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■待機児童問題を誇大宣伝してきた自民党政府



 
 保育園の待機児童問題で、一般国民は、保育園をもつとつくれと叫ぶモンスター女やフェミニストたちを前に、「皆さまのご怒りはごもつともでございます」とひたすら受け身に回る自民党政府といふ図式で見てゐるかもしれない。
 
 モンスター女たちに自民党政府が保育所枠の拡大を迫られるといふ図式である。
 
 保育園落ちたみたいなクソブログに安倍政権が震へ上がり、保育所枠を増やすために、あれもやります、これもやりますと慌てふためく様を見せられると、そのやうに見えるのも無理はない。
 
 しかし、これは待機児童問題におけるまつたくの誤解だ。
 
 なぜなら、待機児童問題をフェミ二ストたちと一緒になつて煽りに煽つてきたのは、ほかならぬ自民党政権なのだから。
 
 「日本に待機児童はこんなにたくさんゐるんですよ!」と宣伝につとめてきたのは自民党政府である事実を国民の大部分は知らない。
 
 待機児童問題を煽るために自民党政府によつて発案されたのが「潜在的待機児童」といふ言葉である。
 
 話は小泉政権時の十数年前にさかのぼる。
 
 内閣府の男女共同参画会議が平成13年に作成した「仕事と子育ての両立支援について」といふ提言書に次のやうな文言が盛り込まれた。
 
 《待機児童の解消をめざし、潜在的な需要を含め、達成数値目標及び期限を定めて実現を図る。》
 
 このフェミニズム提言書は、待機児童の《潜在的な需要》といふ言葉が初めて登場した政府文書としてのちのちまで重要な意味を持つことになる。
 
 男女共同参画会議の議論の中では、待機児童の《潜在的な需要》について、「30万人」といふ説も飛び出し、この潜在的待機児童30万人説に飛びついたのが小泉首相だつた。
 
 待機児童がそんなに存在するならこれを小泉内閣の目玉にしようと、待機児童ゼロ作戦として大々的にアピールすることになつたのだ。かくて、潜在的待機児童30万人説は半ば政府公認の数字として使はれ始めたのである。
 
 ロクな定義も根拠もない潜在的待機児童がここからひとり歩きをはじめ、その数字も、30万人から40万人、60万人と膨張を続け、最近では100万人といふ数字まで出現する有様だ。
 
 小泉首相が待機児童ゼロ作戦の中核に位置付けたのが保育事業への民間企業の参入だつた。
 
 保育園経営に民間企業が参入すればコストも下がつて、保育所がもつともつと増えていきますと小泉首相はまことしやかなウソを垂れ流した。
 
 小泉首相にとつては、待機児童ゼロ作戦は小泉構造改革=民営化のPRにもなるといふメリットもあつた。
 
 保育所が足りない足りないといふ声が大きくなればなるほど、小泉首相にとつては都合がよかつた。それなら保育事業にも民間活力をもつと利用しませうよ、といへばいいからである。
 
 小泉内閣によつて創始された潜在的待機児童数の誇大宣伝は、その後の自民党政府に引き継がれた。今の安倍内閣もこれを忠実に実行してゐることはいふまでもない。
 
 政府は保育園をどんどんつくりますから、女性はみんな子供を保育園に預けて外に働きに出ませう―。

 安倍首相がこんな猫なで声ばかり出すものだから、必然的にモンスター女たちは増長する。

 馬鹿みたいな話である。待機児童問題で騒ぐモンスター女たちを出現させた元凶は、自民党政府の待機児童誇大宣伝にすぎないのだ。自分たちが生み出した怪物に攻撃されて恐れおののく安倍内閣のザマは自業自得といふしかない。






 
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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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