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■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(5)




   濠の清掃まで買つて出て宮内庁取り込みを図つた地元自治体
    







 
 天皇陵を世界遺産に、といふ話が持ち上がつたのは今から15年以上前にさかのぼる。

 折からの世界遺産ブームに目をつけた当時の堺市長(木原敬介)が、「仁徳天皇陵をなんとか世界遺産にできないものだらうか」と言ひ出したのがそもそもの発端とされる。

 堺市はとりあへず庁内で検討をはじめたが、仁徳陵の管理者である肝心の宮内庁が「御陵は世界遺産になる必要はない」とケンもホロロの態度だつたので、仁徳陵単独での申請は困難と判断された。そこから、百舌鳥・古市に広がる古墳群全体を歴史文化遺産として売り込んでいくといふ方針へと転換がなされるゆく。

 堺市と大阪府を中心とした地元自治体が力を注いだのは、もつぱら宮内庁対策だつた。

 渋る宮内庁をどうすれば取り込めるか?

 世界遺産登録申請に宮内庁が反対さへしてくれなければそれでいい。あとのことは宮内庁の意向をすべて受け入れる。これが地元自治体の対宮内庁基本戦略だつた。

 地元自治体にとつて、天皇陵の史跡もしくは特別史跡の指定などはじめから頭になかつた。地元自治体は、天皇陵を史跡に指定したくてたまらない文化庁にも周到に根回しした。文化庁は世界遺産登録手続きの日本政府窓口でもある。

 それから名称の問題。

 堺市などは、天皇陵が大山古墳などと遺跡名で呼ばれる風潮を宮内庁が憂えてきたことをよくわきまへてゐた。

 世界遺産登録申請にあたつて名称は、仁徳天皇陵古墳、応神天皇陵古墳と、「天皇陵」を公式名としたく思ひます。地元自治体は当初から宮内庁にさう提案してきた。

 さらに地元自治体は、仁徳陵の濠の水質浄化作業を買つて出て、宮内庁の歓心をかふことにこれつとめた。
 
 宮内庁を長年悩ませてきたのが仁徳陵の濠水汚濁だつた。

 かうした地元自治体の攻勢を受けて、宮内庁も徐々に軟化姿勢に転じ、「御陵の静安を尊厳を損ねない範囲で必要な協力をしていきたい」と外部にコメントするまでになつた。

 堺市などが世界遺産の国内暫定リストに百舌鳥・古市古墳群を提案したのは平成19年のこと。その時点で自治体側から「宮内庁の一定の理解がえられた」と説明されたものの、宮内庁の姿勢がもうひとつはつきりしなかつた。それがネックとなつて、国内推薦の落選は三度に及んだ。

 最終的に国内推薦獲得の決め手となつたのが、宮内庁の態度の変化だつた。

 地元自治体は、御陵の世界遺産登録問題で、考古学者などの団体とは一線を画してきた。といふより、考古学者団体などは完全に無視し、ひたすら宮内庁の意を汲むことに注力してきたといつていい。

 宮内庁の敵は天皇陵の発掘させろと主張してきた反日考古学者である。

 「世界遺産登録は陵墓の公開につながるものではありません」と自治体側が宮内庁にささやき続けた。

 宮内庁の担当者がこのささやきに動かされたとしても不思議ではない。

 御陵の世界遺産登録は必ずしもマイナスばかりではないのではないか?

 御陵が世界遺産登録されれば、反日考古学者たちから天皇陵を守ることにもつながるのでは?

 宮内庁が、発掘攻勢への防御手段として、世界遺産登録に意味を見出したとすれば、これほど悲劇的な話はない。

 (この項続く)








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■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(4)



   


   反天皇考古学者らが期待した天皇陵の文化財史跡指定





 
 
 百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録にあたつて、反天皇考古学者らが期待してゐたことに、名称のほかに、天皇陵の文化財の史跡指定がある。

 陵墓は国有財産法の規定により、国有財産たる「皇室用財産」(国において皇室の用に供し、又は供するものと決定したもの)として、皇居、離宮、正倉院などとともに宮内庁の管理下に置かれてゐる。

