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■皇位継承戦争を勃発させる「女性天皇」(2)


  
  ●国賊どもが考案した国体破壊計画





 女性天皇・女系天皇擁立論が再蠢動してきた今、14年前の小泉内閣の時に、「皇室典範に関する有識者会議」の国賊どもが考案した国体破壊的皇室典範改悪案の正体を検証しておくことは無駄ではあるまい。

 国賊どもが策定した典範改悪案によると、皇位継承順位は、天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹間では男女を区別せずに、長子が優先される。

 この改悪案が成立してゐたとすると、現在の皇族の皇位継承順位は、

 1、愛子内親王
 2、秋篠宮
 3、眞子内親王
 4、佳子内親王
 5、悠仁親王

 となる。

 天皇の直系子孫が優先されるから、皇位継承順位第1位の愛子内親王が民間人の、例へば田中某と結婚されると、その配偶者は皇族となり、愛子内親王と田中某との間に子供が生まれれば、男子であれ女子であれその子供が愛子内親王に次ぐ皇位継承順位第2位となる。その長子の下に弟妹が生まれれば、出生順に、皇位継承順位が第3位、第4位となつてゆく。

 御世替わりによつて、秋篠宮は皇嗣殿下となられた。

 しかしもし小泉内閣時に典範改悪案が国会を通過してゐたなら、秋篠宮が皇嗣殿下になることはなかつた。皇位継承順位第1位は愛子内親王だからだ。皇位は天皇の直系子孫、つまり愛子内親王の系列によつて継がれ、将来秋篠宮家に皇位が移る可能性は事実上ゼロパーセントとなる。

 愛子内親王が田中某と結婚され、天皇になれば、田中某も陛下と呼ばれ、ここに田中王朝が創始されるのだ。上皇陛下の直系男子たる悠仁親王を差し置いて。

 「皇室典範に関する有識者会議」の国賊どもがどれほど恐ろしいことを考へてゐたかお分かりいただけると思ふ。

 「女性宮家」なるものは、有識者会議の国賊どもが考案した国体破壊構想の焼き直しにすぎない。

   (この項続く)









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■皇位継承戦争を勃発させる「女性天皇」


  ●低俗ジャーナリズムに弄ばれる皇位継承問題
  ●「女性天皇」は豚社会における「アイドル」の別名





 国中で繰り広げられた浮薄極まりない改元騒乱が一段落したと思つたら、今度はマスコミによる「愛子天皇」待望キャンペーンが始まつた。

 新聞各紙は示し合はせたかのやうに世論調査を実施し、その中に女性天皇と女系天皇の賛否を問ふ項目を設け、女性天皇・女系天皇賛成派の支持率の高さを競つて報じた。

 日本国民の多くは女性天皇と女系天皇の違ひさへ理解してゐないとか、回答者の意識レベルなどいまさら指摘してもはじまらない。

 例へば、アンケートの質問の中に、

 ①あなたは過去の天皇の中に何人の女性天皇が存在したか知つていますか?

 ②知つている女性天皇のお名前を一人だけあげて下さい。

 といふ質問があつたとしたら、まともに答へられる国民は1%にも満たないだらう。

 天皇及び皇室制度に対する国民の理解などその程度のものだ。

そもそも日露戦争も日米戦争も知らない人間に皇室の皇位継承問題など聞くこと自体馬鹿げてゐる。

 その程度の理解力しか持たない国民のアンケート調査結果をふりかざして、マスコミは「愛子天皇」に向けて一斉に世論誘導を始めた。朝日のマネをしたがるのが日本の低能マスコミの習性である。

 平成18年9月6日、秋篠宮親王・同妃の長男として悠仁親王が誕生された。

 小泉内閣は前年の平成17年に「皇室典範に関する有識者会議」なるものを発足させ、同会議は11月24日に女性天皇と女系天皇を認めるといふ、国体破壊的報告書を発表した。

 これを受けて小泉内閣は、平成18年の通常国会に女性天皇と女系天皇を認める皇室典範改正法を提出すべく準備を進めてゐた。

 ところが平成18年2月7日、秋篠宮妃の御懐妊が明らかになり、小泉首相は周章狼狽。もし女性・女系天皇を認める皇室典範改正法が国会を通過した後に、秋篠宮家に男子が生まれればどうなるか?
 
