上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
■「トランプ大統領」におののく日本(5)


 トランプ大統領の手玉にとられる日本のお坊ちゃん外交
 恭順の意を示した安倍首相に愛想ふりまいたトランプ





 ニューヨークで今月17日に開催されたトランプ・安倍会談なるものは、一種の興行みたいなものだな。

 大相撲の興行に例へれば、横綱同士の対戦なんかぢやなく、まあ横綱と幕尻力士の取り組みみたいなもんか。

 幕尻力士は横綱が初対戦相手に自分を選んでくれたことに感激しつつも、張り手でも食らはせられるのではないかとガチガチに緊張して土俵にあがつた。ところが張り手は飛んでこなくて、形だけでも相撲をとらせてくれた。

  横綱が幕尻を相手に本気で相撲をとる気がないことは、土俵に自分の付け人やらなにやらを一緒に上げたことからも明らかなのだが、幕尻力士は横綱と同じ土俵に上がれたと有頂天、「ボク、横綱と対戦したんだよ」と周囲に触れ回る・・・。

 まあ、それなりに面白い興行ではあつたけど。

 それにしても、トランプつて役者だね。

 日本の首相を金ぴかの自宅に呼びつけておいて、前日まで会談の詳細はマル秘。直前になつて通訳だけのサシの会談と通告しておきながら、会談の席には自分の方だけ長女イバンカと夫のクシュナー、閣僚候補のマイケル・フリンまでも伴つて現れるといふ無手勝流。

 通常の首脳会談なら「約束が違ふ」と、それだけで会談決裂となつてしまふところだが、非公式会談だし、そんなことに文句をいふ相手でないことは先刻承知。

 それでも、日本の総理大臣が大統領選からわずか一週間後にスッ飛んできた事情(ヒラリーへの肩入れ)を見透かした上で、安倍首相を持ち上げることを忘れないのがトランプだ。
 
 トランプは自分に従順な人間には実に優しい。

 安倍首相は日本からスッ飛んできてトランプに恭順の意を示したから、愛想よく接したのだ。
 
 トランプは単なる不動産王ではなく、マスコミの寵児でもあり、ニューヨーク社交界のスターでもあつた。

 ビジネス相手であれ誰であれ、トランプの人への接し方は融通無碍だ。

 人間の心理を熟知してゐて、相手が何を言へば喜ぶかを心得てゐる。

 相手の話にも耳を傾け、この男はどのやうに利用できるかと瞬時に思ひめぐらせる。

 ビジネス相手が弱みを見せると、すかさずそこを突き、高圧的な態度に出る。

 一旦敵と見定めた相手には容赦しない。

 これがトランプ流だ。

 会談後、日本側は安倍首相が会見し、プレスに写真を提供した。

 トランプ側はといへば、トランプ自身の会見はもとより、プレスへのブリーフィングも写真提供も一切なし。

 トランプに愛想を振りまかれた安倍首相がトランプを悪くいふわけはない。安倍首相の口を通じて語られるトランプの印象は、次期大統領の偉大なイメージをますます高めるだらう―こんなトランプ側の戦略は見事に成功した。

 会談の感激さめやらぬ安倍首相は、トランプをほめそやしたからである。

 トランプは、安倍首相が人畜無害で、育ちのいいだけの坊ちやん政治家であることを見抜いてゐる。

 日米関係で、かつて、ロン・ヤス会談といふのがあつた。

 レーガン大統領とは互ひにロン・ヤスと呼び合ふ仲だと世界に吹聴したのが中曽根首相で、レーガン大統領を自分の山荘に招いて囲炉裏を囲み、レーガン大統領との親密性を盛んに誇示したものだ。

 しかし、ロン・ヤスの間柄なんて、実は中曽根が吹聴したやうなものではなかつた。

 レーガンの元側近によると、レーガン大統領は中曽根首相との会談を終え、中曽根が部屋を出てゆくと、「あのジャップめ」と吐き捨てるやうにつぶやいた、とのことだ。

 トランプが安倍首相との会談後、「あのジャップ、単純だね」なんてつぶやいてゐないといふ保証はない。






スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック URL
トラックバック
プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。