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■公明党が「改憲勢力」とは嗤はせる



 参院選のマスコミ世論調査で、「改憲勢力が3分の2うかがう」だのといふ報道がしきりに流されてゐる。
 
 マスコミが改憲勢力と称する政党はどこかといふに、自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の四党のことらしい。
 
 公明党が「改憲勢力」だとは嗤はせる。
 
 第一、公明党の党綱領には、憲法改正に言及した文言はもとより、現行憲法に疑問を呈する類ひの文言は一切存在しない。ひたすら「庶民の党」「民衆の党」をうたひあげる空疎極まりない文書が公明党綱領だ。
 
 党綱領を正直に反映して、今参院選の公明党公約にも、当然のことながら憲法改正への言及などまつたく見当たらない。憲法のケの字も出てこない。
 
 「改憲勢力が3分の2うかがう」だのといふ与太記事を垂れ流すマスコミ各社に借問したい。党綱領にも憲法改正を掲げず、参院選公約に憲法のケの字も出てこない政党が、なんで「改憲勢力」なの?
 
 毎日新聞が6月25日付朝刊に、参院選全候補者アンケートを掲載してゐる。
 
 このアンケートによると、公明党の候補者のうち、憲法第9条改正問題では、改正反対が46%と圧倒的に多く、自衛隊明記はたつたの13%。国防軍創設など無論ゼロ。
 
 自民党が憲法改正のエサとして持ち出した緊急事態条項に至つては、公明党候補者の実に83%が反対してゐて、賛成はわずか4%。これは民進党の反対84%、賛成2%といふ数字とほとんど変はらない。
 
 重ねて問ひたい、なんでこんな政党を「改憲勢力」の中にくくつてしまふのか?
 
 改憲自体には公明党候補者の83%が賛成してゐるが、かれらは第9条抜きの憲法改正派といふより、憲法改正なんて実はやりたくないといふのが彼らの本音だらう。
 
 そもそも公明党自体が、かつては反戦平和を標榜する旧社会党や共産党と同じレベルの護憲政党だつたのだ。それが自民党とくつついて連立を組んだことから、政権与党にしがみつくために、自民党の改憲方針にもお付き合ひせざるをえなくなり、苦し紛れに持ち出したのが加憲といふヌエの如き用語だ。
 
 公明党の本質は昔も今も「護憲」であることは明白である。
 
 「護憲勢力」が「改憲勢力」を装つて改憲ゴッコの輪の中に加はる。参院選後、どんなドタバタ劇が繰り広げられるか見ものである。








 
 


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tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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