 女性天皇と女系天皇との違ひさへ分かつてゐない小泉首相にとつても、自分が進めようとしてゐる事の重大さは理解できたらしく、小泉内閣は皇室典範改正案の国会提出断念を余儀なくされたのだつた。

 小泉首相が「皇室典範に関する有識者会議」を立ち上げて、女性天皇・女系天皇容認の報告書作成を急がせた理由は簡単だ。女性天皇・女系天皇を誕生させた総理大臣として歴史に名を残したいといふ小泉首相の功名心である。

 首相に5年も居座つたこの政治家の思考レベルは、原発がなくなれば日本はよくなるとひたすら叫ぶ今の行状からも知れると思ふ。靖国参拝は保守派向けのパフォーマンスだつた。

 秋篠宮親王・同妃の決断によつて、我が国の国体は間一発のところで破壊を免れたのだ。

「皇室典範に関する有識者会議」を招集し、会議に結集した女系天皇推進者たち(宮内庁OBも少なくない)は、悠仁親王の御誕生によつて、その野望をくじかれ、万斛の涙をのんだ。

 しかし、かれらは女性天皇・女系天皇をあきらめたわけではなかつた。女系天皇推進勢力は皇室典範改悪に向けて虎視眈々と次なるチャンスをうかがつてきた。

 かれらにとつて絶好のチャンスが巡つてきた。御世替はりである。

 新帝の誕生によつて、皇位継承権者が一人減る!

 やがて皇室は悠仁親王がひとりぼつちになつてしまふ―かれらが嬉しさうに語るこの常套文句。彼らがこのデマゴギーを宣伝するのにまたとないチャンス、それが御世替はりなのだつた。

 おまけに、眞子内親王の婚約スキャンダルやら秋篠宮家の内紛やらが週刊誌テレビで連日報じられ、悠仁親王の生育環境までがとりざたされるやうになり、これもかれらにとつては歓迎すべき出来事だつた。

 「次代の天皇にはモメ事の多い秋篠宮家の悠仁さまより、愛子さまの方がふさはしいのではないでせうか?」

 「ウン、さうだね」

 日本の歴史どころかまともな日本語もしやべれない幼児化日本。

 皇位継承問題が大衆社会の低俗イエロージャーナリズムに弄ばされる時代が到来したことに戦慄を覚える。

 これに比べれば、サヨクによる天皇撲滅論などとるにたらない(日本共産党はとつくの昔に天皇制打倒の旗を降ろしてゐるけれど)。

 「愛子天皇」が実現すれば間違ひいなく日本は滅びる。

 「女性天皇」とは、豚社会における「アイドル」の別名にほかならない。

  (この項続く)











■天皇から遊離し始める元號(13)







 ●「令和」考案者考(其六)


  反戦平和勢力に媚びて万葉集を冒涜する万葉学者






 『憲法についていま私が考えること』に収録された「象徴天皇の祈り・ノットペリッシュ」といふ中西進氏の自己保身的文章についてもう一度書く。

 この文章の最大の欺瞞は次のくだりに存在する。

《とにかく日本は数年の間にアジア・太平洋の広域に、水漬く屍、草むす屍を残した。その数三一〇〇〇〇〇人。(中略)
 その者たちは「天皇陛下万歳」といって死ねと強制された。》

 あの戦争の死者が、「水漬く屍、草むす屍」といふ言葉をもつて語られる。

 「海行かば」が大本営発表などに使はれたことから、反戦平和勢力が軍国主義歌謡の象徴して攻撃してきたのが「海行かば」であり、かれらは歌詞の中にある「水漬く屍、草むす屍」を無惨無意味な戦死者、国家権力により死を強制された犠牲者、と同義語として使つてきたのは周知のことだ。

 中西氏はこの文章で数多の反戦平和屋とまつたく同じ文脈で「水漬く屍、草むす屍」を使つてゐる。

 「海行かば」の歌詞の出典はいふまでもなく万葉集の大伴家持の歌である。

 始末の悪いことに、この曲学阿世の徒は、万葉学者である自分が過去の戦争の戦死者たちを「水漬く屍、草むす屍」と表現することの効果を意識しつつ、反戦平和屋たちに媚びてゐるのだ。

