Category : トランプ大統領
■「トランプ大統領」におののく日本(3)

 「女性が輝く社会」をヒラリーに賞賛されて舞ひ上がつたフェミ総理
 ヒラリーからの手紙を得々とフェイスブックに掲載 





 米大統領さなかの9月19日にニューヨークでヒラリー・クリントンと会談した安倍首相は冒頭、こんな風にヒラリーに話しかけた。

 《私の政権が進めている「女性が輝く社会」の取組みを最初に支持して頂き感謝します。経済成長には女性の潜在力の解放が不可欠とのお考へに共感いたします》

 日本の新聞は、安倍・クリントン会談で日米同盟の強化で一致などと書いてゐたが、ヒラリーとの会談で安倍首相がはじめに持ち出したのは「女性が輝く社会」の話題だつたのだ。

 これに対してヒラリーも、安倍首相の進める女性のエンパワーメント政策や女性活躍促進政策を賞賛する言葉を返した。

 安倍首相がヒラリーに、「女性が輝く社会」の取組みを最初に支持して頂き感謝しますと述べたのは、次のやうな経緯があつたからだ。

 安倍首相が「女性が輝く社会」といふ口あたりのいいスローガンを掲げてフェミニズム路線を突つ走り始めた頃、ヒラリー・クリントンから一通の手紙が届いた。

 安倍首相の女性重視政策を支援するといふ内容で、

 「女性による貢献で日本経済が繁栄するといふ将来ビジョンを訴へてくれたことに感謝する」

 「私は首相のパートナーであることを誇りに思ふ。いかなる方法でも支援したい。前進せよ!」と締めくくられてゐた。

 安倍首相はこの手紙によほど感激したらしく、自分のフェイスブックに手紙の写真まで公開してかうつぶやいた。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=428151600641622&set=a.132334373556681.21871.100003403570846&type=1

 《 「Onward!(前進あるのみ!)」
 ヒラリー・クリントンさんからいただいたお手紙は、そんな力強い言葉で締め括られていました。
「女性が輝く社会をつくる」という私の考えを強く支持する、とわざわざお手紙を送ってくれたのです。
女性が輝けば、日本は、世界は、もっと輝く。
「前進あるのみ」です。》

 アメリカの超フェミニストから「Onward」(進め!)と命令されて喜色満面、「はい、進みます!」と命令に服す日本国総理。

  戦後レジームからの脱却どころか、やつぱりこの人、対米属国国家日本を象徴する総理大臣と位置づけるのが正しいやうに思ふ。

(この項続く)








■「トランプ大統領」におののく日本(2)


 大統領選さなかにヒラリーとだけ会談したボケ総理
 世界中に恥をさらしたトランプへの「当てつけ」会談




 アメリカ大統領選挙のさなかに、他国の指導者が民主共和両党候補者の一方とだけ会談するなんて、常識ではありえない。当たり前である。どちらが勝つか分からないからである。

 今回の米大統領選挙で、この常識破りの椿事を演じた頓馬な指導者がゐる。日本の安倍首相である。

 安倍首相は大統領選投票日が二か月後に迫つた9月19日、ニューヨークで民主党大統領候補ヒラリー・クリントンと会談した。

 安倍首相がヒラリーとの会談に臨んだ「思惑」と「意義」については、会談を報じた産経新聞の記事が実に親切に解説してくれてゐる。

http://www.sankei.com/politics/news/160920/plt1609200035-n1.html

 この産経記事によると、

《クリントン氏との個人的な“信頼関係”を見せつけることで、共和党候補のドナルド・トランプ氏への不信感をにじませた》

《安全保障問題で現実的な路線を取るとみられるクリントン氏とあえて会談することで、トランプ氏を牽制(けんせい)する狙いがあったようだ》

 安倍首相は、会談すればクリントンに「肩入れ」したとも受け取られかねないことを承知しつつ、クリントンとの個人的信頼関係を見せつけることで、トランプへの不信感を表明したといふことになる。

 つまり、クリントンとの会談はトランプへの「当てつけ」会談だつたわけだ。「ボクちやんたち、こんなに仲がいいんだよ」

 対立候補トランプへの「当てつけ」と、次期米大統領ヒラリーへのゴマすりと点数稼ぎ。

 適菜収氏流にいへば、お子様ランチレベルの外交感覚といふことにならうか。

 ヒラリーが当選してゐれば、安倍首相は世界でヒラリー・クリントン大統領から最も信頼されてゐる指導者を自称することができるだずだつた。

 世界の指導者のうちでトランプが逆転勝利を収めたことに一番ショックを受けたのは安倍首相をおいてないだらう。

 安倍首相のショックのほどは、トランプが勝利した直後から、官邸が「トランプ側にも会談を打診してゐた」「安倍首相は自分をヒラリーとだけ会ははせた奴は誰だと激怒してゐる」などといふ話をまことしやかに流し始めたことに現れてゐる。

 全部ウソである。

 ヒラリー側から申し入れられた会談に安倍首相は大喜びで飛びついたのだ。トランプへの当てつけ会談だから、トランプは当然無視された。

 先の産経に記事が書いてゐるやうに、外交感覚ゼロの外務省でさへ、安倍首相がヒラリーと会つたこと自体が「大きな驚きだ
」といつて、米大統領選候補者の一方とだけ会談するリスクを危惧してゐたのである。

