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■「美しい国へ」から「移民の国へ」(19)





 ▼「農業」への外国人労働者派遣をゴリ押しした「パソナ」(2)
  ▼日本移民化政策の策源地となつてきた「国家戦略特区諮問会議」



 安倍官邸及び、パソナなどの国家寄生勢力が隠れ蓑として利用してきたのが国家戦略特別区域諮問会議であることは今では周知のことだらう。

 安倍政権が推進する日本移民化政策の策源地となつてきたのも、国家戦略特区諮問会議にほかならない。

 平成28年10月4日、首相官邸で開かれた国家戦略特区諮問会議には、竹中平蔵、八田達夫ら「民間有識者議員」5人の連名で「国家戦略特区 追加の規制改革事項などについて」といふ文書が提出された。

《今回の諮問会議で門脇仙北市長ほかかから提案されている3つの規制改革事項のうち、「農業分野の外国人材の受け入れ」及び「小規模保育所の対象年齢の拡大」については、特区ワーキンググループにおける度重なる議論にも関わらず、進捗が芳しくないものとなっている。》

 とした上で、「農業分野の外国人材の受け入れ」について、次のやうに述べてゐる。

《「本件は、『日本再興戦略2016』(平成28年6月2日閣議決定)等において『可能な限り早期に結論を得る』とされているにも関わらず、法務省の担当者ほかは、『引き続き検討中』である旨を繰り返すのみで、議論の入口にすら入れていない状況である。本件は、本日の秋田県大潟村のみならず、長崎県や茨城県などの多くの自治体からも同旨の要望が寄せられており、技能実習制度で対応できない一定レベル(技能実習を修了したレベル)の外国人材の受入れが喫緊の課題となっていることから、事務方ハイレベルないし、必要あれば政務折衝により、早期に問題解決を図る必要がある。》

 竹中平蔵ら5人は、国家戦略特区諮問会議のたびごとに、このやうな意見書を提出するのが慣例になつてゐて、この日の意見書では、特に「農業分野の外国人材の受け入れ」への対応が遅い、と関係省庁の対応に不満を書き連ねたのだつた。

 この日の会議には、秋田県大潟村の髙橋浩人村長や秋田県仙北市の門脇光浩市長らも招かれ、大潟村長は外国人受け入れを要望する意見を開陳した。

 秋田県の大潟村といふのは、パソナが農業事業に乗り出した十数年前、はじめてタイアップした自治体で、パソナは大潟村に「農業体験人材」などを送り込んできた。大潟村はパソナの農業ビジネスのパートナーなのだ。

 パソナの農業ビジネス・パートナーをわざわざ国家戦略特区諮問会議に呼んで、「農業の分野にも是非外国人労働者参入の解禁を」と発言させた竹中の意図は出席者の誰もが知つてゐた。

 出席した安倍首相(議長)は、「国家戦略特区の重点課題である『農業の外国人材の受け入れ』などの御提案をいただいた。法改正を要するものは次期国会への法案提出を視野に、実現に向けた議論を加速してまいります」と述べた。

 特区を使つて農業分野に外国人労働者を参入させるといふのは、もちろんパソナ=竹中平蔵のアイデアである。

 ちなみにこの日の会議では、官邸御用学者の八田達夫がこんな発言もしてゐた。

《今治市は獣医学部の新設を要望しています。獣医系の学部が四国には全くない。獣医学部の新設のために必要な関係告示の改正を直ちに行うべきではないか》

 加計学園問題の発端である。

 国家戦略特区諮問会議は、安倍官邸及び政商パソナなどへの利益誘導にこれほどあからさまに利用されてきたのだ。
 
 「改悪」入管法は、国家戦略特区諮問会議の存在を抜きにしては語れない。



  (この項続く)


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■「美しい国へ」から「移民の国へ」(18)



  ▼「農業」への外国人労働者派遣をゴリ押しした「パソナ」(1)

  ▼補助金目当てに農業を喰ひ物にしてきたブラック派遣企業


 


 

 「改悪」入管法により大量流入する外国人単純労働者たちの雇用形態は、雇い主の直接雇用が原則とされる。

 その例外があつて、それが農業と漁業の分野だ。

 なぜ農業と漁業にだけ派遣が認められたのか?

