■小保方晴子さんへの手紙(第十信)

 「想定内」で終了した小保方さんの記者会見



 冠省

 本日の記者会見、テレビで拝見しました。

 入院されてゐるとのことで御体調を案じてをりましたが、お元気な様子何よりでした。心なしかほんの少し面やつれしたやうにお見受けしましたが、それが却つてあなたの美しさを引き立たせてゐるやうにも感じられました。

 それから、お召しになつてゐた紺のワンピース。ヴィヴィアン・ウエストウッドかどうか知りませんが、何ともあの場にふさはしい御選択で、あなたのファッショセンスに改めて感服した次第です。

 さて、あなたの記者会見に対する私の感想はといへば、「想定内」と答へるしかありません。

 おそらく小保方さん及び弁護団の人たちも、今日の記者会見での質疑はすべて「想定内」におさまつたと感じてゐると思料します。
 
 なるほど、STAP細胞実験200回成功とか、調査委に提出したのとは別の実験ノートの存在とか、インデペンデントの実験成功事例とか、目新しい事実のいくつかがあなたの口から明らかにされましたが、それらもすべて「想定内」、と言ふか、あらかじめ用意されたものだつたはずです。 

 記者からの質問もすべて「想定内」。「想定内」の質問に対して、「想定外」の回答がありるうるはずもない。弁護団の懸念は、「想定外」の質問が出た時に、あなたが取り乱して、「想定外」のことを口走つてしまふことだつたでせう。一度、興奮した質問者が何ごとか喚きかけましたが、弁護士がさへぎつて、その場面も事なきを得ました。

 弁護団にとつて記者会見が「想定内」のものにおさまつた、といふことは、今回の記者会見作戦が取り敢ず成功したことを意味するかもしれません。

 あなたの口から「申し訳ありません」といふ言葉が十数回発せられましたが、そのお言葉とは裏腹に、私が感じ取つたのは、捏造・改竄とされた2項目についての反論は死守するといふあなたの強固な意志のやうなものです。

 あなたの御発言には、矛盾やら齟齬やらが至るところに発見されますが、今のあなたには、その矛盾やら齟齬やらをいくら指摘されても、おそらく怖くもなんともない。

 肝心の理研が小保方方式による再現実験を放棄した上、理研自体に小保方さんの矛盾やら齟齬やらを追及する意欲を完全に喪失してゐるのですから。理研の今後の調査も、不服申立書の2件に限定せざるをえない。緊張場面が続く中でも、あたなたの口がつい軽くなつてゆく次第がよくみてとれました。会見中継を見てゐた理研幹部の苦々しげな顔が目に浮かぶやうです。
  
 ところで、STAP細胞実験200回成功の御発言。私はあれをあなたの御愛嬌と受けとめました。3回成功したと言つたら、その3回分のデータを示せといはれる。「でも、もし200回成功したつて言つたら、その200回分のデータを全部示せなんて誰も言ふわけないよね。よし、200回成功したつて言つてやらう。ウフフ」なんて。

 そんなことを空想しつつ、テレビのニュースを眺めてゐたら、どこやらのエラい先生が「100回成功したなら、100回分の実験ノートがなければならない」と難しい顔つきで力説してゐたので、思はず吹き出してしまひました。小保方さんも人が悪いですね。そのへんの科学者よりあなたの方が一枚上手です。呵々。

 本日の会見、お疲れ様でした。

 緊張感から急に解放されて、この数か月の疲労がどつと出て、本当に寝込むことになつたら大変ですから、どうぞ病院でゆつくり静養なさつて下さい。
 
                             怱々

 平成二十六年四月九日
                         千葉展正


小保方晴子様

                                 







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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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