■稲田朋美の変節と安倍晋三の変節(1)


稲田朋美の自民党政調会長時代の最大関心事はゲイ問題だつた




 国会では、民進党が稲田朋美防衛相の防衛問題等についての過去の発言を取り上げて、稲田攻撃に躍起になつてゐる。

 稲田朋美の過去の発言といふのは、核保有を国家戦略として検討すべきだとか、それ自体は至極真つ当なことばかりなのだが、いざ国会の場で追及されると、「核のない世界を目指してまいります」とかなんとかテキトーな答弁で逃げてしまふ体たらく。

 国会でのこんな空疎なやりとりだけ見てゐると、自社対立時代に、自民党の大臣が防衛問題や過去の戦争への発言などで野党から難癖をつけられ、最後は事なかれ主義の自民党総理によつて大臣が詰め腹を切らされるといふ、戦後くさるほどくり返されてきた大臣辞任騒動の再来を思はせられる。

 民進党も当然それを期待してゐるのだらうが、私は今の稲田発言問題は以前の自民党大臣辞任問題とはちよつと違つた印象を持つ。

 といふのは、稲田朋美の過去の発言とは、文字通り「過去の発言」であつて、私には今の稲田朋美がかつて口にした立派な言説の数々を今でも抱懐してゐるとは到底考へられないからである。

 稲田朋美が自民党政調会長の時、狂つたやうに取り組んだテーマはなんだつたか?
 
 それはLGBT(性的少数者)の問題だつた。つまりゲイの問題。

 彼女はこの6月、ゲイの祭典である「東京レインボープライド2016」を自民党政調会長として公式に「視察」した。自民党首脳部がゲイの集会に公式参加したのは前代未聞のことだ。

 集会に参加した後の稲田の発言を朝日新聞が紹介してゐる。見出しは「LGBTは人権問題、しっかり取り組む」。
http://www.asahi.com/articles/ASJ574WNRJ57UUPI004.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr04

以下がその発言内容。

《今まで、自民党がLGBT(性的少数者)の問題に取り組むと言ったら、なんかこう場違いな感じを受けたが、私はこれは歴史観とか思想信条とかそういうことではなく、人権の問題で多様性の問題なので、政権与党の自民党がしっかりと取り組んで、LGBTの方々の理解を促進していって、一つ一つの課題を解決していくことが重要だと思っている。

 息子が大学生の時、親しい友人が当事者だったこともあり、LGBTの方々の問題にもしっかり取り組まなければいけないと思った。私は色んな人たちが自分らしく生きられる社会をつくりたいと思っている。(これまでの自身の主張と矛盾しているとの批判があるが)私自身は男らしさとか女らしさということを言ったことは今まで一度もないし、男は男らしく女は女らしくすべきだというふうには思っていないし、自分自身もそんなふうにして育ってきていないので、自分としては全く矛盾はない。

 (自民党内では)「えっ」と思う人が反対だったり、すごくリベラルかなと思っていた人がLGBTの問題には全然理解がなかったりする。今まで自分を支援してくれたたくさんの人から、「なぜ、稲田さんがそんなことを言うのか分からない」と言われることもある。

 でも、私はLGBTの問題に取り組んで、その理解を広めることが、実は一億総活躍社会そのものだと思っている。誤解をされている方にも、しっかり説明していきたい。》

 朝日のサイトに掲載されてゐる稲田朋美の写真に注目されたい。

 虹色のサングラスをかけて笑顔を振りまいてゐる。

 レインボーはゲイのシンボルである。だから彼ら彼女らのお祭りも「レインボー」の名称を冠する。お祭り会場はレインボーだらけ。参加者たちは世界中にレインボーフラッグがはためく日を夢見てゐる。

 ゲイの祭典で購入したレインボーサングラスをかけて喜々とする自民党政調会長。

 ついでに解説すれば、稲田がいつもかけてゐるメガネはダテメガネである。本当はメガネが必要なほど視力は悪くないのだが、稲田の選挙区である福井がメガネ産業が盛んなことから、地場産業をPRすると称してダテメガネをかけてゐるのだ。

 ゲイの集会で買つたレインボーサングラスをかけてニッコリと微笑んでみせた稲田朋美のパフォーマンスは、ゲイの支援であると同時に、メガネ産業への支援なのかもしれない。

 ともあれ、ゲイの集会にノコノコ出かけて行つてこんなパフォーマンスをやらかす人物が、「日本の核戦略」を語るにふさはしくない政治家であることだけは確かである。

※ 「東京レインボープライド2016」の狂態ぶりを知りたい方はこれらのサイトをご覧あれ。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/07/tokyo-rainbow-prode-2016-festa_n_9861226.html
http://life.letibee.com/tokyo-rainbow-pride-2016-parade/
 (この項続く)


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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