 実は漁業の方は、附けたりみたいなもので、農業だけに派遣を認めると怪しまれるので、それをカモフラジュするために付け加へられたのが漁業といふわけだ。

 外国人単純労働者を派遣に取り込みたい勢力にとつて、ターゲットはあくまで農業にあつた。

 農業分野に外国人労働者を参入させろと声高に主張してきたのが、 政商南部靖之が率ゐるブラック派遣企業「パソナ」である。

 正確にいふと、南部と、南部の命を忠実に実行するコバンザメ会長、竹中平蔵が安倍官邸と結託して、農業分野への派遣をゴリ押ししたのである。

そのへんの竹中らの政府中枢工作は次回書くとして、今回はパソナと農業との関はりについて紹介しよう。

 パソナのブラック事業の中でも悪名高いのは、兵庫県・淡路島の乗つ取り計画だらう。

 今や完全に「パソナ化」したといはれるのが淡路島だ。

 島中にあふれるのはパソナグループの施設ばかり。

 ・パソナの農園「チャレンジファーム淡路」、
 
 ・パソナのテーマパーク「淡路マンガ・アニメアイランド」

 ・「パソナふるさとインキュベーション」が運営するレジャー施設「のじまスコーラ」 
 ・音楽専用ホール「パソナホール」

 ・淡路島の迎賓館と呼ばれる、パソナの要人接待施設「春風林」

 ・三洋電機の元保養所を改装したパソナの研修施設「凛風館」

 ・淡路島の迎賓館と呼ばれる、パソナの要人接待施設「春風林」

 ・パソナの契約社員向け宿泊施設「絵島館」

 パソナが淡路島に乗り込んできたのは「農業人材育成」が名目だつた。

 しかし、パソナが淡路島で実際にやつてきたのは、国や自治体にカネを出させ、土地や建物の無償譲渡を受けて展開する多目的ビジネスだつた。

 例をあげれば、パソナが兵庫県から3億5千万円で請け負った「ふるさと雇用再生事業」では、島外から募集した「契約社員」を10万円の給与で雇つて、形ばかりの「農業実習」をさせ、かれらを自社グループのアルバイトとして使ひ回してゐた。

 事業費のうち給与以外の分はすべてパソナの収益になる上、契約社員を使ひ回せば自社施設の労賃低減にもなるといふ、おいしい商売だ。

「パソナふるさとインキュベーション」が運営するレジャー施設「のじまスコーラ」は、廃校になつた小学校の跡地と建物をパソナが淡路市から譲り受けたものだ。

 4億円を超す税金が投じられた公共施設がブラック派遣企業にタダで譲渡された経緯を地元民は誰も知らない。もちろん、淡路市長がパソナの要人接待施設「春風林」で歓待を受けてゐたことも。

 淡路島の実例をみただけでも、パソナが全国で展開する「農業人材育成」事業のうさんくささが分からうといふものである。



  (この項続く)
■「美しい国へ」から「移民の国へ」(17)