 「水漬く屍、草むす屍」はもともと、大伴氏の「言立(ことだ)て」(家訓)にあつた文言である。

 聖武天皇は陸奥国から黄金が出土したことを喜び、長大な宣命を発された。その宣命の中に大伴氏の言立てを引用して次のやうに大伴氏を称へた。

《また大伴・佐伯宿祢は常も云ふ如く、天皇が朝守り仕へ奉る事顧みなき人どもにあれば、汝たちの祖(おや)どもの云ひ来らく、海行かばみづく屍山行かば草むす屍王(おほきみ)のへにこそ死なめのどには死なじ、と云来る人どもとなも聞こしめす。》

 宣命の中に大伴氏の言立てが引用されたことに感激した大伴家持が詠んだのが、万葉集におさめられてゐる有名な「陸奥国に金を出す詔書を賀す歌一首、并せて短歌」である。

《葦原の 瑞穂の国を 天下り 知らし召しける 皇祖の 神の命の 御代重ね 天の日嗣と 知らし来る 君の御代御代 敷きませる 四方の国には 山川を 広み厚みと 奉る みつき宝は 数へえず 尽くしもかねつ しかれども 我が大君の 諸人を 誘ひたまひ よきことを 始めたまひて 金かも たしけくあらむと 思ほして 下悩ますに 鶏が鳴く 東の国の 陸奥の 小田なる山に 黄金ありと 申したまへれ 御心を 明らめたまひ 天地の 神相うづなひ 皇祖の 御霊助けて 遠き代に かかりしことを 我が御代に 顕はしてあれば 食す国は 栄えむものと 神ながら 思ほしめして 武士の 八十伴の緒を まつろへの 向けのまにまに 老人も 女童も しが願ふ 心足らひに 撫でたまひ 治めたまへば ここをしも あやに貴み 嬉しけく いよよ思ひて 大伴の 遠つ神祖の その名をば 大久米主と 負ひ持ちて 仕へし官 海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじと言立て 丈夫の 清きその名を 古よ 今の現に 流さへる 祖の子どもぞ 大伴と 佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て 人の子は 祖の名絶たず 大君に まつろふものと 言ひ継げる 言の官ぞ 梓弓 手に取り持ちて 剣大刀 腰に取り佩き 朝守り 夕の守りに 大君の 御門の守り 我れをおきて 人はあらじと いや立て 思ひし増さる 大君の 御言のさきの聞けば貴み  》

 私共の祖先はわが身を顧みることなく大君の御門を守つてまいりました、と朝廷を称へる熱烈な心情が歌はれる。そしてここでも、「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ」といふ言上げが語られてゐる。

 中西進氏はその著『聖武天皇』(PHP新書)の中で、聖武天皇と大伴家持のこのやうな君臣の結びつきについて、家持は「廷臣の範を示した」と説明してゐる。すなはちここでは、「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ」といふ大伴氏の心意気は肯定的に描かれてゐる。

 「水漬く屍、草むす屍」が君臣の麗しき結びつきを象徴する文言であることをよく知つてゐる万葉学者が、
《とにかく日本は数年の間にアジア・太平洋の広域に、水漬く屍、草むす屍を残した。その数三一〇〇〇〇〇人。(中略)
 その者たちは「天皇陛下万歳」といって死ねと強制された。》
などと言ひ放つのは、万葉集に対する冒涜に等しいと思ふ。

 この万葉学者は器用に自分の立場を使ひ分ける。

 天皇朝廷を賛美する歌は万葉集に少なくない。しかし、それらを否定してしまつたら万葉学者稼業はつとまらない。しかし、近現代を論ずるときには、万葉時代の人びとが持つてゐた「大君のため」といふ心情は用心深く排除されるのだ。
 
 曲学阿世の徒の処世術はなかなか考究するに値するのである。


   (この項続く) 
■天皇から遊離し始める元號(12)



 ●「令和」考案者考(其五)



