■安倍晋三は売国奴か?(3)

 日韓合意を一番喜んだ日本人は河野洋平である




 日本人の中で、慰安婦問題の日韓合意を一番喜んでゐるのは河野洋平だらう。

 河野洋平は自分の喜びをテレビ番組の中で次のやうに表現した。

《昨年の暮れに突然、合意ができて大変喜んでゐる。両国政府は従軍慰安婦の方々が相当高齢になられ、急がなくちやいけないといこともあつて、決断したんだらうと思つてゐる。よくぞ決断なさつたと素直に敬意を表したい。》

 慰安婦問題に火をつけた放火犯を狂喜させたのが、今回の日韓合意だつたことがよく分かると思ふ。

 慰安婦問題で日本国総理大臣が全面謝罪したことの最大の意味は、慰安婦強制連行をデッチあげた河野談話を免罪したといふことに尽きる。

 日韓合作で巧妙に仕組まれた従軍慰安婦強制連行の虚偽を追及してきた日本人のあらゆる労苦が一瞬にして無に帰したのだ。

 慰安婦問題は日韓合意によつて、「最終的かつ不可逆的に解決された」とは、対韓国にだけ向けられた文言と考へてはならない。この刃は日本国内に対しても向けられるのだ。

 国内的には、「もう慰安婦問題を蒸し返すな」といふ意味になる。

 河野談話を今更蒸し返して追及するな。

 河野談話なんかもうどうでもいいぢやないか。

 日韓合意で慰安婦問題はもう終はつたんだよ。

 といふ話になる。

 河野談話への追及をやめれば、河野談話は固定化される以外にない。そして河野談話とそれを上塗りした日韓合意が永遠に残る。

 安倍首相は国会で野党議員から、朴大統領に伝へた言葉をここで自分の口から述べてほしいと言はれて、この場でまた言つたりしたら最終的かつ不可逆的に解決されたことにはならないとかなんとか逃げて、述べるのを拒否した。

 多分、恥ずかしくて日本国民の前では口に出来なかつたものと推察する。

 韓国大統領への全面謝罪を日本国民に披露するのを拒む一方、安倍首相は「合意については国際社会が評価してゐる」と得意げにまくしたてた。

 だから? それで?

 国際社会は、日本の総理大臣が20万人の性奴隷を強制連行した罪を認めて謝罪した、と拍手喝采したんだらうが。国際社会とは、他国の指導者がペコペコ頭を下げれば喜ぶものだ。それをあたかも自分の外交的手柄のやうに誇示するこの厚顔さとオポチュニズム!

 かくて放火犯河野洋平は天下晴れて無罪放免され、放火犯もこれからは日韓合意の足掛かりをつくつた偉大な政治家として大手を振つて歩くことができる。

 河野洋平を、売国奴といふ「汚名」から救出したのは安倍晋三といふ変節漢であることを忘れてはならない。

 (この項続く)

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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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