 ▼「改悪」入管法に本音は賛成だつた国民民主党
 ▼「永住外国人地方選挙権付与法」を推進してきた前原誠司


 旧民主党の代表をつとめた前原誠司といふ男は今、国民民主党に所属してゐる。

 国民民主党は臨時国会で「改悪」入管法に対して、一応立憲民主党などとともに反対したことになつてゐる。

 ただ国民民主党が立憲民主党と異なつてゐるのは、「改悪」入管法の附帯決議に賛成をしたことだ。

 法案の附帯決議といふのは、「この法律は○年後に見直す」といふやうな空疎な文言が盛り込まれるのが通例で、与党が野党の顔を立てるために持ち出すお飾り道具である。

 附帯決議に乗るやうな野党は基本的にその法案の賛同者なのである。「改悪」入管法における国民民主党のスタンスもその例にもれない。

 自民党政府の提出した法案に賛成してしまつたら、党の存在意義はゼロとなり、党は消滅の運命をたどるしかない。移民には賛成でも、自民党法案に賛成するわけにはいかない。

 さて、前原誠司のことだが、彼の妻はよく知られてゐるやうに(さうでもないか)、ブラック派遣企業「パソナ」で南部靖之代表の秘書をつとめてゐた女性である。

 ともに関西出身の前原と南部は昵懇の仲で、前原が南部のオフィスを訪ねた際、南部の秘書に一目ぼれして、電光石火ゴールインしたと伝へられる。

  南部は創価学会員で、南部の秘書だつた前原の妻も創価学会員である。(南部と秘書がただならぬ関係だつたことは周知の事実である)。

 この秘書と結婚したことによつて、前原は南部―創価学会―公明党ラインと強固な関係を築くことになつた。

 南部は、安倍晋三をはじめとする野党時代の自民党議員のみならず、民主党議員も幅広く手なずけてゐて、前原誠司はその筆頭だつた。

 南部が民主党の落選議員をパソナの社員に雇つて面倒をみてゐたのは有名な話である。

 前原誠司はかつては移民賛成の立場を広言してゐて、派遣事業拡大のために移民利用構想を描く南部とは気脈が通じてゐた。

 在日韓国人や韓国系企業から政治献金をもらつて、それがスキャンダルとなつた前原は、在日韓国人社会と「特異」な関係を有する政治家でもある。

 旧民主党には、「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」といふのが設置されてゐた。

 この議員連盟の目的はただひとつ、「永住外国人に地方選挙権を付与する法案」を国会で成立させることだつた。

 「永住外国人地方選挙権付与法案」は在日韓国人を想定したものだつたが、「改悪」入管法で永住外国人が増へてくれば、息を吹き返しかねない。

 前原誠司は「在日韓国人」のための利益を追求してきた政治家であり、国民民主党は移民国家を目標にする政党である。

 繰り返すが、移民国家を目標にするといふ点では、自民党も立憲民主党も国民民主党もかはらない。

 この日本に移民に反対するまともな政党はひとつもない。


 (この項続く)
■「美しい国へ」から「移民の国へ」(16)




  ▼対中ODAが還流した「日中技能者交流センター」の利権構造





 日教組の兄弟組織ともいふべき「日中技能者交流センター」は、中国からの労働者呼び込みビジネスで肥え太つてきた組織で、現在は中国のほかにベトナム、ミャンマーなどにも受け入れ国を広げてゐる。

 その収益源は、技能実習生の受け入れ事業者から徴収する管理費のほかに、政府から請負ふ事業費も少なくない。

 例へば、中国からの労働組合指導者の招聘事業などは、長年日中技能者交流センターが厚生労働省からほぼ独占的に丸投げされたゐた。

 この事業の原資はといへば、対中ODAにほかならない。

 つまり、日本政府の戦後最大の愚策と評される対中ODAの一部が、国内の労組団体に還流してゐたといふお話しなのだ。

 日中技能者交流センターは2億5000万円の資産を持つが、この資産の一部は日本政府の対中ODAによつて築かれたものである。

 対中ODAのカネで潤つたのが日中技能者交流センターである。

 日本の外国人労働者(研修生・技能実習生・留学生)流入政策の裏では、自民党政府と労働組合・左派・野党勢力などの利権が複雑に絡みあつてきた。

 国会でもとりあげられた「日本ミャンマー協会」と立憲民主党の福山哲郎幹事長との関係などもその一例にはすぎない。

 福山哲郎は日本ミャンマー協会の理事をつとめてゐる。

 今日本にはミャンマーから技能実習生が大量に流入しつつあるが、その旗振り役となつてきたのが日本ミャンマー協会だ。

 日本ミャンマー協会は、受け入れ監理団体の申請作業に関与し、その見返りに受け入れ監理団体から年間10万円もの7手数料を徴収して、その利権体質が問題になつた。

 このブラック組織の役員に、自民党の麻生太郎、二階俊博などとともに名をつらねてゐきたのが立憲民主党幹事長の福山哲郎なのである。

 幹事長からして既に移民利権にまみれてゐるのだから、立憲民主党が「改悪」入管法=移民法に本気で反対するわけはないのである。



   (この項続く)


 
■「美しい国へ」から「移民の国へ」(15)