 日本国憲法礼賛本の中で 中西進氏が天皇を賞賛したワケ






 「憲法についていま私が考えること」といふ本がある。

 日本ペンクラブ編、平成30年、角川書店刊。

 毎年数多刊行される護憲派たちの日本国憲法礼賛本の一冊にすぎないが、本書には日本ペンクラブに所属する43人が文章を寄せてゐる。

 寄稿者たちの最大公約数的意見は、サヨクゴロ佐高信の次の言葉に集約されるだらう。

《侵略戦争をしたことへの痛烈な反省から9条は生まれているのに、それがわからないから、9条を壊して、また、侵略戦争をしようとするのである。》

 益体もない日本国憲法の賛美と変はり映えのせぬ反戦平和のお経が唱へられてゐる中で、一篇だけ、異色な文章が掲載されてゐる。

 その文章はかう始まる。

《海に祈る―そうした皇帝像を思い浮かべると、これほど強烈で崇高な映像はそう多くはあるまい。それを三十年もの間続けられたのが、今上両陛下である。》

 筆者は中西進氏である。見出しは《象徴天皇の祈り・ノットペリッシュ》。

 この本の寄稿者たちには反天皇論者も少なくないのに、日本国憲法礼賛本の中に敢て今上天皇を持ち出した中西氏。

 中西氏の文章もう少し読んでみよう。

《 とにかく日本は数年の間にアジア・太平洋の広域に、水漬く屍、草むす屍を残した。その数三一〇〇〇〇〇人。(中略)
 その者たちは「天皇陛下万歳」といって死ねと強制された。今上陛下はそのことを幼少時に体験しているのであり、当の天皇を継いで皇位についたのだから、彼ら死者たちにどう対応するかが、今上陛下のお立場の原点になってしまった。》

 陛下の「お立場の原点」は日本国憲法といかなる関係を有するのか。

《 そこでわたしには、長く考えてきたことがある。海に向かい山野に向かって頭を垂れる時、お心の中にあることばはどのようなことばか、という疑問である。必ずや無言のことばがおありだろう。それをぜひ知りたい。
 そして次第にわかってきたことがあった。
 あの名文をもって綴られた「日本国憲法」の前文に次のような一節がある。

 主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。

 これによると、いかに「国民」が国家にとっても国政にとっても大切であるかが分かる。
 さらにこの「国民」の重視が、一八六三年十一月十九日に行われた、アメリカの大統領リンカーンの、ゲティスバーグにおける戦没者への哀悼のことば「ゲティスバーグアドレス」の末尾に基づくことは、よく知られている。摘記すると末尾には、
 人民の人民による人民のための政治
 とある。       》

 日本国憲法の「国民」の重視が、リンカーンのゲティスバーグ演説に基づく、とは初めて知つた。こんなヨタ話をよく平気で書けるものだ。

 このあと、日本国憲法とリンカーンのゲティスバーグ演説との関係について冗長な記述が続くが、これを一読して判明するのは、この万葉学者は日本国憲法の由来などまともにに勉強したなどなくて、この人は一種の政治音痴であるといふことだ。

 中西氏が日本国憲法礼賛本の中に今上天皇を持ち出した理由は忖度するまでもない。

 本書の刊行年をよくみてほしい。平成30年。

 天皇が譲位を表明されたのは平成28年。そして翌29年には、譲位と御世替わりが平成31年になることが決まつてゐた。

 御世替わりに伴ひ、新元号が制定される。

 新元号の考案を政府から依頼されてゐた身としては心穏やかではない。

 中西氏は10~20もの元号案を政府に提出したらしいが、平成30年の時点でいくつかは既に提出してゐたかもしれない。

 元号考案者なら誰しも自分の考案した元号が採用されてほしいと願ふ。

 しかし中西氏にはひとつだけ懸念があつた。

 「安倍の暴走」阻止運動に加担した過去の経歴である。

 自分の平和主義は、そのへんの反戦平和屋とは違ふとアピールしなければならない。

 この文章はそのやうな意図で書かれたと思ふ。

 平和を願ふ今上天皇。自分の平和主義は陛下の御心とまつたく同じなのであります・・・

 語るに落ちるとはこのことか。

  (この項続く)










 
■天皇から遊離し始める元號(11)







 ●「令和」考案者考(其四)


