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■危機に瀕する大嘗祭




  
  大嘗宮造営で伝統破壊の暴挙を強行する宮内庁
  悠紀殿・主基殿の茅葺き化を拒否


 十一月に執り行はれる大嘗祭において、大嘗宮の主要三殿の仕様が茅葺きから板葺きに改変された問題に関し、宮内庁の山本信一郎長官は9月12日日の定例記者会見で、「新しい工程を追加する余裕はない。遅れは許されない」と茅葺きに変更する考へはないことを明らかにした。

 大嘗宮の主要三殿(悠紀殿・主基殿及び廻立殿)の屋根仕様が板葺きとされることについては、千三百年に及ぶ大嘗祭の伝統を破壊する暴挙といふ声が国民各界から噴出、茅葺き化への請願などが官邸・宮内庁に殺到してゐるが、これらの反対論を一顧だにせず伝統無視の大嘗祭を強行する宮内庁の姿勢がはつきりしたといへる。

 大嘗宮の仕様問題について、情理を尽くした論考を改めて掲げておきたい。

大嘗宮の行方 
都立小岩高校主幹教諭・國學院大學兼任講師 中澤伸弘氏


大嘗祭は茅葺きで
筑波大学名誉教授・日本茅葺き文化協会代表理事 安藤邦廣氏


板葺ではなく茅葺を~大嘗祭を古式で営む象徴行為としての屋根
九州大学大学院教授 藤原惠洋氏


 大嘗宮の造営計画は一切変更しないといふ宮内庁の頑な姿勢の裏には、秋篠宮皇嗣殿下の昨年11月の会見における次のやうな発言が影を落としてゐると思はれる。

 御代替はりについて記者から問はれた秋篠宮はかう答へられた。

《具体的にもし言うのであれば,例えば,即位の礼は,これは国事行為で行われるわけです,その一連のものは。ただ、大嘗祭については,これは皇室の行事として行われるものですし,ある意味の宗教色が強いものになります。私はその宗教色が強いものについて,それを国費で賄うことが適当かどうか、これは平成のときの大嘗祭のときにもそうするべきではないという立場だったわけですけれども,その頃はうんと若かったですし、多少意見を言ったぐらいですけれども。今回も結局,そのときを踏襲することになったわけですね。もうそれは決まっているわけです。
 ただ、私として、やはりこのすっきりしない感じというのは,今でも持っています。整理の仕方としては,一つの代で一度きりのものであり、大切な儀式ということから、もちろん国もそれについての関心があり、公的性格が強い,ゆえに国の国費で賄うということだと。平成のときの整理はそうだったわけですね。ただ、今回もそうなわけですけれども、宗教行事と憲法との関係はどうなのかというときに、それは、私はやはり内廷会計で行うべきだと思っています。今でも。ただ、それをするためには相当な費用が掛かりますけれども。大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。ただ、そのできる範囲で、言ってみれば身の丈にあった儀式にすれば。少なくとも皇室の行事と言っていますし。そういう形で行うのが本来の姿ではないかなと思いますし、そのことは宮内庁長官などにはかなり私も言っているんですね。ただ,残念ながらそこを考えること,言ってみれば話を聞く耳を持たなかった。そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています。》
 
 大嘗祭が「宗教色」が強いが故に国費で賄ふことが適当ではないといふ認識の錯誤について、私は今更蝶蝶する気はない。

 しかし、「宮内庁長官などにはかなり私も言つている」が、「話を聞く耳を持たなかつた」といふ秋篠宮の言葉は、宮内庁幹部を震撼させた。

 秋篠宮発言に対して宮内庁はどのやうに反応したか?

 大嘗祭の造営費用の大幅節減といふ形で、秋篠宮の意見を反映させたのである。そして費用節減の象徴とされたのが、主要三殿の板葺き化だつた。

 つまり、宮内庁は大嘗祭の問題について、秋篠宮の意見に「聞く耳」を持つたといふことなる。

 秋篠宮の意見に「聞く耳」を持つた宮内庁は、「大嘗祭の伝統を破壊する暴挙」といふ国民の心ある声にはまつたく「聞く耳」を持たないといふ次第になつたのだ。

「大嘗祭の伝統を破壊する暴挙」の淵源が皇室内部にあるとすれば、これは想像するだに禍々しい事態と言はねばならない。







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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト・評論家。皇室問題やフェミニズム問題に取り組む。三島由紀夫研究家。國語問題研究家。


フェミニズム論の著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

皇室関連の著作としては『天皇を喰ひ物にした侍従長』『天皇と宮内庁の「背信」』など。

執筆には正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を使用、当ブログも正仮名遣ひを用ゐる。

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