―民法大改悪で早速おつ始まつた法律婚解体闘争―



 
 《対外受精 事実婚でも》といふ見出しで読売新聞が朝刊の一面トップで報じたのが以下の記事。

    *************

 不妊治療で広く行われる体外受精について、産婦人科医らで作る日本産科婦人科学会(日産婦)は、「結婚した夫婦に限る」としていた条件を外し、対象を事実婚カップルに広げる方針を固めた。

 昨年12月の民法改正で、結婚していない男女間に生まれた子(婚外子)に対する法律上の差別が撤廃されたことが理由だ。国も不妊治療の公費助成の対象を事実婚カップルに拡大することを検討する。

 対象拡大は、すでに日産婦理事会での了承を得ており、6月の総会で決定する。

 日産婦は、体外受精や受精卵の母胎への移植について「会告」の形で医師が守る自主ルールを策定。体外受精を結婚した夫婦に限定した規定は、国内で初の体外受精児が生まれた1983年に定めた。民法は、婚外子の遺産相続分について、結婚した夫婦の子どもである嫡出子の半分と規定していたため、生まれてくる婚外子の不利益に配慮した。

 しかし最高裁は昨年9月、家族形態の多様化や国民の意識の変化などを踏まえ、民法の規定を違憲と判断。これを受け、婚外子への遺産相続分を嫡出子と平等にする改正民法が、同年12月に国会で成立し、体外受精の対象を区別する必要性がなくなった。


   *************

 早速おつ始まつた、といふ感じである。平成の民法大改悪を待ちに待つてゐた連中の法律婚解体闘争。

 平成の民法大改悪によつて、民法から法律婚と非法律婚(事実婚、同棲)とを分かつ規定が消滅した。で、早速、日本産科婦人科学会なる団体が、「結婚した夫婦に限る」としてゐた体外受精を、事実婚カップルにも認めませうといふのが記事の内容。

 この記事の中には、明らかなウソがあるんだよね。

《民法は、婚外子の遺産相続分について、結婚した夫婦の子どもである嫡出子の半分と規定していたため、生まれてくる婚外子の不利益に配慮した。》

 《生まれてくる婚外子の不利益に配慮した》なんて笑はせるなよ。日産婦が体外受精を「事実婚」カップルに認めてこなかつたのは、事実婚を助長させるのかといふ批判を怖れて自粛してきた。ただそれだけの話。つまり、自粛の根拠は事実婚のお先棒担ぎ批判。

 今回の方針変更を、民法第九百条改悪問題と結びつけるために、最もらしい理由を考へついたんだらうな。

 フェミ一色のこの記事、もう少し紹介しようか。

《国も、子どもが欲しいカップルへの支援の拡大を目指す。厚生労働省は、法律上の夫婦に限定している体外受精などの公費助成を会告が変更されれば対象の見直しを検討する」(母子保健課)としている。》

 内閣府と並ぶ政府部内フェミ勢力の牙城が厚生労働省で、「事実婚」カップルへの「支援」をしたくてしたくてたまらかつた官庁だから、いち早く「事実婚」カップル「支援」を表明したといふ次第。

 厚生労働省が「事実婚」カップル「支援」を始めるとどのやうなことが起きるか。他の官庁も法律婚に限定してゐる支援を「事実婚」に拡大してゆくはずだ。一方で、税制面などの控除も「事実婚」にも認めるやうになるだらう。

 法律婚と「事実婚」への待遇の同等化が進めば、法律婚が有名無実化することは避けられない。法律婚はなし崩し的に解体してゆく・・・。民法改悪法案にホイホイ賛成してしまつた自民党の「ボクちゃん」たち。政府部内のフェミ勢力が考へてゐること、分かる? 妾の子の相続分が本妻の子の半分なのは可愛さうなんて話ぢやないんだよ。



スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック URL
トラックバック
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