■「日韓合意」は第二の「河野談話」だ(6)


  これだけある「河野談話」と「日韓合意」の類似点




 日本では、慰安婦問題で国を誤らせた元凶は「河野談話」である、といふことになつてゐる。
 
 「河野談話」を批判する人々は次のやうに主張してきた。
 
 慰安婦強制連行をデッチあげた「河野談話」によつて日本は性奴隷犯罪国の汚名をきせられた。

 「河野談話」が存在する限り、性奴隷犯罪国の汚名が晴らされることはない。
 
 「河野談話」を撤回せよ。

 しかし、残念ながら、今となつては、「河野談話」が撤回されても、性奴隷犯罪国といふ日本の汚名が晴らされることはない。
 
 なぜなら、「河野談話」が果たしてきたのと同じ役割をこれからは「日韓合意」が果たすであらうからだ。
 
 私は断言してもよい、「日韓合意」は第二の「河野談話」になる、と。
 
 「日韓合意」と「河野談話」は驚くばかりによく似てゐる。

 思ひつくままに列挙してみようか。

 ①慰安婦問題で日本政府が公式に謝罪し、「お詫び」と「反省」を述べた。

 ②日韓政府間で文言のすり合はせが行はれ、日本政府が慰安婦の強制連行を認めたと受け取られるやうな表現が採用された。
 
 ③日本政府は、韓国側の要求を呑めば、慰安婦問題は最終的に解決されると考へた。

 ④慰安婦問題の最終決着を大義名分にして、日本国民に対して騙し討ち的に事が運ばれた。

 ⑤それをきつかけに、韓国における慰安婦運動はますます激化した。

 「河野談話」と「日韓合意」の共通性はこれだけある。

 もつと言へば、「河野談話」の後、財団が設立され、財団から元慰安婦に事実上の賠償金が支給されるも、挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)の息のかかつた元慰安婦らは受け取りを拒否。これを機に挺対協などは反日攻勢を一段と強めていつたが、これとまつたく同じ事態が、「日韓合意」後の今、韓国でまさに起きてゐるのだ。
 
 大方の日本人は誤解してゐるけれど、「河野談話」は慰安婦問題に火をつけるために出されたものではない。慰安婦問題を鎮静化させるために出されたものなのだ。日本が慰安婦強制連行を認めて謝罪すれば、韓国で燃え盛る反日運動も鎮静化し、慰安婦問題も最終決着するに至るだらう、と。
 
 日本がカネを出して謝罪すれば、「慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決」するとノー天気な期待を語る安倍呆韓総理は、この点で、「河野談話」を出した河野洋平の当時の認識と完全に一致してゐる。
 
 「河野談話」はなぜ、どのやうにして生まれたのか。それを振り返つてみれば、「河野談話」と「日韓合意」の相似性が明白になるはずである。

 
 (この項続く)






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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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