◆「一票の格差」違憲無効訴訟ゴッコ(その二)

 「一票の格差」違憲訴訟を金権訴訟化させた弁護士升永英俊


 昨今の「一票の格差」違憲訴訟の中核となつてゐるのは、左翼団体でもなく左派弁護士でもなく、人権派弁護士ですらない。企業相手の訴訟で巨万の富を蓄へた超富豪弁護士であり、違憲訴訟運動を支援してゐるのはIT企業長者であり、金融成金であり、経済同友会などの経済団体である。要するに、日本で有数のカネのある連中だ。

 「一票の格差」違憲訴訟はふたつの弁護士グループによつて起こされてゐる。ひとつは升永英俊弁護士のグループであり、もうひとつは山口邦明弁護士のグループ。昨年の衆院選で全国の高裁・高裁支部に起こされた訴訟は全部で16件。このうち、山口邦明弁護士のグループが起こしたのは2件にすぎない。あとの14件は升永英俊弁護士のグループによるものだ。

 山口邦明弁護士は昭和37年に初めて「一票の格差」違憲訴訟を起こした越山康弁護士の弟子筋にあたる人物で、いはば「一票の格差」違憲訴訟屋みたいな存在だ。しかし、現在の「一票の格差」違憲訴訟においては脇役みたいなものだ。現在の「一票の格差」違憲訴訟の主役はわずか四年前に、違憲訴訟に参入した永英俊弁護士グループに移つてゐる。

 「一票の格差」違憲訴訟は、升永英俊弁護士が平成二十一年に参入して、様相が一変した。

 升永英俊が始めた憲訴訟運動の新しい手法をとはかうだ。数十億単位のカネを用意し、新聞に全面広告を出し、法曹界の天下り人脈を駆使して、反「違憲」派の裁判官に圧力をかけ、違憲判決をもぎとるといふ戦法だ。法曹界の天下り人脈もカネで獲得したものだから、運動の原理は結局、すべてカネに帰着する。升永の参入によつて、「一票の格差」違憲訴訟運動はまたたく間に金権訴訟の様相を帯び始めた。

 「一票の格差」違憲訴訟を金権訴訟化させた元凶である升永英俊弁護士がどれほどの金持ちかといふ一例をあげると、この男は平成13年度の全国高額納税者ランキングに顔を出してゐる。

 平成13年度の全国高額納税者ランキングの堂々66位。所得税額はなんと3億4374万円。この年、歌手の宇多田ヒカルは第76位(3億1889万円)で、のちに長男への贈与の追徴課税取り消し訴訟を弁護する武富士会長の武井保雄は84位(3億639億円)だから、一介の弁護士が、全盛期の宇多田ヒカルや、サラ金業界トップのオーナーより稼いでゐたことに驚く。この男は弁護士稼業30年の間に一体どれほどの財産を築きあげたのか? 
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 巨万の富を抱へた弁護士升永英俊が四年前に突如、違憲訴訟運動を始めたのはなぜか。その仔細を調べてみると、とても面白い事実がみえてくるのである。

 (この項続く) 


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プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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