■トランプはアメリカのトイレの救世主か?


 米トランプ政権は、オバマ前政権が推進してきた、トランスジェンダーの児童・生徒が自認する性のトイレを使用することができる政策を撤回すると発表した。

 オバマ政権とはまつたくロクでもない政権で、同性婚を推し進めたのみならず、トイレの世界に持ち込まうとしたのがトイレのジェンダーフリー化だつた。

 オバマ政権が、連邦政府から補助金を受けてゐるすべての学校に、「本人が認識してゐる自分の性別をその児童・生徒の性別として扱はなければならない」といふ通達とガイドラインを出したのが2016年5月。

 これには前段があつて、ノースカロライナ州のシャーロット市が、心の性に合つたトイレなどを使用できるといふ条例を策定したため、ノースカロライナ州が2016年3月に生まれた時の体の性にあわせるべき、といふ州法を制定した。

 オバマ政権はこのノースカロライナ州法をつぶすためにノースカロライナ州を提訴する一方で、トランスジェンダーが自認するトイレを使用する権利を認める通達を全米の教育機関に通達したのだ。

 当然のことながら、このジェンダーフリー政策は、女装した男子生徒が女子トイレに入つて女子生徒を震え上がらせたりして、学校現場に大混乱を引き起こし、連邦地裁も2016年8月にオバマ政権の通達の一時差し止め命令を出してゐる。

 もし大統領選挙で民主党のヒラリー・クリントンが勝利してゐれば、トイレのジェンダースリー政策は一段と強化され、学校のみならず公共施設のトイレでもジェンダーフリー化が蔓延したのは確実だ。

 アメリカにおいてLGBTの権利擁護運動は、トイレは男女別といふ社会通念を破壊するところまできてしまつてゐる。アメリカの狂気はこのやうな形で発現する。

 トランプ政権は、オバマ政権によるトランスジェンダーのトイレ選択の自由政策を一応撤回した。

 それではトランプは、トイレは男女別といふトイレの秩序を回復した、アメリカトイレの救世主といつていいのかといふと、ことはさう単純ではない。


 (この項続く)


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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