室活動を続ける。やがて次世代、次次世代の称号保有者も出現してくるだらう。天皇を取り巻くのは内親王女王ばかりになつてしまへば、これらの称号保有者に皇位継承権を与へる流れにおのずと向かつてゆく―とかれらは読んでゐる。

 2案併記といふのは、一種の陽動作戦である。「女性宮家創設」の方に警戒の目を向けさせておいて、警戒の甘い「称号保有」の方に誘導するといふ陽動作戦なのだ。

 ①「女性宮家」の創設②結婚した女性皇族による内親王などの尊称保持-と2案併記すると、皇室典範改正はどうしてもやらなければならない緊急課題のやうに思ひこませることができる。そして、どちらかの案を選ばなければならないやうに思はせることができる。さらに、称号保有案をより穏健案として印象づけることができる。実に巧妙な詐術なのだ。皇室典範など今急いで手をつける必要などまつたくないといふのに。

 現に、有識者ヒアリングでも、この陽動作戦にひつかかつて、「女性宮家には反対だが、称号保有なら構はない」と、称号保有に賛意を表明した、あるひは表明させられた、反女系派の「有識者」も少なくない。

 今、政府部内では内閣府・男女共同参画局をはじめとするフェミニズム勢力が皇室典範改悪に向けて総力をあげて動いてゐる。そのことに無知な「有識者」があまりにも多すぎる。

 (この項続く)










 
 
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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