   ▼「移民国家が理想」で一致する自民党と野党各党
   ▼与野党こぞつて外国人労働者利権あさり





 メルケル首相が80万人もの難民を受け入れることを表明した2015年のドイツ。

 ドイツの各駅に降り立つたシリアなどからの難民の集団は、ドイツ国民からまるで英雄を迎えるやうな歓迎を受けた。

 難民たちは華やかな風船と拍手で出迎へられ、「難民の皆さんを歓迎します」といふ挨拶を浴びせられた。

 この友愛的な情景がほんの一瞬の白日夢にすぎなかつたことは、御存じの通りだ。
 
 「改悪」入管法が成立して、小躍りしてゐる人々を見ると、この連中、もしかして、「改悪」入管法で新たに入国してくる外国人労働者たちに対して、ドイツ国民と同じことをやらかすのではないかと心配になる。

 成田空港には、「外国人労働者のみなさまを歓迎します」といふ幟が乱立。拍手で外国人労働者を出迎へ、駆け寄つて一緒にピース写真におさまる・・・。

 似たやうな光景はきつと各地に現出すると思ふ。

 国会では「改悪」入管法をめぐつて与野党の「攻防」が行はれたことになつてゐるが、もともと野党各党は移民に賛成する立場だつた。

 野党の主張は、日本を移民国家にするためには完璧な移民法をつくるべきである、といふものであり、自民党の立場は、移民法なんかつくつたら、移民政策であることが国民にバレてしまふぢやないか、といふものだ。

 移民といふ言葉を使わずに移民政策を推進する。これが安倍政権の至上命題なのだ。

「日本はこれから移民を受け入れます」と表明したら、政権は瞬時に崩壊することを安倍首相はよく知つてゐる。

 自民党には移民1000万人といふ構想さへあつた。

 終局目標が移民国家といふ点では、自民党も野党各党も同じ穴の貉といへる。

 研修生・技能実習生・留学生といふ名称で、外国人労働者を大量流入させてきたのは基本的に歴代の自民党政権であることはいふまでもない。

 一方で、野党の一部は外国人労働者流入に伴ふ利権をあさつてきた、といふ構図がみえてくる。

 ベトナムが台頭する前は、技能実習生などの最大供給先は中国だつた。

 中国からの技能実習生などを受け入れる中心的役割を担つてきたのが「日中技能者交流センター」といふ組織である。

 「日中技能者交流センター」の設立は、昭和61年(1986年)、初代理事長は元総評議長、元日教組委員長の槙枝元文だつた。

 槙枝は、当時の中華全国総工会副主席、羅幹から、中国の労働力を海外に送りこむために「中国職工対外交流中心」といふ組織をつくりたい。ついては、日本側にも受け入れ組織をつくつてほしい、と依頼される。

 そして、槙枝は日本の労働界をまとあげて、「日中技能者交流センター」を設立し、自分が初代理事長におさまつた。

 「日中技能者交流センター」の設立と符合するやうに、政府部内では外国人研修生・技能実習生の制度がつくられてゆき、事実上の外国人労働者の受け入れが始まることになる。

 これで浮かびあがるのは、我が国の外国人労働者の受け入れの発端には、総評系=旧社会党系の「日中技能者交流センター」が根深くかかはつてゐたといふ事実である。

 「日中技能者交流センター」の歴代理事長はすべて組合出身で、現理事長の泉雄一郎も元日教組委員長である。「日中技能者交流センター」の本部は、日教組の入つてゐる東京・一ツ橋の日本教育会館にある。

 「日中技能者交流センター」が中国からの労働者受け入れの中核的存在となつたことで、その後、国内に乱立した技能実習生の監理団体には労働界あがりのボスがトップを占めるところが少なくない。

 このやうな経緯をたどつて、日本の労働界の大物たちが、中国のブラック送り出し機関と結託して、中国人労働者からピンハネするといふ搾取構造が完成したのだ。

(槙枝元文が親しかつた中国の羅幹はその後、中国共産党中央政治局常務委員までのぼりつめたが、退任後、過去に法輪功学習者の大量虐殺や臓器狩りなどに関与してゐた疑惑が露見した。)


  (この項続く)



■「美しい国へ」から「移民の国へ」(14)



  ●韓国=「外国人労働者受け入れ先進国」説のデタラメ(5)

  韓国「奴隷許可制」の一部をつまみ食ひした「改悪」入管法

 



