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■フェミニズム路線に突き進む自民党公約


 昨年来の安倍首相の内外フェミニストたちへの接近ぶりはほとんど異常といつていい。

 ダボス会議では「日本は女性に輝く機会を与へなくてはならない」と叫び、ヒラリー・クリントンと会つては、働く女性の増加の経済効果について意見の一致をみたと喜び、女性の駐日大使ばかり集めた会合では「安倍内閣はこんなに女性の社会進出に取り組んでゐる」と胸を張り、女性編集者ばかり集めた会合まで開いて、「みなさんのやうに働く女性を増やすことが安倍内閣の指名」と猫なで声でアピールした。ちなみに、これまで歴代首相の中で、女性の駐日大使ばかり集めた会合を開催した首相なんて一人もゐやしない。

 安倍首相のフェミズム勢力への異常接近ぶりは、今回の衆院選の自民党公約にも非常に忠実に反映されてゐる。自民党公約の中で、女性に関する
政策は巨大なスペースを占め、おびただしい女性政策が詰め込まれてゐる。次に載せたのがそれだ。

  *******

【Ⅱ.地方創生・女性活躍推進】

<すべての女性が輝く社会の実現を>

●女性が、各々の希望に応じ、家庭や地域、職場においても、個性と能力を十分に発揮できる「すべての女性が輝く社会」の実現を目指します。「社会のあらゆる分野で、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標の確実な実現に全力を挙げます。
●政治の場への女性の更なる参加を促進します。
●働く女性、働きたいとの希望を持っている女性の職業生活における活躍を促進させる「女性活躍推進法」を成立させます。
●働き方に中立的な税制・社会保障制度等について、総合的に検討します。
●女性が希望する就業形態を確保するための手段として、テレワークを普及促進させる取組みを加速します。
●女性研究者・技術者が出産・子育て・介護等と仕事の両立ができるような働きやすい環境づくりを進めるとともに、研究機関等における女性研究者等の採用・登用等の活躍を促進します。
●「女性のチャレンジ応援プラン」を策定し、家事・子育て等の経験を活かした再就職の支援等を行うとともに、「働く女性の処遇改善プラン」を策定し、非正規社員の処遇改善や正社員化を支援します。
●「女性の健康の包括的支援に関する法律」の成立を目指します。
●地域の実情に応じた、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目のない支援」を推進するため、自治体による取組みを応援します。
●結婚や子育てを後押しするための新たな経済的支援制度を創設します。
●特定不妊治療に要する費用の助成、周産期医療情報ネットワークの整備・充実、産科医・小児科医の負担軽減策の充実等出産環境の整備を図ります。
●安心して子育てに取り組めるよう、自治体によるワンストップの子育て支援拠点(日本版ネウボラ)の導入を支援します。
●子育て家庭、働く母親の負担軽減のため、ベビーシッター費用や家事費用の支援策の導入を図ります。
●子育て負担の軽減を図るため、財源確保とあわせて、子供3人以上の多子世帯に対する子育て負担軽減策を検討します。
●「待機児童解消加速プラン」を展開し、保育需要のピークを迎える平成29年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保し、待機児童解消を目指します。
●全ての子育て家庭を支援する「子ども・子育て支援新制度」は、必要な予算を確保した上で、来年4月から着実かつ円滑に実施します。
●1兆円超程度の財源を確保し、「子ども・子育て支援新制度」に基づく子育て支援の量的拡充(待機児童解消に向けた受け皿の拡充等)及び質の改善(職員配置や職員給与の改善等)を図ります。
●就学後の子供の預け先が見つからず、離職を余儀なくされる「小1の壁」打破のための「放課後子ども総合プラン」(平成31年度末までに約30万人分の受け皿拡大等)を着実に実施します。
●高齢者世代が若い世代の子育て支援を行うための環境整備に向け、イクジイ・イクバア支援を行うとともに、三世代同居世帯への支援策を講じます。
●仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組む企業に対し、育児休業者の代替要員確保のための助成等のインセンティブを与え、企業風土の改革を目指します。
●女性アスリートを育成・支援するプロジェクトを推進します。女性アスリートの海外派遣や資格取得、妊娠・出産・育児をサポートします。
●女性の視点、生活者の視点からの防災・復興の取組みを推進します。
●国際協力に係る企業やNGOの活動において、女性の活躍に注目し、官民連携を強化します。
●国際機関等で活躍する女性職員への支援を一層強化し、その地位向上に努め、帰国後の職場環境の整備を進めます。

 *********

 何も知らない人にこれを見せたら、「なにコレ? どこのフェミニズム団体のパンフレット?」と言はれてしまふだらう。

 2年前の衆院選の時の自民党公約と読み比べてみると、今回の公約の異常ぶりが鮮明になる。前回衆院選公約では女性に関する項目は特段設けられてゐなかつた。女性に関する政策は《社会保障》の中で、「少子化・若者対策」のタイトルで次のやうに記述されてゐた。

 *************

〈少子化・若者対策〉
●「若者支援」「結婚」「出産」「子育て(教育)」を通じて家族を幅広く支え、子育てを幸せと実感できる「家族支援政策」を積極的に進めます。
●少子化問題克服のための、抜本的な意識改革や、仕事と家庭の両立支援など環境整備を促進します。
●待機児童解消のため、処遇改善などによる保育士の確保をはじめ、即効性のある対策と講じます。また、現行保育制度を基本に、量・質両面の充実を図るとともに、ゼロ歳児に親が寄り添って育てることのできる環境の整備を進めます。
●年少扶養控除を復活させます。

 *************

 簡潔といふか、あつさりといふか、とりあへず女性政策も公約の中に入れておきましたといふ感じで、当時の安倍さんの女性政策に対する関心の度合はこの程度のものだつたのだ。いや、この短い記述の中にも、「家族を幅広く支え」とか、「ゼロ歳児に親が寄り添って育てることのできる」などといふ表現に、ジェンダーフリー教育に反対してゐた頃に安倍さんが表明してゐた家族観さへうかがはれる。

「家族を大事にしませう」なんて言つてた人が、一体いつからヒラリー・クリントンになつてしまつたのか? 福島瑞穂化してしまつたのか?
 
 福島瑞穂はいまだに夫婦別姓導入などにシャカリキになつてゐるから、「安倍さんを福島瑞穂化なんてヒドい」と怒る人がゐるかもしれない。いや、ヒドくないのである。

 なぜなら、安倍首相がこれからやらうとしてゐる「女性政策」なるものは、夫婦別姓制度の導入と同じくらゐ危険極まりないことなのだから。安倍首相がこれからやらうとしてゐること―それを専業主婦殲滅構想と呼ぶ。


(この項続く)


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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