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●「戦後70年談話」などやめてしまへ(5)

 靖国参拝と引き換へに「植民地支配・侵略」発言を乱発した小泉純一郎



 我が国の歴代首相の中で在任中に、「日本の植民地支配と侵略」といふ談話を最も多く発したのは誰か?

 村山富市か? 違ふ。細川護熙か? 違ふ。鳩山由紀夫か? 違ふ。菅直人か? 違ふ。答へは、小泉純一郎。

 中国韓国からの圧力にもめげず、首相在任中に5回も靖国神社に参拝した気骨あるナショナリスト―これが頭の不自由な愚民保守たちが小泉純一郎に対していまだに抱いてゐるイメージ。

 この一見ナショナリスト風、一見国士風政治家が首相首相在任中、どれほど「日本の植民地支配と侵略」といふ言葉を乱発したか、そして「日本の植民地支配と侵略」史観を世界中に喧伝することにどれほどの貢献をしたか、愚民保守たちはまるで知らないし、知ろうともしない。 

 たしかに村山も細川も鳩山も首相在任中に植民地支配・侵略談話を発してゐる。しかし、村山の場合は首相在任期間が一年半、細川や鳩山に至つてはわずか9か月余りなので、彼らにとつては侵略発言をしたくても残念ながらそのチャンスは少なかった。

 そこへゆくと、小泉は首相在任期間が5年。この間に出した植民地支配・侵略発言・談話は数知れず。世界各国への波及効果は村山や細川ら短命総理の比ではない。

 小泉がなぜ、植民地支配・侵略発言を乱発したか? それは小泉の靖国神社参拝と大いに関係がある。

 8月15日の靖国神社参拝を公約に掲げて自民党総裁選を勝利した小泉は平成13年4月、首相に就任。ところが、はじめて迎へる8月15日を前に中国の顔色を窺つて右往左往し、結局、2日前倒しして8月13日に靖国神社を参拝した。そして、靖国参拝に際して小泉首相が出した談話がこれ。

 《この大戦で、日本は、わが国民を含め世界の多くの人々に対して、大きな惨禍をもたらしました。とりわけ、アジア近隣諸国に対しては、過去の一時期、誤った国策にもとづく植民地支配と侵略を行い、計り知れぬ惨害と苦痛を強いたのです。》

 靖国参拝に対する中国の反発を和らげるために、中国に差し出した詫び証文、それがこの植民地支配・侵略談話だ。自分は公約があるから靖国神社に参拝するけれど、そんなに怒らないでよ、この通り、日本の植民地支配と侵略は認めてるぢやないか。

 つまり、小泉の靖国参拝と「日本の植民地支配と侵略」談話はセットになつてゐるのだ。

 小泉の靖国参拝は、愚民保守向けのパフォーマンスである。郵政解散がB層向けのパフォーマンスなら、靖国参拝はB層より低能レベルの愚民層向けパフォーマンスといへようか。小泉は靖国神社を参拝することの愚民層向け効果を実によく知つてゐた。だから、中国の機嫌を損ねないやうに参拝日をいつにしようか右往左往しながらも、毎年靖国への参拝を続けた。靖国参拝を続けるために、犠牲に供したのが戦争史観だ。靖国参拝に参拝するたびに小泉は植民地支配侵略発言を繰り返すことになる。

 日本国内の愚民保守向けに靖国参拝パフォーマンスを見せつつ、中国には謝罪の限りを尽くす。これが小泉政権の基本スタンスだつた。小泉は靖国参拝以外では、外務省のチャイナスクールのいいなりだつた。そのいい例が、靖国参拝から二か月後に訪中した小泉首相の中国人民抗日戦争記念館訪問だらう。記念館訪問後、小泉首相は語つた。

《今日こうしてこの記念館も拝見させていただきまして、改めて戦争の悲惨さを痛感しました。侵略によって犠牲になった中国の人々に対し心からのお詫びと哀悼の気持ちをもって、いろいろな展示を見させていただきました。》

 日本悪玉史観の総本山を訪問して、「拝見させていただきまして」なんて言葉に、中国に対するへりくだつた姿勢が象徴的にあらはれてゐる。おまけにここでも、「侵略」のリップサービス。中国と外務省チャイナスクールの書いたシナリオ通りに行動することに何の疑問も抱いてゐない。愚民保守たちはなんでこんな男を国賊!と呼ばなかつたのか不思議でならない。


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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