 韓国の「雇用許可制」は韓国人がやりたがらない劣悪な職場に外国人労働者を供給するシステム以外の何物でもない。

 韓国の「雇用許可制」について、「韓国人の労働者の職が奪はれないやうな様々な工夫が盛り込まれてゐる」と解説した日本のアホな学者がゐる。

 このアホ学者の救ひがたいのは、第一に、外国人労働者には韓国人がやりたがらない仕事しかやらせないといふ残酷極まりない制度を、あたかも韓国の素晴らしい発明だと勘違いしてゐることである。第二に、外国人は職にありつけ韓国人労働者も職が奪はれることがないので万事メデタシメデタシと考へるノー天気さにある。

 このアホ学者は知らないのだらうか。韓国経済の先行きをまともに憂ふ韓国人たちは、このやうに考へ始めてゐることを。

 つまり、中小企業の経営者たちは低賃金の外国人労働者を使ふことに馴れてしまひ、その結果、韓国では競争力のない零細企業を無意味に延命させてゐる、と。

 「雇用許可制」が生まれて十余年、韓国では「雇用許可制」はそろそろ廃止する時が来てゐるといふ声もきかれるといふのに、韓国の「雇用許可制」を見本にしようといふ国があるのだから驚かざるをえない。

 もちろん日本である。

 誰も指摘しないことだが、安倍政権の「改悪」入管法には韓国の「雇用許可制」の一部をこつそり取り入れた部分があるのだ。

 それが、永住資格への道を開く「特定技能2号」といふ制度である。

 以前のブログで私は、韓国の「雇用許可制」は基本的に外国人労働者を入れ替へる「ローテーション方式」と説明したが、韓国政府は2008年に入管法令を一部改正し、新たな在留資格として「特定活動」といふ項目を設けた。

 「特定活動」は、過去10年間に非専門(単純労働)分野で4年以上就労、35歳未満で大学以上卒業者、直近一年間の賃金が同一職種の平均賃金以上であること―などの条件を満たした外国人労働者に将来的に永住への道を開くといふ資格だ。

 「ローテーション方式」の一部修正といへるが、韓国の「雇用許可制」の内容は政権によつて変遷があり、最近は「ローテーション方式」の計10年(4年10ケ月+4年10ケ月)でも長すぎるとして政権内でも短縮の声が高まつてゐて、 永住への道を開く「特定活動」資格は韓国でも事実上有名無実化してゐる。

 韓国で有名無実化した規定を、「改悪」入管法にこつそりまぎれこませた安倍内閣は狡猾といふしかない。

  「特定技能1号」「特定技能2号」などとそれらしい名前がつけられてゐるが、 「特定技能1号」とは単純労働に従事する外国人労働者、「特定技能2号」とはさらに長期間働く外国人労働者の名称である。


 「改悪」入管法においては、「特定技能1号」の外国人労働者は何事もなければ「特定技能2号」に移行することになるだらう。

 単純労働者として日本にくる外国人はだれでも潜在的な永住資格者になるのだ。

 「改悪」入管法は、韓国の「ローテーション方式」は取り入れずに、「特定活動」資格だけをつまみ喰いして、外国人単純労働者に日本永住への道を開いたのである。

 まぎれもなく日本移民国家化法案である「改悪」入管法は、悪名高い韓国「奴隷許可制」の一部ををつまみ喰ひしたといふ事実だけはよく知つておいた方がいい。


  (この項続く)




■「美しい国へ」から「移民の国へ」(13)






 ●韓国=「外国人労働者受け入れ先進国」説のデタラメ(4)

  闇に葬られる外国人労働者の「死」




 平成27年のから3年間に外国人技能実習生計69人が死亡してゐたといふ数字が明らかになつた。

 立憲民主党が法務省に求めて集計させたらしく、立憲民主党の議員が6日の参院法務委員会でこのデータを公表を政府側を質した。

 この資料は立憲民主党の議員がネット上にアップしてゐるが、「自殺」が6件、「溺死」が8件、「凍死」というのが1件ある。溺死は、川でおぼれた1件を除けば、海外で死体となつて発見されたなど、大半が自殺とみられる案件だ。「殺虫剤を飲んで死亡した」ケースなど明らかに自殺で、これらを含めれば「自殺」は15件ほどになる。このほか、「何者かに刃物で襲われ刺殺された」など殺人が2件。

