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●安倍談話が「評価」された理由を隠蔽する御用新聞
 空恐ろしい侵略史観の大政翼賛会化


 安倍首相は戦後70年談話を支持率低下に歯止めをかけるのに利用し、侵略史観に急転換を図つたといふ私の分析を裏付けてくれるかのやうに、産経新聞と読売新聞は早速18日付けの朝刊で、安倍談話に関する世論調査結果を掲げた。産経などは、70年談話「評価」57%、内閣支持率上昇43%と、安倍首相の目論みが成功したことを嬉しさうに報じ、安倍御用新聞の名に恥じぬ忠犬ぶりを示してゐる。

 もつとも産経新聞も、上昇率3・8ポイント程度であんまりはしやぐのはどうかと考へたのか、はたまた自虐談話に踏み込んだしてはこの数字は物足りないと判断したのか知らないが、一面ではなく二面での扱いになつてゐる。

 片や読売新聞は、一面に70年談話「評価」48%といふ見出しを大書。しかし見出しでは内閣支持率には触れず、本文で、「支持率は45%で前回調査の43%のほぼ横ばいだった」と書く。なるほど2ポイントの上昇では、「上昇」と見出しにとるのは気がひけるだらう。

 読売の世論調査は、安倍談話を「評価」した理由が村山談話化にあることが露見しないやう設問に周到な工作が施され、設問からは「侵略」と「植民地支配」の文言が外されてゐる。

 「戦後レジームからの脱却」なんて言つてゐた総理大臣が政権延命の窮余策としてなりふりかまはず侵略史観派に鞍替へして、東京裁判史観にかうべをたれる。そしてアメリカと中韓のご機嫌をうかがふ。御用ジャーナリズムや御用学者らはその姿勢を批判するどころか、こぞつて侵略談話を歓迎し、「バランスのとれた談話」と賞賛する。御用学者用語では、自虐史観批判派が自虐史観派に転向することを「バランスがとれた」と表現される。白を黒と言ひくるめことにたけた御用ジャーナリズムと御用学者の習性は、朝日新聞とそれにつらなるサヨク学者の習性と異なるところはない。低級ジャーナリズムの習性なんて右も左も同じなのだ。

 安倍首相は談話の発表会見で、侵略史観に彩られた21世紀構想懇談会の報告書を「歴史の声」などと利いた風なセリフを吐いて、自分の侵略史観を正当化した。今、御用ジャーナリズムと御用学者たちは、懇談会報告書に「侵略」を盛り込むことに反対した人物(ひとりは中西輝政氏らしい)を、その良心をたたへるどころか、場違ひなことをしでかした道化でもあるかのやうに、うさんくさい目つきでながめてゐる。我が国に侵略史観の大政翼賛会化とも呼ぶべき恐ろしい事態が進行しつつあることはもはや疑ひもない。



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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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