■改憲ゴッゴの行方


  国会の憲法改正論議の茶番




 9月26日に召集された臨時国会で、憲法改正問題で早速、与野党のやりとりがあつた。

 民進党の野田幹事長は自民党の憲法改正草案について「本気で議論する気があるなら、まずは自民党総裁として草案を撤回していただきたい」と撤回を要求、これに対して安倍首相は「自民党草案を撤回しなければ議論できないといふ主張は理解に苦しむ」と答弁した。

 このやりとりだけ切り取つてみると、野田幹事長の自民党草案撤回要求なるものがイチャモンのためのイチャモンにすぎないのは明白だから、代表質問でこんなものを持ち出した野田が異常で、これを拒否した安倍首相は至極まともだといふ印象を受ける。

 それなら、これから国会の憲法審査会で憲法改正論議に臨まうといふ自民党の姿勢がまともかといふと、さうではないから困るのだ。

 自民党の森英介・党憲法改正推進本部長は下村博文幹事長代行から衆院憲法審査会長の就任要請を受けるに際して、「自民党草案は封印してほしい」とクギを刺されたのだといふ。

 自民党内で自民党草案の棚上げ論が優勢になり、自民党草案を封印するといふ暗黙の党内の合意がいつのまにやらできたものらしい。つまり、今後の憲法改正論議に自民党は白紙で臨むといふことだ。

 奇怪極まりないことではないか。

 政権与党が、憲法改正に着手したいといひながら、我が党は憲法のここをこのやうに変へたいといふ考へを国民に提示することもせずに、白紙の状態で憲法改正論議を始めませうといつてゐるのだ。

 国会の憲法審査会が憲法の問題を白紙の状態で議論するとどのやうなことになるか? 

 先例がある。それは平成12年に設置された衆参両院の憲法調査会である。

 (この項続く)
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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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