  「安倍の暴走」阻止運動に賛同した中西進氏
  安倍政権下での御世替はりに狼狽した「曲学阿世の徒」
  


 中西進氏が賛同者に名を連ねた「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」実行委員会は、平成27年9月に次のやうな「声明」を出した。

《  声明

 9月19日、政府・与党は強行採決に次ぐ強行採決を重ね、日本を海外で戦争する国にする憲法違反の戦争法を成立させた。私たちは満身の怒りを込めて抗議する。一内閣の恣意的な憲法解釈の180度の転換よる戦争法は、それ自体、違憲・無効であり、立憲主義の大原則を否定するもので、断じて認めることはできない。私たちは、戦争法のすみやかな廃止を実現するため全力を尽くし、戦争法の発動を許さない世論と運動を発展させる。

 「安倍の暴走」は同時に、沖縄での辺野古新基地建設や原発再稼働、教育の国家統制と歴史認識の歪曲、秘密保護法体制と個人情報の国家管理、消費税の引き上げとTPP、女性の人権軽視と労働者の使い捨てなど、あらゆる分野で進められている。私たちの運動は、まさにこれらと闘う人びととの共同・協力による「総がかり行動」でもある。
 (以下略)

 2015年9月19日
      戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 》

 
 声明の中にある「安倍の暴走」といふ言葉が示してゐるやうに、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」は安倍政権による安全保障関連法を戦争法と呼び、これを阻止する目的で発足し、安全保障関連法が国会で成立した直後に出したのがこの声明といふわけだ。

 同年春に発行された機関紙「総がかり通信」第1号を見ると、この組織は実に活発な活動を展開してゐて、昭和40~50年代のサヨク全期を忍ばせるやうな闘争用語が飛び交つてゐることに驚かされる。

 同年8月に実行委員会は運動の賛同者名を公表したが、その中の一人に名を連ねてゐたのが中西進氏だつた。
 
 中西氏が文化勲章を授与されたのが平成25年。

 中西氏が新元号の考案について政府から依頼を受けたのは平成25年の前後と目されてゐる。この時の内閣は第二次安倍政権だつた。

 そして、その約2年後、中西氏は「安倍の暴走」を黙視しえず、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」の賛同者となつた―といふ流れになる。

 この時点で、中西氏は6年後によもや天皇の御世替はりが起き、憎くき安倍内閣が自分の考案した元号を選定することにならうとは思ひもよらなかつただらう。

 それはさうだらう。

 陛下が譲位の御決意を国民に披歴されたのは平成28年である。

 国民は誰しも平成の時代がもつと続くと思つてゐた。中西氏もそのやうに考へてゐたと思ふ。

 然るに、現行法制も予期してゐなかつた天皇譲位といふ事態が現実となつた。

 国民は驚愕し、中西氏も当然驚愕したであらう。しかし、元号考案を依頼者されてゐた中西氏の受け止め方は一般国民とはちよつと、いや大いに違つてゐた。

 ほどなく御世替はりが起きる。安倍政権の間に御世替はりがあるかもしれない!

 彼は瞬時に頭をめぐらせたであらう。

 「安倍の暴走」阻止運動に加担した人間が考案した元号など、安倍内閣が採用するわけもない、と。

 そこで彼は考へた。

 そしてそれを実行に移した。


   (この項続く)



■天皇から遊離し始める元號(10)






 ●「令和」考案者考(其三)


  韓国紙に登場した「令和」考案者
 「百済の知力が入つた七世紀の平和憲法」
  韓国に早々と出始めた「令和」韓半島起源説          

 


 中西進氏のマスコミへの異常露出は国内メディアにとどまらず、今度は韓国紙にも登場した。

 韓国の「中央日報」は5月2日、中西氏へのインタビュー記事を一面トップで報道した(インタビューが行われたのは4月28日)。

 インタビューの中で中西氏はしきりに「和」の意味を強調する。

《「和はピース(peace)、平和だ。7世紀の優れたプリンス、聖徳太子が17条の憲法というのを作った(604年)。日本では以後1400年以上続く重んじられてきた。その憲法の1条が「和が重要である」という内容だ。7世紀の平和憲法が、1946年の平和憲法につながっている。しかし、(その間)韓国にはそんな日本の姿を見せてなかったし、迷惑をかけたと思う。》