 作業中の事故による死亡は数多いが、病死・変死も少なくない。

 死亡した外国人技能実習生が20代―30代でああることを考へると、病死・変死のケースは8割方が過労死であると思はれる。

 技能実習生の死亡で、労働基準監督署によつて労災と認定されたのは、平成27年度9人、28年度5人、29年度8人しかゐない。

 労災と認定されたの工場内での事故のやうなケースばかりで、これによつて、過労死した技能実習生が労災に認定されるケースはほとんどないことが分かる。

 前回のブログで私はかう書いた。

《韓国の中小企業では、危険な作業はもつぱら外国人労働者にやらせるといふ慣行が定着してゐる。
 ネパール人の死者のケースは、たまたまネパールの団体が調査したので露見しただけで、他国の労働者たちも韓国内で同じやうな運命をたどつてゐることは容易に推察がつく。》

 日本、韓国、台湾といふ東アジアの移民大国の実情を調べてゐて気がついたのは、日本にも韓国にも台湾にも外国人労働者の死亡例に関するまともな統計資料が存在しないことであつた。

 外国人労働者が国内で死亡すれば当該国政府は当然、その事実を把握してゐる。

 しかし、各国政府とも「外国人労働者の死亡統計」など公表しようとしない。

 国民に知られたくない(もちろん外国人労働者にも)知られたくない数字だからである。

 外国人労働者=底辺労働者が大量に抱へると必然的に、国民の目に触れさせたくない闇を抱へるといふことになる。

 外国人労働者の奴隷労働やゲットーの世界は、やがてその国の国民にとつてアンタッチャブルの世界と化す。

 これは欧州各国がたどつた道である。日本、韓国、台湾は今その轍をふまうとしてゐる。

 国家の自殺行為である。

 東南アジアから流れ込む外国人労働者を見下しつつ、自国に見切りをつけ、国外脱出に走る韓国の若者たちは誠に先見の明があるといふべきか?


  (この項続く)


■「美しい国へ」から「移民の国へ」(12)




 ●韓国=「外国人労働者受け入れ先進国」説のデタラメ(3)
  人種による社会の階層化をもたらした「雇用許可制」





 韓国における外国人労働者の奴隷労働の実態については数々のレポートによつて知られる。

 一番悲惨なのは農業で働く外国人労働者たちであらう。

 韓国で農業に従事する外国人労働者は、ベトナム人、カンボジア人、フィリピン人など2万人。

 あるレポートによると、外国人労働者の多くは朝10時から深夜まで働かされる。休憩は昼食時の1時間のみ。韓国人の労働者が休憩をとつてゐる間も、外国人労働者は働かされる。

 ある農家ではトイレがないので、外国人労働者たちは地面に穴を掘つてそこで用を足すよう命じられた。その穴がいつぱいになると、別の穴を掘らされた。

 給与の支払ひは2か月に一度、それも分割にされる。

 農業・漁業などに従事する外国人労働者は、労働関係法令は適用除外とされてゐるので、勤務時間などあつてないやうなもので、休日はせいぜい週一日。残業代などが支払はれることはない。

 宿泊施設は荒れ果てたあばらやで、粗末な食事。

 長時間労働のみならず、雇用主からの虐待や暴行は当たり前の世界。
 
 外国人労働者の多くは、自国の給料の2年分に相当するやうな借金をして韓国に来てゐるので、過酷な雇用主でも、そこにとどまるしかかれらの選択肢はない。

 奴隷労働を政府機関に訴へようものなら、政府機関から通報がゆき、雇用主から新たな虐待を受ける。

 カンボジア人の労働者が雇ひ主に殴打される悲惨な動画は、ネット上で世界中に拡散された。

 韓国にはネパール人の労働者も少なくないが、2007―2013年のネパール人労働者の死は57人といふ統計がある。

 多くは自殺と突然死で、夜間の心臓麻痺、養豚場の浄化槽での中毒死、工場の高層階からの転落死なども報告されてゐる。

 韓国の中小企業では、危険な作業はもつぱら外国人労働者にやらせるといふ慣行が定着してゐる。

 ネパール人の死者のケースは、たまたまネパールの団体が調査したので露見しただけで、他国の労働者たちも韓国内で同じやうな運命をたどつてゐることは容易に推察がつく。

 ソウルでは2017年8月に、外国人労働者たちによる1000人規模のデモが発生した。

 デモに参加したのはミャンマー人を中心にカンボジア人、ベトナム人、インドネシア人、フィリピン人、中国人などで、かれらは、韓国人との格差をやめろ、転職の自由を認めろと訴へた。