 宮内庁が陵墓への立ち入りを制限できるのも国有財産法に基づく。

 陵墓を文化財保護法の定める史跡または特別史跡に指定せよと叫び続けてきたのが、反天皇考古学者らである。

 文化財保護法の史跡・特別史跡に指定されれば、文化財として公開を求められる。堂々と天皇陵を発掘できるのだ。なによりも、文化財保護法の所管は文化庁だから、天皇陵が特別史跡に指定されれば、所管は宮内庁から文化庁に移ることになる。

 天皇陵を暴くことに執念を燃やす反天皇考古学者らにとつて、忌々しいのが宮内庁の存在なのだ。

 百舌鳥・古市古墳群に世界文化遺産登録の話が持ち上がつてきた時、反天皇考古学者たちは天皇陵から宮内庁の管理権を奪ふ絶好のチャンスが巡つてきたと喜んだ。

 世界文化遺産といふのは当然公開が原則である。

 「皇室用財産」といふ閉じられた性格のものであつては、世界文化遺産に登録されるわけはない。

「大山古墳」が晴れて世界遺産になるためには必ずやその前に、「大山古墳」に対して文化財保護法の特別史跡指定が行はれるだらう――と反天皇考古学者らは予測した。

 しかしここでもかれらの予測は外れた。

 日本政府は世界文化遺産登録申請にあたつて、仁徳天皇陵をはじめとする天皇陵を特別史跡に指定することはなかつた。すなはち、各天皇陵は「皇室用財産」として申請され、それがそのまま認められたのだ。

 世界文化遺産登録を機に天皇陵から宮内庁の管理権限を奪ふといふ反天皇考古学者らの目論見は崩れた。

 日本政府はなぜ天皇陵の特別史跡指定をスルーしたのか?

 そのへんの背景は、堺市をはじめとする地元自治体の動向と思惑を抜きには語れない。

  (この項続く)






 
■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(3)



  
   反天皇考古学者たちが気に食はない「天皇陵」といふ呼称





 考古学者らの団体が、世界文化遺産に登録された大阪府の百舌鳥・古市古墳群に関して記者会見を開いた。陵墓の公開などとともに、「天皇陵古墳」といふ正式登録名称に異を唱へ、「学術的」な名称も併記せよと求めたのだ。

 「天皇陵を発掘せよ」と戦後一貫して叫び続けてきたのが日本の考古学者たちであつて、かれらは天皇陵といふものに霊的な価値を一切認めない。

 かれらは陵墓が宮内庁によつて管理されてゐることが気にくはない。

 墳丘周辺部の観察などではなく、陵墓の全面発掘がかれらの終局目標である。

 日本の考古学者といふ人種はなぜか反天皇のイデオロギーに凝り固まつてゐる。

 反天皇考古学者たちにとつて、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録は一面で歓迎すべきことだつた。

 ユネスコが世界文化遺産に指定するのは過去の死んだ遺産ばかりだからだ。世界文化遺産とは観光地のシンボルにすぎない。

 百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産に登録されて観光地化すればどうなるか。

 周辺には土産物屋が立ち並び、観光客は陵墓が天皇祭祀の聖地であるなどとは誰も考へないだらう。反皇室考古学者たちが願待したのは天皇陵の俗化にほかならない。

 ある考古学者はいふ。江戸時代には仁徳天皇陵の墳丘は花見の名所だつた。今日においても周辺住民の花見場所として開放されるべきだ―。

 かれらが願望するのは天皇陵のレジャーランド化なのだ。
 
 反天皇考古学者たちにとつて、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録で不満だつたことは、陵墓が、「天皇陵」の名称をもつて正式登録されたことだつた。

 仁徳天皇陵古墳

 反正天皇陵古墳

 履中天皇陵古墳

 仲哀天皇陵古墳

 允恭天皇陵古墳

 応神天皇陵古墳

 天皇陵の治定などいい加減なものだといふ理由で、天皇陵といふ呼称を追放することに血道をあげてきた反天皇考古学者たちにとつて、「天皇陵」といふ名称が国際機関に正式登録されてしまつたことは由々しき事態といへた。