 中西氏は、韓国には「迷惑をかけた」と謝罪の意を表した上で、「朝鮮半島から来た渡来人の役割があったか」といふ質問にかう答へる。

《「百済人が戦争を避けて日本に沢山きた。知識人も多かった。彼らが聖徳太子と17条憲法を一緒に作った。戦争で故郷を失い、日本に逃げてきた人、血(血統)で見ると大和人ではなく、すなわち、日本人ではなく、韓国人だ。『戦争は嫌だ、二度と繰り返されてはならない』と言いながら和で憲法を作ったのだ。そのような点で和は東アジア全体の平和思想だ。当時先進国だった百済人の知力(知的能力)が入っている。》

 聖徳太子の憲法十七条は現行平和憲法につながり、憲法十七条には百済人の知力が入つてゐる、と説明されるのだ。

 中央日報は、新元号が発表された3日後の4月4日に、《「令和」元号を考案した日本の教授…「朝鮮半島の歌が日本の詩歌に影響」信じる知韓派》といふ記事を掲載してゐる。

《「令和」は8世紀に集大成された日本最古の歌集『万葉集』に由来する。万葉集研究分野で「中西万葉学」という言葉があるほど中西教授はこの分野の第一人者だ。

この中西教授は普段から「朝鮮半島から日本に来た渡来人が万葉集に載せられた日本の歌に大きな影響を及ぼした」という持論を有する知韓派学者だと、中西教授をよく知る韓国人の知人が明らかにした。》

 この記事は、「渡来人が万葉集に大きな影響を及ぼした」といふ中西説を持ち上げ、中西氏の知韓派学者ぶりを次のやうに伝へる。

《中西教授は2003年に死去した女流歌人、孫戸妍(ソン・ホヨン)さんの師でもある。孫戸妍さんの娘で詩人兼随筆家の李承信(イ・スンシン)さんも中西教授と親しい。李承信さんは3日、中央日報との電話で「韓国と日本の文化交流に大きい関心を持つ方」と伝えた。

実際、中西教授は2013年、『李承信一行詩の力』東京出版記念会で記念講演をした。講演では「今後の外交で最も重要な要素は心の関係、知の関係、文化の関係を築いていくこと」とも述べた。

1997年に芥川賞を受賞した在日小説家の柳美里さんは2日、ツイッターに中西教授と出席したシンポジウムの内容を紹介した。2010年に北海道で開かれた「万葉のこころを未来へ」というシンポジウムで、中西教授から「(朝鮮半島の)郷歌と詩調を万葉集と比較する」という高難度のミッションが与えられたという。中西教授はシンポジウムで「(三国時代の末)朝鮮半島で百済と高句麗が滅亡し、多くの人たちが日本に渡ってきた。その当時(渡ってきた)渡来人が万葉集に大きな影響を及ぼした」と述べたと伝えた。韓半島(朝鮮半島)で詠まれた詩歌が海を渡り、後に万葉集にある日本の詩歌に影響を及ぼしたということだ。 》

 中西氏から、「(朝鮮半島の)郷歌と詩調を万葉集と比較する」といふ「高難度のミッション」を与へられたのは、あの在日小説家柳美里だつたとは!

  新元号考案者が知韓派学者であることが嬉しくてたまらないらしい韓国のメディアが流すこれらの報道が、韓国国内でどんな反応をもたらすかは予測するまでない。

 韓国では既に「令和」韓半島起源説が大つぴらに唱へられてゐるのだ。

 中西氏は、韓国メディアに自分がこのやうに言へば、韓国民が大歓迎するであらうことを当然予期してゐる。予期しつつ発言してゐる。

 令和出典の万葉集巻第五梅花歌序文の作者である(異説もある)山上憶良は渡来人であると主張してきたのが中西氏だつた。

 これは私の推測だが、中西氏はおそらく、そのこと、つまり山上憶良が渡来人であることを意識しつつ、新元号の出典を憶良に求めたのではないか。

 さう考へると、文化勲章を授与され、栄誉新元号考案まで委嘱され、栄誉赫々たるこの国文学者はひよつとするととんでもない策謀家ではあるまいか、そのやうに思へてくる。

  (この項続く)




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プロフィール

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Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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