■夫婦別姓のカラクリ(2)

 習近平の妻の名はなぜ彭麗媛なのか?




 中国国家主席、習近平の妻の名を彭麗媛といふ。

 歴代の中国国家指導者の妻たちの名前をみてみると、

 毛沢東の妻 江青(幼少時は李淑蒙、李進、李雲鶴、女優の時は藍蘋と名乗つてゐた) 
 周恩来の妻 鄧穎超
 鄧小平の妻 卓琳
 江沢民の妻 王冶坪

 こんな例をあげるまでもなく、中国が夫婦別姓の国であることはよく知られてゐるが、これをもつて夫婦別姓狂のフェミストたちは、「中国では結婚後も自分の姓名を使ふ権利が認められてゐるのです」などと奇想天外の戯言を振り撒いてゐる。

 その結果、共産中国の夫婦別姓が世界で最も進歩的な姓氏制度であると思ひ込まされてゐるのが日本の無知なバカ女たちといふわけで、この程度のウソも簡単に通用してしまふ今の幼児化社会日本は本当に恐ろしい。

 マンガとアニメしか見たことのない日本の女たちも、中国の夫婦別姓が男尊女卑思想の産物であることくらゐは常識として知つておいたほうがいい。

 伝統的に中国は世界にも冠たる男系承継社会である。男系を重んじる家族制度を維持するために生み出されたのが「同姓不婚」といふ慣習だ。

 同一祖先をもつ集団(宗族といふ)を承継していくためには、よそから入り込む異物を区別しなければならない。嫁は宗族に参入してくる異物であるから、異物には宗族の姓を名乗らせない。すなはち「同姓不婚」といふわけである。

 夫の姓が李なら、子供にも李○、李○○と、父親の姓を名乗らせる。これが中国の伝統であり、今に引き継がれてゐる。

 中国は妾が公認された社会なので、妻の立場は不安定極まりない。妻に子供が生まれなくて、妾との間に子供が生まれた場合は、妾との間にできた子供を夫婦の子供にしてしまふといふことが簡単に行はれる。だから、子供が生まれなかつた妻の立場は哀れなものとなる。妾が生んだ子を自分たち夫婦の子としたところで、この子とは血もつながつてゐない上に、子供とは姓も違ふ。妻と子供を結びつける絆は何もないのだ。

 共産中国には婚姻法といふ法律があつて、「夫婦はおのおの自己の姓名を用ゐる権利を有する」などと、一見男女平等風にうたつてゐるけれど、これは中国社会に根強く残る「同姓不婚」の伝統をオブラートにくるんで表現したものにすぎない。実態は男系継承の再確認である。

 長らく一人つ子政策をとつてきた中国で、一人つ子の99.9パーセントは父親の姓を名乗つてゐるはずである。習近平も自分のひとり娘には習明沢と、もちろん習姓を名乗らせてゐる。こんな中国のどこが男女平等なのか?

 「女性に忍従を強いてきた」といふのが男社会を攻撃するときのフェミストたちの常套句であるが、その言葉は中国に対してこそ向けられるのがふさわしいと思ふ。


 
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック URL
トラックバック
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