■「トランプ大統領」におののく日本(6)


 トランプにあつさりコケにされた安倍首相
 「就任初日のTPP離脱」 を表明したトランプ




 大統領選後、通商政策については沈黙を守つてゐた次期米大統領トランプは21日、ビデオメッセージを発表し、就任初日に「TPPを脱退する」と宣言した。

 ペルーで開催されてゐたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)とTPP首脳会合の閉幕を待つてゐたかのやうなタイミングでのTPP離脱宣言だ。

 トランプがTPP首脳会合の前にTPP離脱宣言を控へたのは、任期中最後の国際会議となるAPECに出席したオバマ大統領へのせめてもの情けと思はれる。

 トランプ次期大統領のTPP脱退宣言によつて、TPPは事実上消滅した。

 トランプは、TPPの再交渉みたいなまだつらこしい交渉をするやうな男ではない。

 彼がこの日表明したやうに、米国の通商交渉は今後、二国間貿易協定に移行してゆくだらう。

 トランプ次期大統領のTPP脱退宣言で、またまた世界中に恥をさらしたのが安倍首相だ。

 「大統領選後のトランプと最初に会談したのが私です」と鼻高々でAPECに乗り込み、各国首脳から「トランプと何を話したのか」と質問攻めにあひ、「もてもて」(毎日新聞)だつた安倍首相。

 TPP参加国の間で、「トランプの説得 安倍首相に高まる期待」なんて絵空事を書いた新聞まであつた。

 安倍首相はペルーからアルゼンチンに移動し、ブエノスアイレスで記者会見。「TPPは米国抜きでは意味がない。米新政権の方針について、現段階で予断をもつてコメントすることは差し控へたい」

 ほとんどこの直後のことだ、トランプがビデオメッセージをYou Tubeで流したのは。

 「信頼できる指導者」と称賛してやまなかつた次期大統領トランプにあつさりコケにされた安倍首相の屈辱。
 
 安倍首相にとつて気の毒だつたのは、APECの直前に行はれたトランプ・安倍会談など、トランプのTPP離脱の決意を翻意させるどころか、トランプの考へ方に毛ほどの影響も与へなかつたことが世界中に知れ渡つてしまつたことだ。

 国民にTPP離脱を公約して大統領選挙に勝利したアメリカの次期大統領が、たつた一回会つただけの外国首脳に説得されて翻意するなんて考へる方がどうかしてゐる。
 
 安倍首相のお子様ランチ外交を真に受けて、「トランプの説得 安倍首相に高まる期待」などと書き飛ばす記者の幇間習性は憐れむに足る。

 彼の国では予備選から足掛け二年に及ぶ激烈な大統領選挙戦が展開されたといふのに、天下泰平に馴れた日本のお子様ランチ総理と彼をヨイショすることしか知らない新聞には、ドナルド・トランプといふ男の本性がいまだに皆目理解できなiいらしい。

 トランプが次期米大統領に就任すること自体の問題より、現実を見ようとしない日本の総理大臣とマスコミの習性の方こそ恐ろしい。



 
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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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