 あれほどアメリカ国民から嫌われてゐるヒラリー・クリントンなのに、この日本の指導者は「ヒラリー大好き」人間だつた。

 トランプが「あいつを投獄しろ!」と連呼したヒラリーを安倍首相がどれほど崇めてゐたか、証拠はいくらでもある。


 (この項続く)
 
■「トランプ大統領」におののく日本


「トランプだから」勝つたのか?
 トランプ勝利の要因はヒラリーの賞味期限切れとスキャンダル



 


 米大統領選でのトランプ劇的逆転勝利の要因は、米国民の間でこの攻撃的暴言王への期待が高まつたといふより、賞味期限が切れてスキャンダルにまみれたヒラリー・クリントンに米国民が「ノー」を突き付けたといふ方があたつてゐるだらう。

 大統領選挙戦の潮目を変へたのは明らかに、クリントンのメール私用問題でFBIが捜査再開を宣言した時だつた。

 大統領候補討論会でクリントンに好感度で差をつけられ、女性に対する下ネタ発言や映像が相次いで暴露されて、トランプの支持率は急降下。もはや大統領選の決着はついたかと思はれたが、このFBIの捜査再開宣言がトランプの息を吹き返させた。クリントンとトランプの支持率の差はみるみるうちに縮まつた。

 投票日が十数日後に迫つたタイミングでの捜査再開宣言は、米国民に間にそれまでにない動揺をもたらした。「ヒラリーを大統領にしたら、大統領になつてから刑事訴追されるのではないか・・・」

 ウオーターゲート疑惑が発覚した後のニクソンをホワイトハウスに送り込むやうなものだ。

 私用メール問題のほかにクリントン財団の口利き疑惑など数々の不正が浮上してゐたヒラリーへの不信感を一挙に噴出させたのが選挙戦土壇場での捜査再開宣言だつた。

 トランプ勝利の一因は「隠れトランプ支持者」の投票行動だつたのは確かだらうが、たとへ「隠れトランプ支持者」の存在があつたとしても、FBIの捜査再開宣言がなければトランプの勝利は覚束なかつたはずだ。最終的に選挙の帰趨を決したのはクリントンのスキャンダルだつた。ヒラリー・クリントンは自滅したのだ。

 トランプだからヒラリーに勝つたのではない。

 あれだけ汚辱にまみれたヒラリー・クリントンなら、共和党のまともで無難な(つまり魅力には欠けるがトランプのやうな過激さも破天荒さも持ち合はせてゐない)候補者なら誰でも勝てたと思ふ。自身も嫌はれ者のトランプだから、満身創痍のヒラリー相手にあれだけ苦戦したともいへる。

 共和党の無難な候補者だつたら、トランプのやうな熱狂的支持者は生まなくても、ヒラリーよりはマシといふ反ヒラリー票の受け皿になることはより容易だつただらう。

 テレビでヒスパック系と思しき女性が語つてゐた言葉が印象に残る。「女性が大統領になつてもらひたい。でも、あの人以外ならね」

 口を開けば、マイノリティや女性の権利、同性婚の差別解消、そしてファーストレディ、上院議員、国務長官としての自慢話。つまるところ、ヒラリー・クリントンは政治家としての賞味期限が切れてしまつたのだ、オバマ政権8年の間に。

 ヒラリーとビル・クリントンンの間には、ビルが大統領の座を射止めた後、ヒラリーが大統領を目指す。そのために二人は協力しあふといふ契約が交はされてゐた。

 ワシントンで弁護士として売り出したばかりのヒラリーが周囲の反対を押し切つて田舎のアカンソー州に引つ込んだのも、まずビルがアカンソー州知事から大統領を狙ふといふ二人の計画に沿つた行動だつた。

 ビルがアカンソー州知事から大統領時代に無数の女性スキャンダルを引き起こしても(ビルを罵倒はしたが)、ヒラリーに離婚といふ選択肢はなかつた。夫の女性スキャンダルも、最後は自分が大統領を目指すといふヒラリーの構想をブレさせることはなかつた。

 ビルに協力しつつ、ビルを踏み台にして、ビルに続いて自分も大統領に座につくといふヒラリーの夢はあと一歩のところで潰えた。

 ヒラリーの夢を潰えさせたのはトランプだらうか? いや違ふ。オバマだ。

 オバマが8年前に彗星のやうに現れなかつたら、ヒラリーは民主党指名争ひでスンナリ候補者に選ばれ、本戦も制して大統領に就任してゐただらう。

 第一、ヒラリーがオバマ政権下で国務長官に就任してゐなければ、大統領戦の命取りになつたメール私用スキャンダルも発生してゐなかつただらうから。



 


プロフィール

tensei211

Author:tensei211
ちば・てんせい。ジャーナリスト、政治評論家。フェミニズム論、天皇論を中心に執筆活動を展開してゐる。

北海道芦別市生まれ。千葉県在住。

フェミニズム論をまとめた著作として、『男と女の戦争―反フェミニズム入門』(展転社)など。フェミニズム関係の共著に『男女平等バカ』(宝島社)、『夫婦別姓大論破』(羊泉社)などがある。

執筆には、正仮名遣ひ(歴史的仮名遣ひ)を用ゐる。

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