 堺市に存在する日本最大の前方後円墳を反天皇考古学者たちは「仁徳天皇陵」などとは金輪際呼ばない。かれらにとつてあれはあくまで「大山古墳」なのだ。

 今から半世紀近く前、考古学者の森浩一が仁徳天皇陵を「大山古墳」、応神天皇陵を誉田山古墳と遺跡名で呼ぶことを提唱して、呼称変更運動が学者の間に広がり、教科書からは仁徳天皇陵の名称が消え大山古墳へと書き換へが進められてきた。

 反天皇考古学者たちはユネスコの世界遺産委員会が、日本政府が提出した「天皇陵」といふ呼称にクレームをつけてくれることにひそかに期待してゐた。しかし世界遺産委員会は名称にはクレームどころかなんらの関心を示さなかつた。かれらの期待はむなしく外れた。

 (この項続く)
















■不敬極まりない御陵の世界遺産登録(2)




  ●早くも観光公害を引き起こす百舌鳥古墳群のヘリ遊覧飛行





 世界遺産に登録された百舌鳥古墳群で早くも観光公害が起きてゐる。

 堺市では世界遺産登録記念と称して、7月13日~15にヘリによる遊覧飛行が実施されたが、市民から「ヘリの音がうるさい」と騒音を訴へる苦情が50件も市に寄せられたのだとか。

 観光公害を報じた毎日新聞の記事。

《堺市で13~15日に行われたヘリによる百舌鳥(もず)古墳群の遊覧飛行で、市民から騒音を訴える約50件の苦情が市に寄せられたことが分かった。また、離着陸場の許可時間を1時間以上超過して使っていたことも判明し、市は企画運営会社に報告を求めている。

 イベントは京都市の「フリーバード」が企画、3日間で約700人が利用した。計画では午前9時半~午後4時半、堺区の「海とのふれあい広場」を離着陸場に運航することになっていた。

 初日からメールなどで苦情があり、広場の使用を許可した市は業者に飛行コースや高度の変更を要請したが、最終日の15日まで苦情は続いたという。また、15日は許可期限の午後5時を過ぎても運航。業者は「4時間待ちのお客さんもいたから」などと話しているという。市は「市民に迷惑にならないよう運営することが必要。課題を整理し検討していく」としている。》

 堺市は第三者みたいな口ぶりだが、このヘリ遊覧飛行を計画したのはそもそも堺市なのだ。ヘリに試乗し、前人気を煽つたのも堺市長だつた

 世界各国には、遊覧飛行を集客の目玉にする世界遺産も少なからず存在するが、それらの多くは大自然の中の世界自然遺産だ。

 ところが百舌鳥古墳群はといへば、濠の周りには住宅が広がる市街地である。

 そんなところでヘリによる遊覧飛行を行へばどうなるか。

 ヘリの一回の飛行時間は7分程度で、一回の搭乗者は2、3人だから、ヘリは一日平均60―70便もピストン輸送した計算になる。

 百舌鳥古墳群におけるヘリ遊覧飛行の恒常化は、周辺住民による反対運動を引き起こすのは目に見えてゐる。

 天皇御陵は空から眺めるために築造されたものではない。

 天皇御陵を空から遊覧させ、それを商売にしようといふ根性がさもしい。

 ヘリ遊覧飛行に対する反対運動が起きたら、是非ともそれを応援しようではないか。






 



■不敬極まりない御陵の世界遺産登録



  
  地元自治体の観光客誘致に利用される天皇陵





 大阪の「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産への登録が決まり、世界遺産登録発表時の年中行事のやうになつた地元の馬鹿騒ぎが堺市などでも繰り広げられた。

 堺市長は早速ヘリコプター遊覧飛行に試乗し、来年から気球を飛ばして空中遊覧を始めたいと大おはしやぎしてゐる。

 ユネスコが主催する「世界遺産」登録事業は、1990年代から世界各国から登録申請が殺到するやうになり、世界遺産登録は既に1000件を突破してゐる。

 世界遺産などといふもつともらしい名前がついてゐるけれども、世界遺産登録症候群の実態は観光客誘致にあることは周知のことだ。

「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録を推進してきた堺市をはじめとする地元自治体の思惑も当然観光客誘致にあつた。