 かうした外国人労働者の訴へが韓国人の共感を集めることはない。

 韓国人にとつて外国人労働者とは、「自分たちがやりたがらない仕事に従事する異邦人」にすぎないからだ。

 外国人労働者を「階級以下の階級」とみなしてゐるのはほかならぬ韓国人である。

  「階級以下の階級」の存在が、韓国人の人種差別意識を増幅させてゐるといふ分析もある。

 韓国では「外国人労働者=底辺労働者」といふ社会の階層化が固定しつつある。

 韓国の「雇用許可制」が生み出したのは、ヨーロッパ諸国に多くの先例をみる、人種による社会の階層化といふ怪物なのである。

 

  (この項続く)



■「美しい国へ」から「移民の国へ」(11)




 ●韓国=「外国人労働者受け入れ先進国」説のデタラメ(2)

 ▼「階級以下の階級」を生み出す「雇用許可制」





 韓国の「雇用許可制」は別名、「奴隷許可制」といふ。「階級以下の階級」を生み出す制度とも呼ばれる。

 これはなにも私が命名したわけではなく、「雇用許可制」の内実をよく知る韓国人の間で共有されてゐる観念である。

 韓国は2004年に出入国管理法施行令などを改正して、外国人の「非専業就業」という滞在資格を新設し、「外国人雇用法」を制定した。「外国人雇用法」が定めた外国人労働者受け入れ制度が「雇用許可制」と呼ばれるものだ。

 外国人単純労働者の就労分野は、製造業、農畜産業、畜産業、建設業、倉庫、印刷、サービス業、リサイクル収集業などに拡大してゐる。

 外国人の受入国は、韓国政府が協定を結んだ、ベトナム、インドネシア、タイ、ウズベキスタン、フィリピンなど15カ国である。

 韓国の「雇用許可制」とは詰まるところ、

 1、外国人労働者の受け入れは、韓国人がやりたがらない仕事に限定する。
 2、外国人労働者を景気のバッファー機能として使ふ。
 3、外国人労働者の受け入れ人数を総量規制する

 の3点に要約される。

 韓国政府は毎年、外国人労働者の全体の受け入れ規模、業種ごとの受け入れ規模のほか、事業所別の雇用許可基準などを策定する。

 受け入れ人数の総量規制・業種別規制とは、すなわちクオータ制である。

 外国人労働者の雇用する事業者に義務づけられてゐるのが、「労働市場テスト」だ。

 事業者は外国人労働者を雇用する職種で、まづ韓国人を募集することを義務づけられるのだ。一定期間募集しても韓国人の応募がなければ、それではじめて外国人の採用が認められる。

 外国人労働者には韓国人がやりたがらない業種・職種だけにしか就労させない。これが韓国政府の基本原則なのだ。

 外国人労働者の就労期間は、基本が3年で、雇用主の同意があればさらに、1年10か月可能で、4年10ケ月。一旦帰国して再入国すれば、さらに4年10ケ月働けるので、10年近く働けることになる。

 これは「循環原則」または「ローテーション方式」と呼ばれるもので、外国人労働者を一定期間で入れ替へる原則である。外国人を定住させない―これも外国人労働者に対する韓国政府の基本原則にほかならない。

 ローテーション方式によつて、外国人労働者を景気のバッファー機能として使へるやうにする。景気の変動によつて外国人労働者の量を調節するのである。

 さて、「韓国人がやりたがい仕事」をあてがはれた外国人労働者にはどのやうに身を処すことになるか。

 そこが労働環境劣悪職場だつたら、外国人労働者は転職することができるのか?

 事実上その道は閉ざされてゐるのである。

 制度の上では3回までの転職は認められてゐるが、転職には雇用主の同意書が必要とされる。あつさり同意書にサインする雇用主などゐるわけがない。そこで何が起こるか?

