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■安倍自民党、教育政策の最優先課題は小学校低学年までの英語必修化


 2年前の衆議院選挙の時には自民党の公約に掲げられてゐた「日本の歴史と伝統の尊重」といふ文言が、今衆議院選挙の自民党の公約から消えてしまつたのはなぜか?

 今回の自民党公約の最大の特徴といへば、教育政策の大幅格下げといふことになる。

 2年前の自民党公約では、教育政策は「経済再生」の次ぐ2番目のテーマとして「教育再生」の大項目が立てられてゐたのに、今回の公約では「経済再生・財政再建」「地方創生・女性活躍推進」のあとの「暮らしの安全・安心、教育再生」といふ項目中の一コマに格下げされ、<出産・子育てを応援する社会を>だの<教暮らしの安全を>だの<地球環境への貢献を>だのと同列で、<教育再生の実行とスポーツの振興を〉といふ小項目が立てられてゐるにすぎない。

 教育政策の大幅格下げもさることながら、問題なのはその内容だ。

 下に掲げたのが<教育再生の実行とスポーツの振興を>の全文である


<教育再生の実行とスポーツの振興を>

●教育投資の充実を図り、家庭の経済状況や発達の状況等にかかわらず、子供等が質の高い教育を受けることができる社会の実現を目指します。
●希望する全ての子供に幼児教育の機会を保障するため、財源を確保しつつ、幼児教育の無償化に取り組みます。

●学習指導要領の改訂に着手し、小学校英語教育の早期化、高校の日本史必修化、特別の教科「道徳」、新科目「公共」の設置、日本の領土に関する記述を充実させるとともに、新しい教科書検定基準に基づく教科書検定を進めます。

●教員と多様な専門性を持つ地域のスタッフが一体となって学校改革を進める「チーム学校」づくりを進めるため、教育現場の体制の充実を図り、開かれた学校を核として地域力を強化します。
教育行政の責任体制の明確化等を行い、いじめ問題に的確に対応できる体制を整えるとともに、道徳を「特別の教科」として位置づけ、道徳教育を充実します。

●小中高を通じた英語教育の強化、「スーパーグローバルハイスクール」や「スーパーグローバル大学」の整備、国際バカロレア認定校の大幅増を進めます。

●自治体との連携強化等による土曜日の教育活動の充実・推進を図り、小中高あわせて1万2千校での実施を目指します。
一体型の放課後児童クラブと放課後子供教室を1万ヶ所整備する等、「放課後子ども総合プラン」を着実に推進します。

●幼児教育の無償化、高校生等奨学給付金、経済的に修学困難な専門学校生への支援、大学等奨学金事業の充実等、子供の貧困対策を、財源を確保しつつ推進します。

●学校においてタブレットPCや電子黒板、無線LAN等のICT環境の整備を進めるとともに、情報モラル教育や離島・過疎地での遠隔教育を推進します。
●小中一貫教育や高校の早期卒業の制度化、フリースクール等多様な教育機会の確保と支援方策の充実、夜間中学の設置促進等、教育制度の柔軟化を図ります。

●地方創生と人口減少化対策に資するため、国立大学運営費交付金や私学助成等により、三大都市圏への大学生の一極集中を是正し、地域の発展に係る積極的な取組みを支援します。

●国立大学運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成等を安定的に確保し、改革を進める大学及び高等専門学校を重点的に支援します。

●「専門実践教育訓練」の指定対象の拡大を図るとともに、産業界のニーズを踏まえた実践的な教育プログラムを提供する大学・専修学校等を支援します。

●大学奨学金事業における「有利子から無利子へ」の流れを加速し、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得連動返還型奨学金制度」の導入を図ります。

●高等学校基礎学力テスト(仮称)や大学入学希望者学力評価テスト(仮称)等、高等学校教育、大学教育等を接続する大学入学者選抜を抜本的・一体的に改革します。

●大学等における保育環境の整備、研究と出産・育児・介護等との両立や研究力の向上に向けた女性研究者の支援を図ります。

●障害のある子供たちのため、教職員の専門性向上、通級による指導の充実、拡大教科書等の普及・充実、学校施設のバリアフリー化等の必要な教育条件を整備します。

●官民の協働による留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」により、日本人留学生の海外留学や外国人留学生の受け入れを2020年までに倍増します。

●競技力の向上を進めるとともに、スポーツ庁の創設等により、スポーツを通じた健康増進や地域活性化を推進し「スポーツ立国」を実現します。》

 冒頭にでてくる次の文章が自民党教育政策の総論にあたるものらしい。

《教育投資の充実を図り、家庭の経済状況や発達の状況等にかかわらず、子供等が質の高い教育を受けることができる社会の実現を目指します。》

 内容空疎の見本みたいな文章で、こんなあたりさはりのない教育公約なら、民主党の公約でも共産党の公約でも通用しさうである。
 
 2年前の衆院選で、《日本の将来を担う子供たちは、国の一番の宝です。自民党は、世界トップレベルの学力、規範意識、そして歴史や文化を尊重する態度を育むために「教育再生」を実行します》と高らかに宣言した自民党公約との落差は尋常ではない。

 自民党は教育政策を根本的に変更したのだらうか?

 さう思つて、公約を仔細に読むと、旧来からの自民党らしさを残した文言がチョロつと出てくる。《高校の日本史必修化、特別の教科「道徳」、新科目「公共」の設置、日本の領土に関する記述を充実させるとともに、新しい教科書検定基準に基づく教科書検定を進めます》といふのがそれだ(3項目)。

 愚民保守ならこの部分だけ読んで、「やつぱり自民党は保守精神を忘れてゐなかつたんだ」と喜ぶかもしれない。
 
 冗談ぢやない。だからお前たちはアホなのだ。
 
 よく読んでみよ。このくだりの前に出てくる文言を。

 《小学校英語教育の早期化》とあるではないか。

 そして英語教育については、次のやうにブレイクダウンして説明されるのだ。

《小中高を通じた英語教育の強化、「スーパーグローバルハイスクール」や「スーパーグローバル大学」の整備、国際バカロレア認定校の大幅増を進めます。》

 この自民党教育公約の正しい読み方、それは、安倍自民党は小学校低学年までの英語必修化を教育政策の最優先課題とすると読むのだ。

 (この項続く)


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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