 しかし、「百舌鳥・古市古墳群」の場合には従来の登録遺産とはまつたく事情が違ふ。

 登録の対象が天皇陵であるからだ。

 御陵は皇室祭祀が現に行はれてゐる聖域である。単なる文化財や遺跡ではないのはもちろん、一般の古墳とも異なる。

 武蔵野墓地に昭和天皇の御陵(武蔵野陵)が在し、祭祀が営まれてゐるが、仁徳天皇陵も応神天皇陵も昭和天皇陵と同じやうに祭祀が営まれてゐるのだ。

 もし武蔵野陵の上空に気球を上げる「昭和天皇陵上空ツアー」なんかを民間企業が計画したら、この会社の社長は右翼からつけねらはれるだらう。

 それなら、仁徳天皇陵の上空に観光用のヘリコプターや気球を飛ばすことも「不敬」ではないのか。
 
 地元自治体は仁徳天皇陵をはじめとする御陵を観光資源としてしか考へてゐない。

「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録による経済波及効果は、堺市で340億円、大阪府で1000億円とする試算もある。

 御陵を管理するのは宮内庁である。堺市でもなければ大阪府でもない。

 宮内庁が異を唱へれば御陵の世界文化遺産登録といふ愚挙はありえなかつた。

 しかし宮内庁はさうしなかつた。

 その背景は甚だ複雑である。

  (この項続く)








■共産党が真の「保守」と言ひ出した小林よしのり

「天皇制廃止」で一致する日本共産党と狂人漫画家





 小林よしのりによると、日本共産党は大和心を重んじる真の「保守」なんださうである。

 これ、共産党への揶揄とか冗談とかではなく、この狂人漫画家が本気で語つてるところが不気味極まりない。


 女系天皇実現に執念を燃やす狂人漫画家は、共産党が女性天皇・女系天皇に賛成したことが嬉しくてたまらないらしい。

《共産党は「女性・女系天皇を認める」そうだから、例えそれが「男女平等」という価値観のみの判断であっても、実は「保守」の精神からしても正しいのである。》
 
 女系天皇にとりつかれたザル(サル?)頭の思考レベルがよく表れてゐる。

《血統の「男系固執」はシナの儒教の影響であって、漢意(からごころ)であり、大和心(やまとごころ)ではない。はからずも共産党は大和心を重んじる真の「保守」精神を選んでいる。》

 「男系固執」はシナの儒教の影響―といふ見え透いたウソを繰り返してやまず、誰やらの受け売りでつぎはぎしたお始末な「男系」論をふりまはして恥じることがない低能児がここにゐる。

 低能児にいはせると、「保守」の権化の如き共産党に比べれば、同じく「女性・女系天皇を認める」政党でも、立憲民主党などは「保守」の名に値しないといふことになる。
 
 《山尾志桜里が「女性・女系天皇、女性宮家を認める」という素晴らしい考えで押し進めてるのに、肝心の枝野幸男は党内の「男系固執派」に遠慮して、山尾案を全面支持していない。この点だけ安倍政権と同じ男尊女卑になっている。「女性・女系は国民の象徴にはなれない」という憲法違反にもなりかねない狂気のイデオロギーを断ち切れない枝野幸男は、なんとも情けない代表だ。》

 男系男子による皇位継承を「狂気のイデオロギー」と呼んではばからない狂人。万世一系の天皇を戴いてきた日本は「狂気のイデオロギー」に染まつた国なのだ。

《今度は投票に行かないが、皇統を守るため、健全な資本主義を守るためなら、共産党に投票するのが正解だとは思っている。》

 皇統を守るために共産党に投票するのが正解だと!

 あきれるばかりの単細胞馬鹿。

 馬鹿につける薬はない。

 世に狂人サヨクは多けれど、「皇統を守るために共産党に投票しませう」なんて放言した狂人サヨクははじめてだ。

 共産党は「天皇制廃止」のスローガンを綱領から外したけれども、共産党の終局目標が「天皇制の廃止」にあることに変はりはない。

 日本共産党と狂人漫画家は「天皇制の廃止」で一致してゐる。

 日本共産党よ、どうかもつと「女系天皇」を賛美してほしい。

 さうすれば、保守の顔をして皇室廃絶を企む狂人どもの正体が共産党と変はらないことに国民も気づくであらうから。

 共産党なんてどうでもいい。

 私のターゲットは「保守の顔をした皇室廃絶を企む狂人ども」にある。


















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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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