■宮内庁長官羽毛田信吾の罪状(その四)

 ◎天皇皇后の火葬問題は奸臣グループのミスリード

 天皇皇后の火葬をめぐるニュースを聞いて、「どうして今ごろ、そんなことを発表するのだらう」と国民はみんな訝しんでゐる。天皇陛下は心臓手術の後健康を回復されたし、皇后陛下もお元気さうなのに。

 昭和天皇の時も、大正天皇の時も、そして明治天皇の時も、政府は天皇の御生前に大葬問題について大つぴらに話すことを憚かつてきた。当然である。

 明治天皇は政務は流れるがごとく裁決される方であつたが、内大臣が勅裁を得るために差し出した皇室葬儀令を「朕に適用さるる勅令だの」と仰せられて、ついに裁可なさらなかつたといふ。「龍体にかかる凶事の式令なるだけに当局大臣もまた強いて奉請せずしてそのまま今日に及びたる」と当時の新聞が報じたやうに、宮内大臣も遠慮してそのままになってしまひ、結局、新帝(大正天皇)の勅裁を得て皇室葬儀令は公布されたのだ。

 今上天皇は「龍体にかかる凶事」が国民の話題になることを欲してをられるのだらうか? 天皇も火葬にすべきだとか、天皇の火葬場はどこに設けるべきだとか、といふ論議が国民の間に高まることを期待してをられるのだらうか?

 この宮内庁発表を受けて、女系天皇の旗振り役のひとりである小田部雄次はこんなコメントを出してゐる。
 
「葬儀に当たる“大喪の礼”には国家元首をはじめとして、使節、大使など世界164か国の人々が参列したため、警備にも約25億円が割かれました。また棺を“葱華輦(そうかれん)”という巨大な輿(こし)で運び、東京・八王子市に約30億円をかけて造られた武蔵野陵に埋葬されました。結果、葬儀に使われた費用は約100億円と莫大なものとなったんです」

 天皇の葬儀になんと100億円も使はれたんですよと騒いでゐる。ではこの御仁は、天皇の葬儀に費やされる金額がいくらだと満足するのか?1億円か? 1000万円か? 

 女系天皇の広告塔と化した小林よしのりなども、「もう何もかも陛下のご意向のままでいいではないか」と天皇皇后の火葬問題にえらく興奮してゐる。

 なぜか、女系天皇派はひとり残らず、火葬派である。

 羽毛田長官がこのタイミングで天皇の火葬問題を持ち出したのは、女系天皇問題を抜きにしては考へられない。

 皇位継承問題について奸臣グループは今、識者ヒアリングとか称して時間かせぎをしてゐる。かれらは国民の目を皇位継承問題からそらすためにあれこれ画策してきた。反女系天皇派が火葬・土葬問題に乗つてきてくれるのは大歓迎のはずだ。

 宮内庁はもう十年も前から(羽毛田が次長のころだ)大葬・御陵問題について庁内で検討してきた。その過程で、天皇の御意向を確認することがあつたとしても不思議ではない。

 大葬についての「天皇の御意向」を発表するタイミングを奸臣グループは周到に練つてきたと思はれる。

 羽毛田が会見で、皇后との合葬を「視野に入れて検討する」と述べたことに対し、「皇后が陛下とご一緒の方式は遠慮すべきとのお気持ちを持たれてゐる」と風岡次長が訂正会見をせざるをえなくなつたのも、発表が奸臣グループのミスリードによるものであつたことを物語つてゐる。

 羽毛田が述べた、「今後、一年ほどかけて検討したい」といふ言葉に注意されたい。

 一年? 皇位継承問題に関する識者ヒアリングと並行して、大葬御陵問題も検討するつもりらしい。

 奸臣グループが大葬御陵問題をもち出したことで、皇位継承問題をめぐる奸臣グループの動きは要注意段階に入つたとみた方がいい。



スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック URL
トラックバック
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