天皇陛下の心臓冠動脈のバイパス手術が無事終了した。「多くの国民が安堵(あんど)の胸をなで下ろしたことだろう」と読売新聞社説(2月19日付)は書いてゐる。

当方も陛下の御病状には「安堵」した一人だが、実はこの度の天皇の御不例に際して、良からぬ事態を予期してゐたのだが、ほかならぬこの反皇室新聞の社説記事が当方の懸念した、良からぬ事態を実証して見せてくれたので、紹介したい。

とりあへず、読売の社説の全文を下に掲げよう。

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「天皇陛下の手術 ご快癒と公務の負担減を願う」
(2月19日付・読売社説)

 天皇陛下のご快癒を祈りたい。陛下のご健康や78歳という年齢に配慮して、宮内庁には、今後の公務の負担軽減を図ってもらいたい。
 陛下は18日、心臓冠動脈のバイパス手術を受けられた。約4時間にわたった手術は無事終了した。多くの国民が安堵(あんど)の胸をなで下ろしたことだろう。
 昨年2月の検査で、冠動脈の血管が狭くなる「狭窄(きょうさく)」が初めて確認された。医師団は薬物治療を続けてきたが、今月の精密検査で狭窄の進行が認められた。
 バイパス手術を選択したのは、成功率が高く、今後の陛下のご活動に支障がないよう血流を十分に回復させることができる、との判断からだったという。
 ただ、全身麻酔で胸を開く手術だ。回復にはある程度時間がかかる。がんとの闘いも続く陛下には、どうか無理をなさらず、治療と静養に専念していただきたい。
 難しいのは公務との兼ね合いである。年間1千件近い内閣の書類への署名・押印、首相や閣僚ら認証官の任命式、国賓歓迎行事、地方訪問……。宮中祭祀(さいし)も多い。
 加えて昨年は、東日本大震災後、7週連続で被災地や避難施設を訪問、陛下自ら被災者を励ましてこられた。11月の気管支肺炎での入院も、疲労蓄積で抵抗力が弱まったため、と医師団は見ている。
 それでも陛下は、震災から1年となる3月11日、政府主催の追悼式典への出席を望まれている。
 3年前、宮内庁は式典での陛下のお言葉を原則取りやめるなどの負担軽減策を打ち出したが、行事削減までは踏み込まなかった。
 今後、陛下の体調が心配されるときや静養の際には、皇太子さまが国事行為の臨時代行や名代を務めたり、皇族方が各種行事に出席して陛下の思いを伝えるといった柔軟な対応も必要になろう。
 その陛下が心配されているのが、皇室の将来である。
 現在、22人いる皇族のうち30歳以下は9人で、悠仁さまを除く8人が未婚女性だ。結婚すると皇室を離れるため、次第に皇族は減っていく。近い将来、皇室活動の安定性に重大な不安が生じる。
 政府は、皇族女子が結婚後も皇室に残ることを可能にする「女性宮家」の創設と、皇室典範改正を検討するため、近く有識者からの聞き取りを開始する。
 野田首相も、皇位継承問題と切り離して、女性宮家に早急の結論を出したい意向を示している。
 陛下と、国民の安心につながる議論を望みたい。

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陛下の体調が心配→過大な公務→公務負担の軽減を→皇族の減少→皇室活動に不安→早急に女性宮家の創設を

反天皇勢力が最近、示しあはせたやうに言ひ始めた、天皇の負担軽減のために女性宮家の創設をといふ、プロパガンダの見本のやうな記事だ。

この記事の主眼は、天皇の健康に対する心配よりも、女性宮家の創設を急げといふ結論にあることは、誰にも分かる。女性宮家の創設を言ひたいがために、天皇の御不例を利用してゐるとしか思はれない。この連中、ほとんど天皇の御不例を待つてゐたのではないか。

陛下の御病気の話から、「女性宮家の創設」に話を持つていくのに、「その陛下が心配されているのが、皇室の将来である」と、当の天皇を持ち出すといふのも、宮内庁奸臣グループなど反皇室勢力に共通する手口と言へる。

この記事は最後に「陛下と、国民の安心につながる議論を望みたい」と、さり気なく付け加へる。「陛下と」に御注目あれ。実は、天皇陛下も女性宮家の創設を望んでゐるんだよ、と言ひたいらしい。

天皇の御不例を利用した、反天皇勢力のプロパガンダはこれからますます増へてくることだらう。天皇の御不例のみならず、皇室が直面するあらゆる問題を自分たちのプロパガンダに利用する。これが宮内庁の奸臣らの根本戦略である。このテーマは、いづれ改めて追及したいと思ふ。









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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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