 雇用主が同意書へのサインと引き換へにカネを要求するのである。

 かりに雇用主の同意書が得られたとしても、外国人労働者には次の仕事を選ぶ自由はない。

 韓国の「雇用支援センター」には、外国人労働者を雇用する事業者と、外国人労働者のデータが登録されてゐる。

 かつては外国人労働者が、外国人を募集する事業者の中から選ぶ方式だつたのだが、韓国政府はこれをやめ、逆に事業者が外国人労働者の求職リストの中から選ぶ方式に変更された。

 外国人労働者は新しい雇用主から声がかかるのを待つだけ。

 これによつて、外国人労働者が転職する自由は事実上奪はれてしまつたのである。

 事業者の権限のみが強化されたことで、韓国では外国人労働者の「階級以下の階級」化がますます進行する。




   (この項続く)

■「美しい国へ」から「移民の国へ」(10)




 ●韓国=「外国人労働者受け入れ先進国」説のデタラメ(1)

 ●外国人労働者の大量流入と若者の国外脱出現象の関係



 韓国はアメリカ、日本、カナダなどへ移民を送り出す一方で、東アジアにおいて日本、台湾、シンガポールと並ぶ外国人労働者の受け入れ大国でもある。

韓国における外国人労働者数は、2013年76万人、2014年85万人、2016年96万人と増大を続け、現在では100万人を突破したとみられてゐる。

 韓国の労働力人口は2700万人だから、外国人依存度は3.8%まで高まつてゐる。

 韓国における単純労働者の受け入れシステムを「雇用許可制」といふ。

 単純労働者の受け入れを基本的に国家管理下に置く「雇用許可制」は2004年に創設された。


 我が国で「改悪」入管法に関する議論が高まる中で、韓国の「雇用許可制」をやたらに持ち上げる輩がたへない。

 彼らはいふ。

 「韓国は雇用許可制をつくつて外国人労働者受け入れに成功した」

 「韓国の雇用許可制は人手不足解消の切り札になる」

 「外国人労働者の受け入れで韓国モデルは大いに参考になる」

 このやうに手放しで韓国の「雇用許可制」が賞賛する輩は、決まつて移民政策賛成派であることはいふまでもない。

 そのやうな結構な「雇用許可制」を導入した韓国で、今どのやうな事態が起きてゐるか?

 外国人労働者の大量流入が韓国にもたらした病理の中で最も深刻なのが、韓国の若者が自国に見切りをつけ、移民願望をますます募らせてゐることだらう。

 韓国における18―29歳の若者の失業率は10%を超える。

 韓国の若者は、外国人労働者が従事するやうな底辺労働を忌避する。さらに国内の中小企業には見向きもしなくなつてゐる。

 高給がとれるのは国家公務員か大企業くらゐしかないが、国家公務員は競争が激しく。国内の大企業は新卒者などまともに採用しようとしない。

 韓国の若者の間で、アメリカ、日本、カナダへの移民願望が高まつてゐるのは、当然の成り行きといへよう。

 文政権は今、表向きの反日姿勢とは裏腹に、韓国の産業団体とともに、なりふりかまはず日本企業への就職支援を展開してゐる。

 韓国人の国籍離脱者は、2017年までの10年間で、22万人に達した。

 移民先ベストスリーは、米国(9万人)、日本(5万人)、カナダ(3万人)である。
 一方、韓国に在住する外国人は200万人を突破、このうち就労者は約半分の100万人と推定される。

 外国人の不法滞在者は34万人で、一年間に10万人近く増えた。

 不法滞在者の大半は不法就労してゐるとみられ、つまり、韓国における外国人就労者のうちの約3分の1が不法就労者といふ惨憺たる状況になつてゐる。
 
 外国人による犯罪も10年間で5倍に激増した。

 韓国人にアンケートすると、「外国人は隣人にゐてほしくない」といふのが半数以上を占める。

 もともと外国人への差別意識の強い民族性なのに、中国、ベトナム、タイ、フィリピンなどから底辺労働者がなだれ込んできて、韓国人の差別意識を目覚めさせたと思はれる。

 韓国政府が唱へる多文化共生など、まともに信奉する韓国人などどこにもゐない。

 韓国における外国人労働者の大量流入と、若者の国外脱出現象の因果関係は歴然としてゐる。

 以上は、韓国「雇用許可制」の賛美者たちにとつての「不都合な真実」のほんの一部にすぎない。


    (この項続く)
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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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