■「日韓合意」は第二の「河野談話」だ(5)


  安倍「呆韓」外交を全面支持する安倍「幇間」記者





 日本政府が韓国で財団が設立されるのを待ちかねたやうに、10億円の支払いを急いだ理由は簡単である。慰安婦像の撤去などありえないことが分かつてしまつたからである。

 慰安婦像撤去を10億円拠出の条件にする限り、慰安婦像撤去の可能性など今のところゼロパーセントなのだから、10億円拠出の方も店ざらしの状態が続く。 さうなれば、日韓合意の内容は不履行といふことになり、日韓合意は事実上の破棄となる。日韓合意で韓国が設立した財団は朴政権の任期内に解散する。韓国の次期政権は「日韓合意なんて認めない」と言ひ出すだらう。結局、日本大使館前の慰安婦像だけが残されましたといふ話になる。

 安倍政権にとつて一番恐ろしいのは、日韓合意のボロが出ることだ。「慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決される」と表明した日韓合意が絵空事だつたことが暴露されれば、韓国に騙された日本はまたまた世界に恥をさらしてしまふ。
 
 日韓合意のボロが出る前に、臭いものには蓋とばかりに10億円を拠出し、その理由づけとして持ち出されたのが、「日本はこれで日韓合意の責務を果たしました」といふ言ひ草だ。

 安倍政権の媚韓外交姿勢とその結果は明白なのに、マスコミなどの中にも、こんな安倍媚韓外交を評価してやまない輩が少なからず存在する。
 
 その代表格が産経新聞で論説委員だかをやつてゐる阿比留瑠比だらう。

 日本の10億円拠出がまだ不透明な段階で、
 《韓国を冷静に突き放す10億円》
 《後はどうなろうと「全て韓国側の問題」だ》
といふ見出しで、阿比留はこんな御託を並べてゐる。

《安倍晋三内閣はお人よしの善意に基づいて10億円を拠出しようとしているのではなく、むしろ、冷静に韓国を突き放そうという狙いがあるからこそ、さっさと10億円を韓国側に渡してしまおうとしているのではないか。》

《本当に慰安婦像の撤去・移転が実現すれば歓迎するが、現状の韓国政府の不作為にしても、日本側にとっては当初から半ば織り込み済みのことだろう。それならばこっちは素早く10億円を拠出してしまい、あとは韓国側の合意不履行を責めて、道徳的優位に立った外交を行えばよかろう。》

 さすがに、産経新聞切つての安倍幇間記者だけのことはある。

 日本が先に10億円を拠出
   ↓
 韓国側の合意不履行を責める
   ↓
 道徳的優位に立つた外交を行ふ(※注)

 だと。アホかといひたくなる。あきれるばかりの「呆韓論」。

 韓国といふ国のことをなにも知らない戯言。
 
 韓国にこんなきれい事が通じると思つてゐるナイーヴさ。
 
 「呆韓(バウカン)論」といふ本があつて、呆といふのはあきれるといふ意味で、韓国のあきれるばかりの生態を描いた本なのだが、日本にも「呆韓」に対応するバカは少なくない。

 阿比留某などその典型といへるかもしれない。

 「呆韓」外交に「呆韓」記者。

 「呆韓」記者の方は、単なる「呆韓」ではなくて、安倍「幇間」の要素が交じつてゐるから始末が悪い。

 この程度の韓国認識でよく新聞社の論説委員などつとまるものだと感心してしまふ。いや、この程度の韓国認識だからこそ論説委員がつとまるのかな?

 この安倍幇間記者は河野談話に反対してゐたはずだが、あの悪名高き河野談話が出現するに至つた経過を少しも勉強してゐないらしい。 

(※注)
かつて、慰安婦問題で、《道徳的優位性》といふ言葉を使つた韓国大統領がゐた。慰安婦問題が燃え盛る平成5年(1993年)2月に大統領に就任した金泳三だ。彼は就任直後、慰安婦問題について、「日本政府に物質的補償を要求しない方針であり、補償は来年から韓国政府の予算で行ふ。そのやうにすることで道徳的優位性をもつて新しい日韓関係にアプローチできるだらう」と語つた。日本からカネを受け取らなければ、《道徳的優位性》を保てるといふ理屈だ。

その後の慰安婦問題の推移をみれば、韓国はアジア女性基金を通じて日本からカネを受け取つた後も反日攻勢の手を緩めず、日韓関係においては《道徳的優位性》もへつたくれもない状況にあることは分明だ。

 (この項続く)

 

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック URL
トラックバック
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